1道灌 | 2小言幸兵衛 | 3高砂や | 4蛙茶番 | 5金明竹 |
---|---|---|---|---|
6寄合酒 | 7ろくろ首 | 8孝行糖 | 9崇徳院 | 10近日息子 |
11時そば | 12寿限無 | 13子ほめ | 14蒟蒻問答 | 15猫と金魚 |
16宿屋の富 | 17出来心 | 18半分垢 | 19千早振る | 20宮戸川 |
21長屋の花見 | 22短命 | 23野ざらし | 24不精床 | 25井戸の茶碗 |
26牛ほめ | 27天災 | 28替り目 | 29だくだく | 30かぼちゃ屋 |
31居酒屋 | 32猫久 | 33火事息子 | 34饅頭怖い | 35狸さい |
36芝浜 | 37夏泥 | 38たがや | 39反対車 | 40味噌蔵 |
41大工調べ | 42湯屋番 | 43雑俳 | 44提灯屋 | 45百川 |
46交通安全① | 47妾馬 | 48青菜 | 49らくだ | 50文七元結 |
51寝床 | 52禁酒番屋 | 53居残り佐平次 | 54二番煎じ | 55子は鎹 |
56抜け雀 | 57宿屋の仇討 | 58幽霊の辻 | 59化け物使い | 60黄金餅 |
61金玉医者 | 62子別れ・上中 | 63三方一両損 | 64御神酒徳利 | 65粗忽長屋 |
66棒鱈 | 67富久 | 68中村仲蔵 | 69唐茄子屋政談 | 70付き馬 |
71くしゃみ講釈 | 72鮑のし | 73死神 | 74あくび指南 | 75明烏 |
76もう半分 | 77五人廻し | 78白昼の交差点② | 79転失気 | 80平林 |
81老婆の戦術③ | 82人情八百屋 | 83柴犬④ | 84桃太郎 | 85天狗裁き |
86やかん舐め | 87新時そば | 88初天神 | 89壺算 | 90ねずみ |
91親の顔 | 92老婆の休日 | 93シルバー川柳⑤ | 94うどん屋 | 95釣り馬鹿ばっか⑥ |
96真田小僧 | 97孫、帰る | 98ぞろぞろ | 99歌に歴史あり⑦ | 100堀之内 |
101災難くじ⑧ | 102親子酒 | 103笠碁 | 104甲府い | 105ガマの油 |
106目黒の秋刀魚 | 107小言念仏 | 108猿後家 | 109百年目 | 110花見の仇討 |
111道具屋 | 112たらちね | 113粗忽の使者 | 114デバートの思い出⑨ | 115松曳き |
116陸奥間違い | 117ちりとてちん | 118不動坊 | 119そば清 | 120やかん |
121竹の水仙 | 122蕎麦屋にて⑩ | 123睨み返し | 124元犬 | 125木乃伊取り |
126権助魚 | 127粗忽の釘 | 128風呂敷 | 129おばけ長屋 | 130片棒 |
131かつぎや | 132家見舞い | 133火焔太鼓 | 134代脈 | 135お見立て |
136長短 | 137安兵衛狐 | 138持参金 | 139御慶 | 140穴泥 |
141へっつい幽霊 | 142ウィルス11 | 143ペースメーカー | 144お菊の皿 | 145王子の狐 |
146茶の湯 | 147金の大黒 | 148岸柳島 | 149団子坂奇談 | 150一文笛 |
151さんま火事 |
※※令和6年10月16日 №151「さんま火事」 更新 赤字は自作
『ネタに関する二・三の考察』
昭和49年1月に発足した「水原落語会(現新潟落語会)」が同年3月に開催した旗揚げ口演の記念すべき第一号の客の立場から、同年8月に 演者の立場になり、以後現在まで高座に掛けたネタについて書き溜めた個人的ネタ帳です。
☆☆☆
151『さんま火事』R6.9トライ・ R6.10.16初演(笑天寄席)
秋の噺は「目黒の秋刀魚」しか出来無いのです。
秋刀魚の出る噺は他に「さんま火事」と「さんま芝居」があると言うのは知っておりましたが、あらすじを呼んでも面白く無いと思っておりました。
以前寄席で「さんま芝居」は聞いたことが有りますが「さんま火事」は聞いたことが無かったのです。
それが9月に鈴本で柳家小せん師ので初めて聞いて「面白いな」と思ったのです。
噺家さん次第ですね。
YouTubeには、小せん師と先代三木助師のが載ってました。
三木助師と先代の扇橋師くらいしかおやりないならなかったらしいです。
扇辰師もやっていないのかな?
で…秋だし、やってみようかな…と。
1回聞いただけであらすじは覚えたし…後は入れ事。
20歳代では寄席だけで覚える事は良く有りましたが…70歳でも覚えられたなぁと驚いております。
上がってくる時の「エグザイル入りはよせ」
まずは「火事だ~、と騒ぐ作戦」の所で「普通の人の九割五分は警察嫌い。残りの五分は警察官の家族」「大家さんが言うと説得力がありますね」…くらい。
元は「しわい屋」なのですが持ちネタの「片棒」では「あかにし屋」なので私自身が混乱したため「あかにし屋」で統一。
サゲ前ではあかにし屋にやられっ放しが面白く無いので「皿が三枚割れた」事にして長屋の衆を喜ばす事にしました。
☆サゲ
「飯の支度をしろ」「おかずが来ません」「皿三枚割ったから向こう三年おかずは無しだ」としてから
「今日はこの秋刀魚の匂いをおかずにして食べなさい」
と本来のサゲに戻します。
□大家・月番・六さん・トメさん・あかにし屋・番頭・奉公人…7人
150『一文笛』R6.6トライ R6.8.21初演(笑天寄席)
他の方が作った噺でやらせて貰っているのは「幽霊の辻」「親の顔」「孫、帰る」「老婆の休日」の4本。
その他の新作についてはプロアマ問わず「他人の作った噺を掛けるくらいなら頑張って自分で作れ!」と思い始めてからやらないようになりました。
誉めて頂いても自分の手柄じゃ無いしねぇ…。
この噺は米朝師のお作りになった噺で相当昔から知っておりました。
凄く良い噺なのですが上方だしと思って手を出さずにいましたし、他人の新作に拘りを持ってからはなおの事やる気はなかったのです。
更にサゲの「ぎっちょやねん」は関西弁でなければ成立しないと思っておりました。
ただ数年前に聞いた久寿里菊之助さんの「一文笛」が良かったのですよ。
それに既にこの噺は「古典」でしょう…という強引な解釈でやってみようかと。
で、上方ではざこば師・先代春蝶師、江戸では円楽師・正雀師のを聞いてみました。
やはり、ざこば師が良いですねぇ。春蝶師も良いですけど。
円楽師の最近版は死期が近かったせいか口跡がはっきりしないのと、殊更符牒を使うのが鼻につきましたが若い頃のは歯切れも良かったですね。
気持ち的にざこば師と春蝶師を江戸弁に直す雰囲気で、地名だけ円楽師を頂く感じ。
「縄張り」「若い者」「草鞋を脱ぐ」という言い方にして「故買屋」でも良いのですが「系図買い」とも言ってみました。
「ご一新になって新しい言葉がいろいろ出来ましたが『権利』とか言うんですか、それを一円で買ったって事なんでしょうか」としてみました。
最初にスリが見つけたのを「神田五軒町」次のヤツは「出来たばかりの万世橋(明治6年に完成)を渡った辺り」上方から来た「隼」という男が「上野広小路」で引き継いで、秀が先回りしたのが「下谷」…そこから「稲荷町」「田原町」「観音様」で声を掛けるとしてみました。
ざこば師春蝶師では最初から「煙草入れ」を狙っていたが盗れなかったので秀が計略を練った様に聞こえます。
円楽師のは「財布が盗れなっかったから別の物にした」と言っている様に聞こえます。
米朝師の音が無いので分かりませんが、私は上方版で。
兄貴分が何故スリになったか語られていないので秀に
「兄貴はすっかたぎの良い家の生まれなのにおっかさんに死に別れて新しいお袋さん とソリが合わずに飛びだして俺たちの世界に入って来たが…」
とベタな理由付けを致しました。
子供が父親に追い出された後…円楽師の「おせっかいの竹が気づいたら姿が無いのでみんなで探したら井戸にいた」のでは間に合わない気がします。
ざこば師は「ドボン」と音がしてみんなで飛び出した…長屋のみんなが気にしていたというのが分かるのでこれかなぁ。
みんないつまでも見ていられないから家に戻ったが気になるからみんな耳をすましていたら泣き声が止んで「ドボン」と音がしたので飛んで出た…としました。
指を飛ばすところで円楽師はことさら「左手で」と言っているけど「右手の人差し指とたかたか指」を切るのだからそこはサラリで良いのでは。
私は指も演者の説明なので「人差し指と中指」でやります。
円楽師は「指が繋がるかも…」と言ってその後に繋がったような雰囲気で噺をしておりますが…明治時代ではあり得ない話ですので「根元をきつく縛って医者に連れて行け」だけで良いと思います。
医者の名前は高橋。独逸帰りで博士。大きな病院の院長。酒屋は伏見屋…旦那は贅沢病。兄貴に、長屋で一番良い座布団を汚らしそうに見て「ズボンの折り目を気にして座った」と言わせております。
医者「字が読めるヤツはいるか」兄貴「俺が読める」…学が有ると言う事で。
「口が風邪引くぞ~」好きな台詞です。
☆サゲ
「指が無いのに凄いなぁ」「おれ、ぎっちょなんだ…」
本当は上方の「わい、ギッチョやねん」が最高なのです。
円楽師の「おれ、左利きなんだ」…それじゃぁ面白くもなんとも無い。
「ギッチョ」は「差別用語」だという御仁もおられるようですが、語源的には…
「毬杖(ぎじょう)」という遊びで左利きの人間が「毬杖」を左で持ったから「左毬杖」から転じた説。
左手を器用に使うので「左器用」から「左ぎっちょ」に変化した説。
どちらを取っても差別的要素は無いのです。
何でも差別と言って言葉狩りをするのは止めましょう。
サウスポーさえ差別用語になってしまいますね。
□男・秀・兄貴…3人(駄菓子屋の婆は話の中にしか出て来ません)
149『団子坂奇談』6.5トライ R6.6.19初演(笑天寄席)
扇辰師の独演会で初めて聞いて…あまりのオチの馬鹿馬鹿しさに覚えようとは思わなかったのですが、五円さんから怪談噺の会を持ちかけられてやる気になった噺。
圓生師から教わった先代文蔵師から先代扇橋師が教わった噺だと江国滋氏の本に書いてありましたが、以前入船亭扇辰師からも酒席でその様にお聞きしたのを思い出しました。
先代扇橋師と一琴師のYouTubeを参考に。
生駒家の次男の弥太郎が主人公です。
しかし、何故か直ぐに名前を忘れるので「井川弥太郎」に変更しようと思ったのですが、江戸切絵図を見ると吾妻橋を本所側へ渡った右側に「生駒徳太郎」という屋敷が有りました。
その後に作られた切絵図では、生駒の屋敷は「寄合 巨勢十左衛門 五千石 2400坪」となっておりました。
寄合名簿には「生駒家」はなかったのですが、五千石の人間が後に入ったのですから生駒家も噺の通り名門だった様です。
そこで「生駒」で行きますが、もし忘れたら…その時思いついた名前にします。
1石は約5万円・2400坪は東京ドーム6分の1…蘊蓄を入れて。
浅草で「団子坂の桜」の話を聞いて浅草から団子坂まで行くので
田原町から稲荷町を抜けて下谷から上野へ。その頃上野の山は全て東叡山寛永寺。上野の山の淵を回って不忍の池へ。そこが池之端。右に忍坂や清水坂を見て不忍池に流れ込む藍染川の淵を北へ上って行くと右に三浦坂、左に新坂と根津権現を見て、千駄木へ。左側に上る坂が団子坂。
と、好きな坂を幾つか入れてみました。
団子坂は江戸時代には菊人形で有名。大正14年に江戸川乱歩が明智小五郎を初登場させた「D坂の殺人事件」もこの団子坂…なんて説明も入れます。
団子坂を調べても「桜の名所」というのは出て来ませんでした。
扇橋師版では弥太郎の母親が
「おっかさんにそう言ってごらん」
と町人言葉を使っているのでこれは
「心に掛かることが有るのではないか。この母に申してみよ」
と武家言葉に変更。
蕎麦屋の名前が「おかめ屋」娘の名前が「おきぬ」はそのまま。
おきぬが夜中に出かける時の描写に
「上唇を下の歯で噛んで思いつめたような顔で…」
としてみました。
モデルは阿修羅像の左のお顔。
おきぬが出かける一回目が梅雨の盛りの晴れた月夜の晩。
二回目が夏の月夜の晩。
陰暦では毎月十五日が満月なので弥太郎に「そうか、毎月十五日に会う約束になっているのか」と言わせてみました…
おきぬが夜中に団子坂を下りて藍染川の橋を渡り向いの三崎坂を上ります…円朝の墓がある「全生庵」も三崎坂です。
先代扇橋師では「汐見坂…その後三崎坂になった」と言っております。
しかし、永井荷風の「日和下駄」では「団子坂をば汐見坂という由、後に人より聞きたり」と書いて有ります。
現在「汐見坂」は「根津権現裏門坂」から「団子坂」に繋がる藍染川に平行した坂道にその名前があります。
「汐見坂」は「団子坂」の別名のようですが「三崎坂」ではないようです。
江戸の切り絵図には坂の名前は書いてありませんので私は「三崎坂」でやります。
弥太郎に「坂を上ったら谷中。墓場の脇を抜けると『芋坂』を下って根岸。男は根岸か」と江戸切絵図にも有るので「芋坂」を入れて言わせてみました。
「土まんじゅう」…扇橋師は「どまんじゅう」一琴師は「つちまんじゅう」
これは「どまんじゅう」でしょうね。
棺桶を掘り出して蓋の縄を切るのに「懐からカミソリを取り出して」と入れました。
「赤ん坊の仏」を「赤ん坊の骸(むくろ)」に直しました。
ほとんど地噺なので難しいと言えば難しい。
本当に怖い噺なので変な入れ事は邪魔になりますが…大好きな坂が多いので入れたくなる悪癖が…。
☆サゲ「娘は手を囓ったかもしれないが、お前は親の脛を囓っている」
嘘みたいに肩すかしのサゲ。落語だから許されるのでしょうね。
ネタ下ろしはそれなりに怖がって頂き…サゲの肩すかしに驚いて頂きました。
□弥太郎・母・おかめ屋の親父・おきぬ・町人AB…6人
148『岸流島』5.12トライ R6.4.17初演(笑天寄席)
好きな武家物だけど短いので手を付けなかった噺。
NHKのカラー志ん生の番組を見ていてやろうかなと思い立ち、志ん朝師をベースに。
談志家元のは浪人が格好良すぎるので不採用。
兼好師などではご老体が「許してやんなされ」と言っているけどイマイチ気に入らないので不採用。
素直に「許してやって頂きたい」で良いと思う。
短いので川柳の話やら橋の話などを入れ込む。
船の中の町人2人のキャラ分けが中々出来ず…今後の課題。
調子の良い乙に「俺は状況によって変化する」と現代語を使わせて、浪人が泳げないと請け合う丙に同じ事を言わせてみた。
口は災いの元・舌は根・歯は垣根・鼻の穴は窓…は採用。
船頭が浪人を置き去りにする際に
この旦那が戻らないと切るって言うんでご勘弁願います
と言わせて後難を避けさせた。
佐々木巌流の逸話は「巌流島」の由来が嘘なので不採用。
なので題名は「岸流島」に。
初演は言い間違いも多く…稽古不足で反省。
☆サゲ
「落とした雁首探しに来た」…「雁首探しに来た」だけにしようと思ったけど「落とした」を入れた方が語呂が良い感じがしたので。
□浪人・屑屋・船頭・老武士・船中客甲・乙・丙…7人
147『金の大黒』5.12トライ R6.1.17初演(笑天寄席))
出だしが「長屋の花見」にそっくりなので覚える手間が少ない…と言う訳でも無いのですけど長屋モノで正月用のおめでたい噺をと思って覚えようと思った噺。
短い噺なのでいろんな方の噺を聞いてみましたし、上方の噺なのでそっちも聞いてみましたが、これというのが無いので、口上が入ったり寿司を配ったりするのが入る人間国宝の雲助師のをベースに。
大家の猫を食べちゃうのが好きなので、それだけでなく
去年の冬に燃やす物が無くて困っていたら大風の日に大家の塀を引き倒してみん なでバラして分けて冬が越せた…大家が次の日に「塀が無くなっている」というの
で「大風で飛んでいきました」と言っておいたがそれがバレたかな。
と言うのを入れてみた。
江戸っ子の辰公に店賃・羽織・口上で連続に活躍させた。
口上は源さんが「玉乗り」吉兵衛さんは正当派。六さんはしろどもどろ。
☆サゲ
「あまり楽しいので友達の恵比寿も呼んでこよう」
おめでたいサゲ…「俵の米を売ってこよう」と言うのが本来みたいですけどこっちの方がおめでたいので。
□長屋の月番・辰公・六さん・与太郎・吉兵衛・彦さん他・大家・大黒…8人他
146『茶の湯』R0510トライ R051028初演(ほのぼの寄席)
気にはなっていたのですが、面白いと思わなかったので手を出さなかった噺
先々代金馬師のCDも隠居が嫌いで聞かずにいたのですが、ラジオで先代柳朝師の噺を聞いたら、これなら出来るかな…と思い、柳朝師の音が無いので文朝師のを参考にする事に。
講談社本も先々代金馬の様ですな。教科書だったのでしょう。
文朝師も先々代金馬師の弟子ですからね。
先々代金馬師は好きなのですが、この噺に関しては駄目ですね。
隠居の言葉が「泡が立たねぇ」や「飲め!」などと荒々しかったり、変な言葉使いが嫌で寝る前にも聞かなかったくらいでした。
更になかなか入れ事がしにくい。
「閑静な所と言いなさい」「静かだから大声で叫ぶんですか」「それは歓声」…完成・感性なども有るけど難しいので。
「流儀によって微妙な違いがありますが…茶の湯をやらない方にはどうでも良いって思うんですよ…」などと大分ディスっております。
「きな粉を入れる器が有ったろう、ほら、『マサコ・マサコ』」「蔵前の若旦那は『ナツメ』と言ってましたけど」「分かる人だけ分かれば良い」
「ボコンボコンと音を立てて湯が沸いてます。この音が風流だな」
「椋の皮」は、「羽子板の羽根に使うムクロジの実の皮」の事で石けんが普及するまでは洗濯石けんとして使ってました…と説明を入れました。そうしないと分からない人が多いからね。
「蔵前の若旦那をお呼びしましょう」「いやいや流儀が違う者が一緒になると喧嘩になるんだな…耶蘇教もイスラム教も宗派が違うと大変な喧嘩になるだろう」と宗教批判も少々。
「拠ん所ない事情で引っ越す」を「退っ引きならない事情で…」の言葉の方が好きなので。
豆腐屋に「隠居の手紙…家賃の値上げか?」と言わせて初演時には「露と宇の戦争などから値上げが酷いが『向こう岸田は何もしない』…しかし野党はもっと酷い」
女房「何を言い出すんだい」豆「何だか変なのが下りて来た」
などと遊んでみました。
「まんじゅうが型から取れないので「灯油」を塗りました。訓読みで『ともしあぶら』音読みで『とうゆ』と申します」…これも説明しないと分かりにくいので。
☆サゲ
「また茶の湯か」
私は久し振りの茶の湯だと思うので
「また茶の湯が始まったか」
を取りました。
□隠居・定吉・豆腐屋・女房・鳶の頭・手習い師匠・旧友・近所の男甲・乙…9人
145『王子の狐』R504トライ R50527初演(ほのぼの寄席)
落語を始めたのが昭和49年8月。その後昭和51年にやってみたい演題というのをノートに書いておりました。最近新ネタに取り組む気概が無くなっておりまして、そのノートを見て見たらその中に有ったのがこの噺。
サゲが気に入って入れたのだと思います。
平成16~7年頃に王子稲荷へお参りに行きました(写真は19年から)。社の裏に小さな穴が有ってこれが狐の巣だって言うんだけど小さすぎるようですね。お稲荷さんの帰りに噺に出てくる「扇屋(1648年創業)」を探しましたが見つからない。ビルの中の案内板に「扇屋事務所」「扇屋」と書いて有るけど、扇屋の場所は「白木屋」になっておりました。
探し回っていたら「扇屋・卵焼き」と書いたスタンドが有っておじさんが卵焼きを売ってました。卵焼きを買ってオジサンから話を聞いたら「店は潰れちゃったけど、卵焼きだけでも残して欲しいと言われて売ってます」との事でした…この辺りはマクラで説明。
基本は講談社の「古典落語」
馬生・志ん朝師は狐が十七・八で「お花ちゃん」だが、本と志ん生師は「清元の師匠」
…志ん生師は何を言ってるか分からないので、参考にならず。
私は隣町の常磐津の師匠にして二十七八の肉感的な女に。
唐突に話が始まり、直ぐに狐を見つけるのはイマイチ納得がいかないので、半公が王子稲荷にお参りに来て「稲荷の坂」だの裏手の「三平坂」が素敵だとの独り言を入れて
立ち小便をするのに松の木の陰でやろうとして稲の山からしっぽが出ているのを見
つける
という形にした。
狐が化かすのに「お蕎麦がミミズ」というのは藪蕎麦さんに申し訳無いのでカット。
「お風呂に入りましょう」と言われて「風邪を引いて咳がコンコン出ます」と言って「コンコンは嫌い」と嫌がられるのを入れました。
扇屋の階段では狐を先に上げて
「何処にしっぽを隠しているのかな…しかし良いお尻だね…」「いやらしいね、お尻ばっかり見て」
との会話を入れた。
酒が来る間に
2年ほど前に師匠の所へお稽古に行ったけど稽古しないので「こんこんと説教され
て…あ、コンコンはいけませんな。金輪際言いません。今回ばかりは…」と言うのを入れた。
志ん朝師の「吸い物を飲んでご覧なさい。え?猫舌?」というのを頂いた。
狐のイビキが凄いので「やっぱり、獣だねぇ。タヌキ寝入りじゃないだろうな」と言わせた。
女中が起こしに来て寝ている狐を見て
「凄いイビキだねぇ、どんなに綺麗でも百年の恋も覚めちゃうよ。綺麗だけどなんだか作った様な顔だねぇ」
と言わせた。
狐が先に「お勘定は?」と聞くのが納得いかず、女中から
お勘定はそちらから頂くように言われております
と言われて驚くという形にした。
最後っ屁は「最終兵器アルティメットウエポン」…。
あっちでポカリ、こっちでポカリ…ポカリスエット…下らねぇ。
兄貴分の「官費かい?」は分かりにくいので、「冠婚葬祭か?」「う~ん、コンコンコン祭かな」
兄貴分に「帰ると女房が狐に憑かれて…」と言われたのだから、家に帰ってからの描写が無いのはおかしい。
半公は障子に写ったカミサンの影を見て「大丈夫そうだけど…」家に入ってカミサンの尻にしっぽが有るかどうかを確認するため尻を触るので、カミサンに「夕方から好きだねぇ」と言わせた。
狐の子が「お土産開けて良いかな?」母狐「総理大臣じゃないから爆弾でもないだろうけど…」…時事ネタ。
☆サゲ
「まんじゅう?食べちゃいけないよ、馬の糞かも知れない」
□半公・狐・お清どん・番頭・辰っつぁん・旦那・兄貴分・女房・子狐…9人?
144『お菊の皿』02.07トライ (04.7.20笑天寄席)
お寺から怪談話の会を依頼され、半分怖い「幽霊の辻」と本当に怖い「もう半分」の二席しか持っていないので、 馬鹿馬鹿しい噺をと思い選択。
楽栗さん、五円さんが掛けているので、遠慮していたけど、余りに沢山聞いているので、ほぼ覚えている。
あまり、入れ事はせずにオーソドックスにして、三三・喬太郎師達の良いとこ取りでと思っていたけど笑天寄席となれば話は別で…差別化を図るためにイロイロぶっ込んで。
1週間しか時間が無かったけど組立て直し。
八公が木更津へ仕事に行って地元の人に「番町皿屋敷」について聞かれたことにする。
八公の他に仲間は4人…挨拶を何人分もやる…誰かがやっていたギャグ。
隠居の説明に
「お菊の帯を解いてくるくる回す。弓の折れで叩く」段々興奮してきて…
「皿は何処へやった!」 「皿のことは更々知らない…」くだらねぇ~!
「髻をつかんで井戸端へ…水を掛けると襦袢が透けて豊満な身体が…そこをピシリ」
八公「どんどん性格が変わっていくね」
袈裟懸けに斬り殺し井戸へドブン。
その後屋敷で寝ていると井戸から「恨めしい、鉄山殿」と呼ぶ声が…血刀を下げて井戸端へ行くとお菊の幽霊が皿の数を数え、9枚目でヒ~と甲高く泣く声で鉄山は倒れる。
朝家来が発見して看病していると夜中にまた呼ぶ声が…操り人形の様に出ていく鉄山…また悶絶…9日目に狂い死に。
「皿屋敷の話は10年周期ぐらいで話題になる
行ったヤツは翌日井戸端で驚愕の表情で死んでいる」
と説明。
八公が…「貞子ですかね?」
隠居「貞子はお菊の子孫だ…」…時系列的におかしいけどね。
八公「全員死んでいるのに何故死に方が分かる?」
隠居「八枚目で逃げ出した人間の説明から推測。八枚目のヤツは説明後に高熱を発して九日目に死ぬ」
電通屋の興業で…登場はM-1の登場曲。
髪の毛を金や赤や緑に染めて「今晩は~」
お菊「うらめしい!!」 客「鉄山どの~」…
お菊「いっちまい~!」客「OK 行く(iku)お菊」…コール&リスポンス
4枚目から「古くからのファンの方のためにクラシックバージョンで」
☆サゲ
「お上が働き方改革でやいのやいの言うんだよ!深夜業務が長すぎるからって…だから明日休むんだ」
□八公・気弱な男・隠居・お菊・電通屋・馴染みの客…6人+観客
143『ペースメーカー』R4.04トライ R4.5.14初演(小辰で暖まろう)
R4.4.5突然の緊急入院と4.8ペースメーカー植え込み手術と11日間の入院で、マクラが沢山出来たと思っていたのですが、あまりにエピソードが多く有りすぎて、落語にしようかと思い、入院中にメモを開始。
地噺でも可能なのですが、会話劇を一応考えて、やって駄目なら地噺にしようと思っておりました。
スマホのメモに、実際に起きた事をメモして、病院のベッドで思いついた話も盛り込んで、退院後に体力作りを兼ねた散歩をしながら創作。
アウトラインが出来たので、座ってやってみたら…1時間近くと無茶苦茶長くなって、削る作業を。
主人公は40歳前後のサラリーマン、妻と小4の息子の三人家族。
主人公の帰宅から話が始まり、「疲れが取れない」「疲れることはしていない」…太りすぎ、息子のリングフィットネスをやって、脈拍が測定不能に…リングフィットネスは事実。
虚実を織り交ぜてみました。
病院で、心臓は電気で動く…私にコードは付いてない…これは嘘。
完全房室ブロックの説明と入院話、個室の話…妻が来て、主治医登場…三分の一本当。
ペースメーカーの電気をソーラーシステムで…嘘。
一次ペーシック治療…私失敗していませんと言ったのは…嘘。
手術は初めての新人医師…きっと本当。
男性医師とのイチャイチャ会話…半分嘘。
ベッドでの移動とベンケーシー…ほぼ実話。
手術当日、尿道カテーテル…真実。
手術室での、主治医と先輩女医と上司の男性医師…7割、真実。
埋め込み手術の会話は、虚実織り交ぜて。
病院の特別養護老人ホーム化…真実。
退院時の主治医との会話…嘘。
帰宅後の家族での会話…勿論嘘。
さてどこまで盛り込めるか、削るか。
地噺にするか…。
ネタ下ろしでは33分になりました。
☆サゲ
子「父さんが帰って来たのでハッピーターン」
妻「それはお菓子」
夫「ペースメーカーの正式名称はペースメーカ。銘菓は美味しいお菓子の事」
改良の余地有りだけどこれでやってみました。
□佐藤幸一・妻・伸一・外来医師・看護師A・主治医・男性若手医師・先輩女医・上司医師・看護師数名。11~2名。
142 『ウィルス』R3.09トライ R3.11初演(笑天寄席)
平成27年3月に新潟日報のコント欄に投稿して掲載されたショートショートを、落語にしたみた噺。
「蕎麦屋にて」「災難くじ」に次ぐコントからの落語化三作目…ネタとしたはまだ数本有りますけどね。
原稿にはしておいたのですが、なかなか覚えようという気にならず、最初から原稿で書いているので、自分が作っているのに、他人の作った話と同じ様に覚えなければならないようです。
お陰で出来上がっているけれど、なかなか高座に掛けられないのです。
久し振りに読んで見て、出来そうなので、覚える努力を始めました。
親父ギャグを散りばめてあるけれど、これが覚えられないというか、思い出せない。
それ以外は、イマイチ笑いが少ない噺なので、残さず拾わねば。
・スパイ大作戦の「例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。このテープは自動的に消滅する。成功を祈る」をパクってみた。
・平和的革命と非平和的革命の説明も入れた。
・日本でなく「ヤマト国」としたけど、油断すると「日本」と言ってしまう。
・政府の丸投げと電通の中抜きも入れた。
思いつくギャグはぶっ込んでみましたが…ネタおろしで結構ウケたので驚き。
ネタおろしは、風邪で声が出ずに、サユリの声が苦労しました。
☆サゲ 「蚊を媒介に使っただけに、痛し痒しだった」…気にいってはいるのですけどね。このサゲを言いたいためだけの落語と言っても過言ではありません。
□某国局長・子の1365番・防衛省幹部・チワワプール幹部・サユリ・助手・博士…7名
141『へっつい幽霊』30.07トライ 03.5初演(笑天寄席)
令和3年の4月にトライかと思っていたら、平成30年の7月に覚えようと思ったらしいのですが記憶無し。
テレビの鯉昇師のを聞いてやる気に…でも、最初の客が大阪弁である必然性が分からず、談志家元ので覚えようとYouTubeを。お陰で三木助師のも拝見…結果談志家元を基本に。
しかし、台詞が大体頭に入っていたのは、30年に覚えようとしたお陰かも。
あまり入れ事をせず、オリジナルは、若旦那の実家から金を借りてきた後に、熊が
頼むから、オヤジさんに元気な顔を見せに行ってくれ
と頭を下げさせたくらい。
やっていて楽しい噺です。
☆サゲ 「幽霊だから、足は出さない」
でも、実際に金は無いのだから矛盾しているサゲ。
談志家元の、若旦那が飛び込んできて「儲けは折半で」と言う方が理屈は合うけどね…悩みますな。
ネタおろしは、「足は出さない」で…。
□客・道具屋・女房・熊・若旦那・幽霊…6人
140『穴どろ』 03.1トライ 03.2初演(笑天寄席)
昔からやりたかった噺。
善良な男が思いがけずに住居侵入をするけど子供と遊んで穴蔵へ落ちる辺りが泣ける。
短いのと大晦日の噺なので敬遠していたけど、1月のテレビで市馬師がやっていたので季節関係無しで出来ると思って、やる気になる。
市馬・小さん・志ん生・文楽・圓蔵…YouTubeは有りがたいけど、みんな微妙に違っている。
柳好の歌い調子の落語も聞けて良かった。
皆さん「三両」でやっているが「交番」が出てくる明治以降の設定でも「三両」では分かりにくいので「三円」でやる。
お店へ借りに行ったエピソードは面白いが、そこまで悪い人間に描きたくないのでカット。
酒を飲むと人が変わる…という設定で。
最後まで金を盗みに入るつもりは無かった…としたい。
木戸の部分は大店の若い衆が出てくるところからやる事にした。
赤ん坊に「酒」を飲ませて変な顔をして飲まなかった事にしようと思ったが…コンプライアンスも有るので止めた
オリジナルで
こんな赤ん坊がいたらもう少し何とかなっていたかな…
と述懐させる。
赤ん坊と歩く時「♪歩こう・歩こう・私は元気…知らないんだこの歌。ジブリ嫌いだし、トトロ見たことないし」とかって入れてみた。
小さんのやる「横浜の平さん」は、力こぶを見せつけて面白いが…「横浜の寅さん」に変えて、
背中に毘沙門天の彫り物で「毘沙門の寅」・左右の腕に龍で「双つ龍の寅」・尻に般若で「般若の寅」…(尻の般若をごらんになりますか?)
と呼ばれている設定とした。
寅は本当に強いのだが、下に下りるのが苦手…という設定にする。
頭とは兄弟分で、本当は兄貴分だった…というのを頂く。
☆サゲ 「三円くれるなら、こっちから上がって行く」
これが縁で、このお店に奉公できるようになって欲しいものです。
□男・女房・若い衆甲・乙・旦那・定吉・寅…7人
139『御慶』 02.11トライ 03.1初演(笑天寄席)
正月しかできない噺だし、結構長いし、サゲが分かりにくいので放って置いた。
で…ある意味仕方が無いので覚えました。
動画は、5代小さん師・志ん朝師の良いところ取り。
何でも切れているは…小さん・大家に店賃を払いに行って「御慶」を教わるのは志ん朝…とかね。
悩んだのは
志ん朝師風に 鶴の千八百しじゅう五番
と言うか
小さん師風に 鶴の千八百よんじゅう五番
と言うか。
くじの番号を読み上げる場合は、間違いの無いように「よんじゅう」が正解だと思うし、小さん師の方が古いので「よんじゅう」だと思うのだけど…。
「はしご」だから「はち・し・ご」「八百しじゅう五」の方が分かりやすいし…。
くじの読み上げは「よんじゅう」として…後は八公は「しじゅう」…他の人は「よんじゅう」かな…。
八公が大家のカミサンに小遣いを渡す時、大家が
貰っときな、春の小遣いだ。ま、お前には死に金だけどな…。
大好き…全くウケなかったけどね。
オリジナルは、あまり入れて無い。
大家の家に行く前に、「金を隠すために布団を敷け」って言う場面があるけど
なんだねぇ…昼間っから…お祝いかい?…あたしは良いけど
とカミサンに言わせる…下ネタ。
ネタおろしでは忘れちゃった…残念。
サゲは分かりにくいけど…仕方無いか。
仲間に
え?…どこへ行ったか?
と蛇足を付け加えちゃった。
ただ、「恵方参り」を今風に「初詣」にしても良いとは思っている。
☆サゲ 「御慶」「なんて言ったんだ」「御慶ったんだ」「恵方参りだよ」
私 「御慶ったんだ」「何を?何処へ行った。ああ、初詣の帰りだよ」
□八五郎・女房・札屋・易者・境内の男・帳場の男・大家・熊五郎・のり屋の婆・辰んべ・留公・寅…12名
138『持参金』 02.11トライ 02.12初演(笑天寄席)
相当前から、のっぺさんにやったらどうですかと勧めていたけど、全くおやりにならないので、じゃあ、やってみようかと覚えた噺。
米朝・枝雀・雲助・鯉昇師のを参考に。
あんまり女中さんを酷く言うのが気に入らず、あっさりと。
入れ事もほとんどしていない。
「たった一つ傷が」
「え、今までのは傷ではないんですか」
「そう、プロフィール」
くらいかな。
絶対にオチを先に言うお客様がいると思うので、マクラでオチを先に言う客は、小学生レベル…と牽制のために振っておいた。
サゲの手前で、自分自身もモヤッとしてしまった。結構難しい。
☆サゲ
「金は天下の回り物」
□番頭・熊・甚兵衛…3人
137『安兵衛狐』02.05トライ 02.9初演(笑天寄席)
枝雀師の「天神山」が大好きで、特に、安兵衛が狐に語りかける所が堪らなく良いので…5~6年前から何とか江戸になおせないかと思って、ヘンチキの源助の部分までは江戸に直して原稿を作っていた。
江戸で「安兵衛狐」と改作されて志ん生師がやっているが、長屋の連中が安兵衛のカミサンを追い出すのが気に入らず、さらに面白みにも欠けるので、コロナで暇になったのを機会に、後半も江戸になおそうと試みる。
基本の流れは、枝雀師のやり方で、名前や場所を江戸に変えることに…。
しかし、今回先代文枝師の噺も聞いたけど、セリフは枝雀師とほとんど同じ。
なのに、雰囲気が全く違うのが面白いし、ある意味恐ろしくもある。
題名は「天神山」が何処にも出て来ないので、仕方なく「安兵衛狐」に。
ヘンチキの源助は、江戸のを頂いて偏屈の源兵衛に。胴乱の安兵衛は、グズの安兵衛や貧乏安に。
上方での「一心寺」は「安兵衛狐」では谷中の「天王寺」になっているので、そのまま使う。
上方の「安居の天神さん」は、谷中の近くの根津権現の中の根津稲荷にお願いをして、裏の崖で狐を獲ろうとしている男(柴又の寅さん)に会うって事にした。
なので二人の住む長屋を、本所の達磨横丁にしようと思っていたけど、狐に「エサが欲しかったら来い」というのには少し遠いので「下谷の山崎町のなめくじ長屋」とした。
狐が化ける女は、子供の頃同じ長屋に住んでいた甚兵衛の娘の「お紺」として、甚兵衛と安兵衛とのエピソードも少し入れた。
枝雀師は子狐がいるって事にしているのに、そこに全く触れていないので、その子狐を連れ子として連れて来ることにした。
枝雀師の相撲取りの墓「仙田川留吉」を、「龍田川留吉」にして
千早に振られた相撲取りか…落語の噺だろ…これも落語だからいいか
ってのを入れた。
枝雀師のを聞き過ぎて、大阪弁が出てしまいそうで不安。
「花見」と「墓見」なので、春を目指して稽古していたが、江戸では「萩見」にしており、向島の百花園や亀戸の龍眼寺の萩見で行けるので、春・秋出来る事に気付いて、秋にネタおろしをする事に決めた。
☆サゲ
江戸のサゲは問題外だし、上方のサゲは歌舞伎になるし…一から作る事に。
良い女が恨みをもって死ぬと「幽霊」になり、不細工な女が恨みをもって死ぬと「化け物」になる…という話を振っておいて、
長屋の住人が「源兵衛と安兵衛の女房は幽霊と狐じゃないか」と噂をしていると、それを聞きつけた源兵衛が
「てめえらに他人の女房を四の五の言う資格が有るか!てめえらの嬶の面を見ろ、みんな正真正銘の化け物じゃねぇか!」
強引なサゲ。
□立ち話の甲・乙・源兵衛・寺男・小糸・安兵衛・狐狩りの男・狐・長屋の男丙・丁…10人
136『長短』02.01トライ 02.2初演(笑天寄席)
新ネタ選びに苦慮して、またまた覚えていた噺をチョイス。
楽栗さんがやっているので、遠慮していたけど、もう他に思いつかないので…。
しかし、難しい噺。
長さんをだれさせず、気の長さを出すのは至難の業。
ニッコリしたり、驚いたり…顔芸を駆使したけど。
新しいギャグも入れられず、ほぼほぼ先代小さん師のまんま。
☆サゲ だから教えない方が良かった。
□短七・長さん…2人
135『「お見立て』01.07トライ 01.11初演(ほのぼの寄席)
片棒で葬式話をしたので…次は何かを考えて…そうか墓だ…でお見立て。
艶笑さんの持ちネタだけど、まあいいやで…志ん朝師をベースに。
他の方々も聞いたけど…イマイチで。
しかし、志ん朝師の噺は間が無い…鬼の様なスピードでまくし立てる…驚き。
マクラで「お見立て」の意味と廓の感じの説明が必要。
入れ事は…病院が見舞いを断る理由として
贔屓の客が病室で鉢合わせすると揉める。
としてみた。
墓参りに行くと言う木兵衛に焦る喜助に
台詞を忘れた水都家粋狂みたいに粟食っているな…
と突っ込んだ。
他には…墓の戒名で
巡警院殿楽語大笑居士 これは楽々が作った自分の戒名だ
最後の兵隊さんの墓碑銘を 陸軍上等兵小林盛夫(5代小さんの本名)
としてみた。
☆サゲ これだけお墓が有りますのでお好きなお墓をお見立て下さい。
□喜助・喜瀬川・木兵衛…3人
134『代脈』30.7トライ 01.6初演(笑天寄席)
何回かやろうかと思いつつ…投げていた噺。
まあ、台詞が入っていたからやろうかなと…。
入れ事は…
銀杏は、15歳の時に川端を歩いていてくしゃみをしたら歯車が飛び出して(バカボンのパパのエピソード)…色気と食い気だけになった…
挨拶は「チワース」…「三河屋の三吉君か!」
医者は患者を治すだけでなく家族の心を癒やすのも仕事…ギャグじゃ無いけどね
座布団を集めて笑天ごっこをする
「懐紙を出す」「何が始まるのですか?」「開始では無い」
「ねえねえ清蔵」「チコちゃんみたいな言い方をするな!」
「ご母堂様」「ゴボドボゴボドボ…11PM風に」…先生「そう言う入れ事をするから粋狂さんが真似してしくじるのじゃ」銀杏「粋狂さんは筋が分からなくなるのですが、私はちゃんと戻れるから大丈夫です。
「ご母堂様」が言えずにパス!
「患者、患者、関ジャニエイト…」
結局小さいいじりはゴチャゴチャとぶっ込んで…。
☆サゲ 「今のおならも聞こえませんでした」
□先生・銀杏・清蔵・久蔵・手代・母親…6人
133『火焔太鼓』H8.10トライ 元05.15初演(笑天寄席)
令和初のネタおろし…。志ん生師モノは無理なので聞くだけにしておいたが、やっぱりやりたくて覚えたものの、難しくて挫折。のっぺさんがやったらしいが、甚兵衛さんが地でやれるので良いかも知れない。
談志家元の弟子がオリジナルを入れて凄いのをやっていると書いた本が有ったし、高田文夫がサゲを変えたらしいが…残っていないという事は大したもでは無かったって事か。
分かりにくいサゲでも無ければ無理に変えなくて良いと思うけどね。
爪痕を残したいのかな?
と投げっぱなしにしていたが…新ネタで悩んで、平成最後の31年4月に再々度挑戦。
既に覚えているので楽…志ん生師で出来上がっている噺なので入れ込みするのも気が引ける…ちょっとした言い回しを変えるくらいか。
志ん朝師でさえ悩み悩み入れ込んでいる感じがするものね。
勘定の200両目で過呼吸を入れてみた。
稽古していると何とかなるように思えるのだけど、いざ座ってやるとなかなか上手く行かない…ネタおろしは…いや~、やはり難しかった。
☆サゲ~「半鐘はいけないよ、おジャンになるから」
おジャンと言う言葉自体が半鐘から来ていると思っていたら、違うと「語源辞典」に載っていた…が、まあ諸説があるのである。
□登場人物~甚兵衛・女房・定吉・門番・武士…5人
132『家見舞い』31.1トライ 31.2初演(笑天寄席)
艶笑さんの持ちネタなので遠慮していたけど、寄席でも聞いているので自然に覚えていた噺…よく有るパターン。
たまたま、さん喬師のテープが有って聞いたのが、やってみようかなと思った切っ掛け。
他は先代小さん師…兄貴の家に行って欲しい物を確認するとことから始めた。
甲「お前は考えてから動くから駄目、動いてしまえば結果は後から付いてくる」
…をモットーにした。
持ち金は5銭として、他の流れは大体同じ…。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」
という、スラムダンク安西先生のお言葉を頂いて、瀬戸物屋のオヤジに交渉させた。
「仮にも客だ」「五円のモノを五銭に値切るのは客じゃない」
「損して得取れって言うだろ」「損し過ぎだろ」
なんて入れてみた。
私などはまだ田舎で肥瓶を見たことが有るし、家はくみ取りだったけど…今の若い方には中々ご理解頂けない噺だろうね。
サゲは
☆本当は、兄貴「澱(おり)が酷いから鮒を持って来てくれ」甲「いえ、さっきまで鯉(肥)が入ってました」…
江戸弁も「い」と「え」の混乱が有り、「肥」が「鯉」なってもおかしく無かった。
しかし、全く分かりにくい。
最近は皆さん
兄「飯が喉につかえたのか。おっかさん、瓶の水持って来てくれ」
で、下げている…ので私も。
□甲・乙・兄貴・瀬戸物屋・古道具屋…5人
131『かつぎや』51.12トライ 31.1.12初演(イオンゆうゆう寄席)
正月用にって憶えて一寸練習したけど季節ネタだし、短いので直ぐ止めた。
平成3年に中央署の「寄居寄席」で本間嬢にやらせた。
ところが…42年後の平成31年の正月用に新聞のコラムで取り上げる事にしたのでやってみようと思い立つ。
講談社の「古典落語」が元で、ユーチューブで、談志家元・先代円楽師・当代金馬師のを聞いて参考にする。
若水・餅・年賀の品・早桶屋・宝船…の4エピソードを入れる事に。
ネタだけで20分越えになる。
年賀の品を書き留める時の「てんかん」「あぶく」が好きだけど…おそらく「てんかん」が放送禁止だろうから…金馬師の「せきり」を入れて…
せきり…関口屋 利平
ゆかん…湯屋 勘兵衛
かいみょう…会席料理 明珍 私のオリジナル
本だけでは短いので、友達である早桶屋との会話も入れた。
「貧乏神どこへ行く」「お前の家」
「福の神どこへ行く」「お前の家から出て来た」
「この家を七福神が取り巻いて 貧乏神の出所が無し」
好きですね。
権助に
橙を入れる時に和歌を詠むんだ…馬鹿を呼ぶかね…それはお前だ!
イオンのネタおろしで何故か 歌を詠むんだ…意味不明になっちゃった…。
☆サゲ~「娘さんが弁天、旦那が大黒で七福神」「あとの5つは」「お宅の商売が呉服屋です」…正月らしくめでたい。サゲとしては良くできていると思います。
□五兵衛・番頭・権助・定吉・四郎兵衛・船屋A・船屋B…7人
130『片棒』30.8トライ 30.08.19初演(三条東映月一落語)
好きな噺だけど、お囃子が出来ないので、これもやるつもりは全く無かった。
新聞のコラムで、終活をテーマに「片棒」を取り上げたら、御常連のUさんに唆されて…。
志ん朝師・菊之丞師・歌蔵師のユーチューブを見て、お囃子がみんな微妙に違うのに気付く。
なら、少しくらい違っても良いか…と、菊之丞師のお囃子が一番切れが良く短いので必死で聞いて覚える。
が…なかなか難しく…仕方が無くメモに書く…これが良かった。
お陰でほぼ覚えて、少しやりやすく変えて…毎日稽古して…何とかなるかなまで持って行った。
本当は、9月に掛けようと思っていたけど…折角覚えて忘れるのも怖くて…8月に掛けることに。
自前は…花火に「ジュピター」を取り入れて…他は、忖度だのの時事ネタぶっ込み。
金銀銅は、歌蔵師。
「落下傘」が好きで…今のところ「パラシュート」にはしないつもり。
☆サゲ 「片棒は私が担ぐ」
□ケチ兵衛・番頭・金太郎・銀二郎・銅吉…5人
129『おばけ長屋』30.7トライ 30.08.19初演(三条東映月一落語)
その昔、先代金馬・志ん生のリレー落語を聞いて面白いなとは思っていたけど…やる気はなかった。
新ネタに困って、苦しい時の兼好師頼みで、ユーチューブを見たら面白かったのでトライ。
基本的な台詞は覚えているから、兼好師の兄ぃのツッコミのオリジナルを頂いて…。
自分のは…殺し方の詳細を話す杢さんに「犯人しか知り得ない事実を話した。秘密の暴露だ」
他はサゲを気持ち変えただけでほぼ無い。
☆サゲ 本当のサゲは最後までやらねば出て来ないけど…。
「財布忘れて行かなかった?」「ああ、財布持ってっちゃった」
私は「店賃はさっきのヤツが忘れて行った財布を使えば」「ああ、持ってっち
ゃった」…大して変わりは無い。
□入口の男・杢さん・気の弱い男・兄ぃ…4人
128『風呂敷』 30.05トライ 30.07.08初演(三条東映月一落語)
志ん生師が面白くてその昔覚えようと思ってみたモノの…って噺。
談志師の「大変掛ける高さ割る二」が好きでねぇ…汚わい屋さんもねぇ。
今回も、さて覚えようかと思ったら、越後屋や新大の部員がやり始めて…タイミングを失している内に時が経って来て…。
兼好師の「女房3銭の教え」「直に冠を被らず」「きみこ危うきに近寄らず」も好き。
志ん生師の「船を見送る声」「シャツの三つ目のボタン」「耳が逆さまに付いてる」「尻を向けるな」…全部好き。
で、何でもかんでも入れちゃってやってみようと思った。
☆サゲ 志ん生師「上手くやりやがった」 談志家元「目の当たりに見えた」
兼好師「上手く行かないとおもうけどな」
で…私は 「そんな事で欺されるヤツは本当にドジなヤツだ」
□兄貴・女房・おさき・熊…4人
127『粗忽の釘』 30.04トライ 30.04.18初演(笑天寄席)
慎楽がやっていたので自然に覚えているが、やる気は無かったのです。
しかし、粗忽長屋・粗忽の使者・堀之内の粗忽モノをやって、後はこれだけになりました。
枝雀師匠の「宿替え」の「男女同県」話が面白くて、そこを入れて結構昔に覚えようと思っただけで放って置いたもの。
取り組むべき、新しい噺を思いつかず…さらってみたら直ぐに出来るし…よく有るパターン。
基本は、五代小さん師…に枝雀師を入れて、後は余り入れ事をしていない。
胴括りは枝雀師を頂く…私は後ろの柱ごと結ぶ。
壁に打ち込む理由は、壁を這っていた蜘蛛の顔がカミサンの顔に見えたから…蜘蛛は逃がすけどね。
向かいの家で、親父に「お宅とうちとの間には細くて汚い路地が有る。男と女の間には暗くて深い川がある」と言わせてみた。
一之輔師の惚気も面白いけど…難しいので「前掛けの仲」にする。
「女房の指示でやったのに、やった人間が責任を取るのか。
政治家も官僚も指示したヤツは知らん顔で、やっちゃった人間が謝るのはおかしい」
って入れてみた。
阿弥陀様の釘は…一之輔師だったかが、股ぐらにしていたので頂いて、奥さんに「あら凄い」って一言だけの出演をして貰った。
☆サゲ 「ここまで箒を掛けに来なくちゃいけない」…イオンゆうゆう寄席でサゲ寸前に
「あんた変わってるねぇ。ここに箒をかけるんだ」に変えちゃった…誰かプロがやっていたかも。□八公・女房・向かいの住人・隣人・隣人妻…5人
126『権助魚』 30.02トライ 30.03.11初演(三条東映)
みんながやっているので自然に覚えた噺。
プロも大体同じパターン…兼好師のをベースに。
「銭金で動かない」を連発してみた。
「行ってこい。スケベ野郎、あ、転んだ…立ち上がった…また走った」…この辺りが好きなところ。
ニシンが江戸へ行きたいって言うので、スケソウダラが「そだね~」って言った。
五輪ネタ…ぶっ込んだ。
「20分じゃ出来ない」「やる気になれば何でも出来る。出来ない良い訳が多すぎる…その内その内弁解しながら日が暮れる。けれどけれどで何にもしないってみつをも言っている」って入れてみた。
☆サゲ 「関東一円じゃ手に入らない」「いや、一円で釣りが来た」兼好師
□旦那・おかみさん・権助・魚屋…4人
125『木乃伊取り』 29.11トライ 30.2.11初演(三条東映月一落語)
兼好師のを聞いてやる気になったけど、兼好師のがユーチューブから消えちゃって…文朝師のを聞いて再トライ。
真面目な清蔵が旦那や若旦那をへこますのが面白いな。
こう言う真面目な人間が笑いものになる社会は間違いだ。
ただ清蔵がどんどん駄目になっていくところがどうにも面白く無い。
兼好師がどうやっていたのか覚えていないけど嫌じゃ無かったんだから演出が違ったのかな?
その後兼好師の18分バージョンがユーチューブに載ったので見たけど…何が良かったか分からなくなって…で、さん喬師のも聞いて…。
結局、さん喬師のをベースにして、番頭・頭が行くところから始めて…巾着で三味線に乗っかるのは兼好師を入れて…。
清蔵さんは素直なままでいて欲しいので、花魁の手は握らず照れて、花魁が逆に手を握ろうとする形にして…舞い上がっちゃった所で下げることにした。
☆サゲ 「お前サンが帰れば良い。おら、二三日残ってる」…ここまで開き直るのはイマイチ好きになれないので
さん喬師 「こんなに面白いのに帰れってのが無理かもしれない」
□旦那・おかみさん・番頭・頭・清蔵・喜助・若旦那・花魁…7人
124『元犬』 29.11トライ 30.1.14初演(三条東映月一落語)
兼好師の噺を聞いてやりたいなと思いつつ、短い噺なので放っておいたけど、戌年に合わせてトライ。
兼好師の可愛らしさは難しい。
兼好師バージョンで隠居が兎に角面白がるってパターンで。
兼好師のがテレビ用に短いので、志ん朝師のも参考に。
隠居の所へ行く前を膨らまして、下帯や着物や鰯の丸干しやって
「日本人かい? ああ、帰国子女か」「噛み合い?プロレス関係の仕事?」
なんてぇのを入れてみた。
隠居の所では「母親が奔放で苦労したねぇ」ってのを押して、兄弟は4匹にして、上は子供が持って行った、二番目は大八車に跳ねられて何処かへ行った、三番目は一昨日ゴミ箱を漁っていた(兼好師)にしてみた。
川に投げ込んだ…は好きだけど、現代においてはリアルすぎて…。
サゲは分かりにくいので、兼好師のサゲを頂く。
☆サゲ 「おい、お元はいないか。元はいぬか?」「ええ、今朝ほど人間になりました」
兼好師 「いや~、面白いな」「尾も白い?頭も白かった」
私 「尾も白い?今朝まで全身白かった」
□シロ・上総屋・隠居…3人
123『睨み返し』29.11トライ 29.12.10初演(三条東映)
木乃伊取りが駄目になったので…暮れの噺を覚えたくて何とかこれを選ぶ。
まあ、優しい顔じゃ無いので丁度良いかな。
小三治師の顔が鬼瓦みたいで良い。
権太楼師も怖い顔が出来る。
小さん師は可愛さが先に出る。
前半は掛け取り漫才とほぼ同じ。
睨み屋は後半出て来て、たった3人だけにらみ返すだけと気付く。
睨みはバリエーションを広げられないのだろうね。
最後の取り立て屋は小三治の方が怖くて良い。
「返します」と「返したいと思います」は雲泥の差で政治家が得意だってのを入れた。
後はどんな怖い顔をするかだけ。
☆サゲ 「これから自分の分を睨み返します」
□八公・女房・薪屋・返し屋・米屋・魚屋・取立人…7人
122『蕎麦屋にて』29.5トライ 29.10.08初演(三条東映月一落語)
新聞コント入選作の落語改作…笑いは無いがコントとしては好きな作品なので何とか噺にならないかと…。
コントでは客の男は一人だけど、それでは噺が膨らまないので、先輩後輩の飲み会帰りとして、携帯男の台詞に反応して、この二人が単身赴任のエピソード・思春期の子供との対立・カミサンとの倦怠期…について話す内容に変更。
その後、ヌーハラの話題も入れてみた…。
初演では温かいお客様のお陰で笑いも結構頂いた。
厚化粧女やきらきらネームもぶっ込んで、時節に合わせて何でも出来る?噺になった。
新大の1年生に意表を突いたサゲ…と誉められた。
☆サゲ「あれもうお腹一杯ですか?」「いや、身につまされて胸が一杯だよ」
コントでは「蕎麦がすっかりのびてしまった…」で余韻の有るオチになったけど落語じゃ駄目…難しい。
121『竹の水仙』29.8トライ 29.9初演(三条東映月一落語)
左甚五郎三部作の一つ。
「ねずみ」はモノにしたけど…三井の大黒は難しく…竹の水仙はイマイチ面白く無くて…悩んでいたら、兼好師バージョンを聞いてやる気になった。
切り口がまるで違って面白い。自分が客に横恋慕されていると妄想するカミサンが 堪らなく可愛い。
喬太郎師のは真っ当すぎて…権太楼師の真似の所だけが面白いけど。
酒の肴を欲しがるので不思議だと思ったら、竜宮城の布石だった。
基本は兼好師ので…殿様も細川様で…侍は大槻玄蕃と言う名にした。
女房が「狙いは…」と胸を叩くのに、亭主が「鎖骨?」って聞くのは気に入っているオリジナル。
サゲは色々有るが…オリジナルを作った。。
☆サゲ 兼好師のは…カミサン「乞食坊主連れてきたよ。あの汚いのが左甚五郎ならこの坊さんは弘法大師かも知れない」
他に、「竹で花を一杯作って下さい」「竹の花は縁起が悪い」…みたいなのも。
多いのは、人情話風に「旅人は雪呉竹の群雀 泊まりては立ち 泊まりては立ち」
左甚五郎名人談、竹の水仙の一席です…ま、講釈ネタなんでね。
私は、主人「カミサンが最近変な妄想ばかりするんですよ」甚五郎「妄想…それも無理は無い。裏の竹藪、あれは孟宗竹だ」…取って付けたようなサゲだけどさ…。
□主人・女房・甚五郎・細川公・大槻玄蕃・乞食坊主…6人
120『やかん』49.12トライ 290728初演(まちの駅寄席)
43年前に初めて覚えた「道灌」の成功に気をよくして第2弾に選んだのがこの噺。
簡単な噺のはずなのに、なかなか上手く出来ず…テンポだけの噺なのにテンポに乗れず、練習会でも不評で…とうとう43年間掛けていなかった。
後にトライした「千両蜜柑」とともに「カン」三部作などと宣言していたが「千両蜜柑」もモノにならず挫折。
前座噺の難しさを痛感した噺。
のっぺさんの方が遙かに面白いのも中々出来無かった理由だけどね…。
先代小せん師バージョンは小ネタのオチが分かり切っているのに小せん師のキャラのお陰で面白い。
「古典落語」は先生としているが隠居とした方が良いのか、「浮世根問」との差別化を図るためには先生が良いのか。
隠居でやればやりやすいのかも知れないが、結局先生で…。
知ったかぶりがわざとらしいのかも知れないが、そこを開き直って小せん師的に…後は力業でねじ伏せる感じでやりました。
☆サゲ~「注ぐ口のない方はどうする」「枕を当てて寝る方だ」
余り面白くないサゲ。やや考え落ち?。ここまでやらずにヤカン頭で落とすバージョンもあるが、その方がスッキリするけど…ネタおろしは本来のサゲでやりました。
□八五郎・先生…2人
119『そば清』2902トライ 290709(三条東映月一落語)
時そばが出来るならそば清も出来るだろうって…安直な考え。
台詞はほとんど入っているので、またまたユーチューブで、志ん朝師・さん喬師・喬太郎師を聞いて確認。
喬太郎師のトルネードのような食べっぷりが結構です。
入れ事をどうするか…正直ほとんど入らなかった。
☆サゲ 蕎麦が羽織を着ていた…シュールだな
□清兵衛・客A・B・C・そば清を知っていた客…5人
118『不動坊』29.5トライ 290620初演(笑天寄席)
NAMARAのハルマキさんから、銭湯寄席の企画が有るのでと言われ…じゃあ銭湯が出る噺…短絡的に不動坊か…20才代でやりたい噺の一つなんだけど…艶笑さんもやっているし…放っておいた物。
権太楼師のが好きだけど…一之輔師も凄くいじってるし…色々聞いて…良い所取りか…新ギャグが思いつかないけど…。
「お滝さんと聞くとよだれ垂らしやがって…パブロフの犬か」くらい…気に入っているけど初演では2~3人にしかウケなかった。
「行こう、行こう、湯へ行こう♪」…フニクリフニクラのメロディで…は思わず出てきた。
幽霊の前座の名前は、林家正雀の弟子でしょんぼり…に…。
風呂場のオジサンとの会話で盛り上がるだけ盛り上がるので…次が難しい。 徳さんの家の会話では…「お滝さん三銃士…抜け駆けしたらお仕置きよ!!」はイマイチ…。 更には屋根の上の万さんと徳さんのバトル…盛り上げ所が多くて疲れる。 幽霊の姿勢は腿に来る…年齢だ…。
サゲがつまらないと思ったが…やり様で盛り上がるのでこのままで。
☆サゲ 「まだ宙に迷っているのか?」「いいえ宙にぶら下がってます」
□吉公・大家・銭湯番頭・銭湯客A・B・金物屋の鉄蔵・チンドン屋の万さん・透き返し屋の徳さん・林家しょんぼり…9人
117『ちりとてちん』 2902トライ 290611初演(三条東映月一落語)
これも覚えるとも無く覚えてしまっていた噺。
最初に聞いたのは、20年近く前に扇辰師の真打ち披露の時に県民会館で聞いた喬太郎師のものだった気がしますが…艶笑さんもやるしね。
昇太師やさん喬師などを聞いて参考に。
お世辞の良いのを金さん、悪いのを虎さんと言う名前にしました。
「金さんはお世辞が良いからね、お前の事も綾瀬はるかだの、長澤まさみだのって平気で嘘を言えるからね…おい、清や…あ、怒っちゃった…」…みたいな清ちゃん絡みを幾つか入れた。
金さんの酒や料理の褒め言葉に…「食レポが出来る」
虎さんに「どっかのタイヤ屋が付けた☆を喜んで、☆が有るから美味しい…☆で喰うんじゃねぇ。てめえの舌で喰うんだ」…ってのも言わせてみた。
☆サゲ 「腐った豆腐の味がします」
□隠居・金さん・虎さん…3人
116『陸奥間違い』 2903トライ 290409初演(三条東映月一落語)
ユーチューブで兼好師のネタを探していて発見。
兼好師の明るさも有ってすっかり気に入ってやる気に…井戸の茶碗に通じる部分も有る。
ネットで調べると元は浪曲ネタらしく、兼好師の工夫なのか嫌な上司が出ないし、いつでも出来るようになのか、暮れの金策話では無く平常時の急な金策って事にしてあるので、これは頂き。
穴山小左衛門が言いにくいし、渡辺次郎左衛門と被るので、小十郎に…。
元ネタは五十俵二人扶持だけど、三十俵二人扶持が一番下っ端なのでこっちで。
小役人と言っているけど、お台所御納戸役が正式みたいなのでそっちで。
兄弟分を連発するけど、本当は義兄弟なんだろうから…併用で行こうかと。
権助がおかみさんって言っているけど、実際は「ご新造さん」なのでそっちで。
松平伊豆守を重役と言っているけど老中なので御老中で。
伊豆守・家綱の年代を見ると、伊達の当主は 二代忠宗か三代綱宗だけど、綱宗は伊達騒動の張本人なので、忠宗で…伊達様や仙台候でも良いけどね。
松納陸奥守になっているけど、本物は松野陸奥守なので松野で…。
松野の屋敷が芝口三丁目っていってるけど、松平陸奥守の上屋敷が芝口三丁目なので松野を芝内にして松平を芝口に…。
髪結床の隠居も提灯屋の米屋の隠居に…。
相談する相手も、勝手に勘定方の森田伊豆守に…。
「そうせい候」は幕末の毛利の殿様のあだ名らしいので、ウィキペディアの「左様せい様」に…とか、いろいろいじって訳が分からなくなりかけてます。
お使者番如きが殿様と直接話をしたり、まあデタラメばっかりだけど…ま、落語の嘘って事で強引に…気にはなるんだけど、それだと始めから噺にならない。
ネタおろしでは手紙を持って行くのに「平林」を入れてみたけど…知らない人が多いらしくイマイチ。
☆サゲ 人情話なので無し
「三十俵二人扶持の小役人と62万石の大名が兄弟分になると言うお目出度いお噺」
□穴山小十郎・新造・権助・床屋・隠居・伊達家家来・渡辺次郎左右衛門・仙台候・江戸城家来・松平伊豆守・将軍家綱…11人
115『松曳き』2901トライ 29.03.15初演(笑天寄席)
兎に角サゲが秀逸で落語を始めた頃からやりたい噺だったが、前半がイマイチ盛り上がらずに手をつけていなかった噺。
しかし、白酒師のを聞いてやる気になった。
粗忽の使者を覚えて直ぐなので被るギャグが幾つか有るため、ネタおろしの時期が問題だったけど…笑天寄席で初演。
座って稽古したのが当日だったので、家老さんの小屋での上下がめちゃくちゃ…反省。
20代の頃、本当に切腹しちゃった後で「…早まったな。世に姉は無かった」ってぇのを思いついて…未だにそっちでもやりたい気がしておりますが…ブラック過ぎるよねぇ…しかし、好きなんですよね。
覚え始めたら…なんと「妾馬」と同じエピソードがタップリ。
圓生師が妾馬の後半を作るのに、この松曳きを参考にしたんだな…と思う次第です。
「屋敷の五わ…四わ…三わ…庭」「杉では無くおそ松・一松…」なんか入れてみた。
☆サゲ 「切腹には及ばん、よく考えたら、世に姉は無かった」
ブラックなサゲ「三太夫、切腹には及ばん…ああ、もう切腹して相果てたか…何と粗忽なやつじゃ…世に姉は無かった」
□殿様・三太夫・八五郎・植木屋・家老の家来…5人
114『デバートの思い出』28.10トライ 28.10.05初演(三越楽々寄席))
デパートさんでの地元繁華街の思い出話と落語とのご依頼で、始めは全く作る気など無かったのに…チラシを見いている内に作らなきゃかなと思いつつも忙しいのでいいやって思っていたのに…前日の朝、布団の中で小咄くらいは作らなきゃと考えて…結局2時間で元の噺を作る。
まず「町へ行く。新潟へ行く」と言う母親に突っ込む子供の頃の自分が出てきて…本町へズックを買いに行き、次に父母とデパートへ行って食道で飯食って屋上で遊んだって噺が出来た。
最初は標準語で作り始めたけど、やっぱ、新潟弁だよな…って事で全編新潟弁になっちゃった。
新潟の年寄りは「デパート」と言えず「デバート」と言っていたのが題名の由来。
始めは喋っていたけど時間も無いし、忘れていくのが嫌なので、喋りながらキーを叩く感じ…。
口演先への行き帰りも喋りながら新しいギャグが出たり…すぐ忘れたり…。
・貧乏人は東堀を越えると足が曲がる
・貧乏人はデバートに入ると目がつぶれる
・食券買ってくる・手を洗うの?・それは石けん
現実に小さい頃に経験した噺も盛って
・エレベーターで耳がきーんと鳴る
・エスカレーターの段数を数える
サゲは弱いのでこの先に何とかと思ったけど…良いサゲが出来ないので、これでサゲちゃおうって事で…。
最初は子供に唄わせようと思ったけど、おかしなものなので、当日父親に唄わせることにしたり、ローマオリンピックが有った年にして、東京五輪の話題から今のに触れたり…寸前まで変動してた。
作った翌日ネタおろしって…白鳥師の体験談みたいになっちゃったけど…当然クォリティは低いし、早口でまくしたてる感じになた。
満員のお客様は、私と同年代以上の方々ばかりだったので喜んで頂けた。
☆サゲ 「古町って全国的に有名なんだれ。冬になるとテレビで古町の歌を唄ってるろ」 「どんげ歌?」「♪雪のフルマチを~♪」
サゲっぽく無いので、笑天寄席では母親に「学校で言うなよ」という台詞を数回言わせて…父親が歌を歌った後「本当に古町の歌なんだ?」「その通り、でも学校で言うなよ」としてみた…。 しかし、初回もそうだったけど歌を唄った段階で拍手が来るので…そこで頭を下げても良いのかな?とも思っている。
□父・母・子供…3人
113『粗忽の使者』 28.09トライ 28.9.21初演(笑天寄席)
兼好師のテレビを見てやりたくなった噺。
その昔、慎楽がやっていた時は大して面白いとは思わなかったけど、兼好師のは面白かった。
あの顔や目の動きが堪らなく可愛い…あんなには出来ない…。
で、市馬師・小さん師をネットで見て、ちょい足し程度で、ほぼ兼好バージョン。
兼好師は最初から留っこが説明する形で進行するけど、そこは私は小さん師版を踏襲。
その後留めっこが、出だしだけ状況説明して「そんなこんなで…」とした。
小さん師の「目の中指入れてかき回す」のかき回すが面白かった。
好きな武士噺なので何とか可愛く…行きたい。
「堀之内」「粗忽長屋」「粗忽の使者」と来たら、次は「粗忽の釘」だな…覚えてはいるんだけど、なかなか難物だからね…。
☆サゲ 「してお使者の口上は?」「屋敷を出る折聞かずに参った」
小さん師はただ「聞かずに参った」って言っている…どっちが良いか…。
□杉平柾目正・赤井御門守・治武田治武右衛門・別当甲・別当乙・田中三太夫・留っこ・職人・武士…9人
112『たらちね』 28.06トライ 280720初演(笑天寄席)
これも艶笑さんの持ちネタだし、他の方のも沢山聞いているので、ほとんど覚えていたもの。
全く新しく覚える噺も大変なので、既に覚えているのを新ネタにしてしまおうという安直な考え。
名前の部分は覚えていたので、朝のおかみさんの台詞だけ、本と動画でチェック。
艶笑さんのはお風呂の場面も有ったけど…他の方や本には無いし、入れると結構長くなるし、ましてそこは覚えていないのでカット。
千代女と清女があるが…千代女で…。
隣の婆さんが八公を「やもめ!」って怒鳴るのは上方版だけど、好きなので入れちゃおう。
問題はサゲ…分かりにくいのでね…。
考えますけど…。
何故嫁を貰わないのかって話の中で、今の若いのが結婚しないのは何故かとか…小学校では英語より落語だとか…大家がそんな持論を展開するのをぶち込んじゃった…。
朝の千代さんのテンションが高いので八百屋の売り声をキーが一緒になるため要注意。
☆サゲ 「飯を食うのが恐惶謹言なら…酒を飲んだら酔ってくだんのごとしか」
解りにくいので…「え~、飯が出来たのが恐惶謹言。じゃあ頂きますは何て言えば良いんだ。ああ、すたんぶびょうでございます」…
□八公・大家・隣の婆・女乞食・千代女…5人。
111『道具屋』28.04トライ 28.06.11初演(三条東映月一落語)
40年以上前から艶笑さんの噺を聞いて覚えていたもの。
20年以上前に、元職場で若い衆の稽古のためやった記憶は有るが、高座でキチンと掛けた事は無かった。
で、ま、出来るんじゃないかなと稽古をしてみたって感じ。
艶笑さんのは、扇橋師のもので、先代小さん師のも参考にしながら良い所取りで…。
お雛様の鼻が欠けていて「悪い遊びした」…好きだけどウケナイだろうな…。
ネズミをわさびおろしで下ろしちゃうのも好きだし、「滝だぞ~!」も大好きだし。
40数年前に聞いた新大医学部の漫坊さんの「滝だぞ~」は忘れないな。
木刀が抜けたら何が出てくるのか?も好きだし…道具屋お月さん見て跳ねるも…兎に角好きなフレーズが山ほど有る噺です。
なので…
「鼻が欠けたのくすぐりは好きだけどウケナイから止めろって言ったろ。
いくら今梅毒が流行っていると言っても鼻が落ちるなんて今の人には分からない」
「オジサン、何の話?」
「演者の心の叫びだ」
ってのを入れてみた…道具屋お月さんにも入れてみたい…。
サゲは艶笑さんは鉄砲だけど…オーソドックスにお雛様の首の方が気持ちよく落ちるのでこっちで…
☆サゲ 「何か抜けるモノは無いか」「ああ、お雛様の首が抜けます」
□与太郎・おじさん・友蔵・客A・B・C…6人
110『花見の仇討』28.02トライ 28.03.14初演(大島自治会)
花見の会に二年連続依頼されて覚えようと思った。
艶笑さんが昔やっていたのを聞いていて、ほとんど頭には入っていたので、細かい台詞の言い回しを確認して、口に乗せる稽古を中心に。
ベースは先代馬生師…ここにユーチューブでいろんな方のを聞いて参考にしたけど…結局は馬生師ですね。
どなたのだったか「松の切り株ヤニ衛門」は、あまりの面白さに頂きました。
しかし、皆さん、登場人物の名前が違うので混乱しちゃう。
これも入れ事はほとんど無し。
仇討ちに集まる人達に
「なんだか知らないけどみんなが行くから行くんだ」「だから日本人は駄目なんだ…でもやっぱり行こう!」みたいなのを入れてみた。
☆サゲ~「勝負は五分だ」「肝心の六分が来ません」
□ 登場人物~吉さん・留さん・辰っあん・六さん・おじさん・武士・近藤・見物人3人…10人
109『百年目』28.01トライ 28.3.13初演(三条東映月一落語)
昔からやってみたかった噺。
次の大ネタはこれかなと思っていたのです。
ベースは、圓生師に志ん朝師と池袋で聞いた権太楼師をちょいと入れて。
しかし、以前聞いたさん喬師も含めて、ベースは皆さん圓生師なんですね。
後半の番頭との会話の順番がそれぞれ微妙に違う。
圓生師は、旦那の話をした後で昨日の話になるが、志ん朝・権太楼師は昨日の話から入る。
昨日の話をした後で旦那の話をする方が良いと思います。
志ん朝師は昔話があっさりしているし、これは圓生師の方を頂く。
米朝師と権太楼師は遠目で番頭と気づく…権太楼師はめがねを出す…。
私はめがねは出さないが気づく方が面白いので二度見して気づくようにしました。
入れ事は…
遊びと仕事の振り子ってのを入れてみました。
人生の三つの坂…上り坂・下り坂・まさか…も入れてみました。
旦那に
「昨日の向島では良い笑顔でしたね。あんな笑顔は初めて見ました。あの笑顔を店でも若い者に見せて頂けませんか。それが若い者に露になるんですよ」
と言わせてみました。
いざ、やろうと思って冒頭の奉公人への小言を聞いていると、今まで番頭さんはどんな仕付けをしていたのか不思議に思うくらい、駄目奉公人ばっかりなのに驚きました。
一時嫌気が差して止めようかと思ったけど、権太楼師の噺を聞いて…深く考えないようにしようと思いました。
更にサゲがイマイチピンと来なかった。
「ここで逢ったが百年目」って、ああいう場面で使う言葉かな?…っていう疑問。
で調べたら…「百年目」と言う言葉そのものが「お終い」と言う意味になるのですね。
それもこれもひっくるめても良い噺です。
60才を過ぎてやれる噺かなと思います。
☆サゲ~「これが百年目かと思いました」…「ここで逢ったが百年目と思いました」
□登場人物~番頭・主人・吉兵衛・定吉・長松・他奉公人3人・一八・女将・芸者・玄白…12人
108『猿後家』27.12トライ 28.2.13初演(イオンゆうゆう寄席)
28年が申年なのでふと憶えようかと…。
正直あまり後味の良い噺とは思えないので、番頭に女将さんを良い人だって沢山言わせようかと思ってますが…。
小三治師ベースで志の輔師参考ってな感じで、小三治師は定吉を最初に出して猿飛佐助の本を出してますが、私は西遊記も入れます。
志の輔師の仕立屋の太兵衛が最後成功するやり方は面白いけど、女将さんが可哀相なので失敗する小三治師風に…。
入れ事がなかなか出来ません。
初演ではマクラで時事ネタの不倫を扱って喜んで頂けました。
☆サゲ~「いいえほんの猿知恵で」
□登場人物~女将さん・番頭・源兵衛・定吉・小僧…5人
107『小言念仏』15.3トライ 27.11.08(三条月一)
交通安全の時間合わせ用にと先代金馬師で覚えたが、短すぎて結局かける機会がなく…12年立ちました。
好きな噺では有ったのです。「隣の飯だから焦げても良いということはない。若夫婦なんだから教えてやれ」「オシッコに鉄瓶のお湯をかけて拭け」「雑巾は畳の目なりに拭け」など生活の知恵が沢山あって、ただの愚痴ではないのでためになる。
のっぺさんが良い味を出しているので、ますますやりにくくなっていたけど、吉楽さんからのリクエストで再挑戦して、三条月一で掛けました。
掛けてみて、台詞を言っている時は木魚を叩くのを止めた方が良い…小三治師も止めている…のに気付いた。。
若夫婦が布団の中でナンダカンダってのを入れてみて…金坊!何をニヤニヤってのも入れてみました。
☆サゲ~「泥鰌が腹見せて死んだ。ざまあみろ」
信心なんてそんなもの、という真理を現している見事なサゲ。
原理主義者には生涯理解出来ないだろうし、だから戦争も無くならない。
□登場人物~隠居たった一人(陰では婆さんや嫁さんや孫2人、泥鰌屋などが目に浮かぶ)
106『目黒の秋刀魚』 27.09トライ 27.10.10初演(イオンゆうゆう寄席)
秋の噺がやりたくて…扇辰師の映像があったので…。
H6年正月4日に、元市役所脇のお堂で初めて見た二つ目の頃の扇辰師の高座もこれ…結構聞いている…その後扇辰師と飲みながらそんな話をしたら…「季節感が無かったな…」とおっしゃってました。
落語始めたばかりの頃鈴本で先代馬生師のを聞いて、初めてちゃんと落ちた目黒の秋刀魚を聞いたので驚き、馬生師って上手なんだ…と思った作品。
しかし、あまりにポピュラーすぎてやる気は無かった。
先代金馬師の音も有るけど、野駆けに行くまでの前半が無い…。
稽古してみるとこんなに地の部分が多いのかと驚く…。
根岸鎮衛の耳袋に贅沢な食事をする大名が出て来るのでそんなのもマクラに入れて…この落語の舞台の茶屋坂は歩いているので、そんな噺も入れて…初演は時間の関係で無理…。
ローンレンジャーや昔の馬はサラブレッドとはほど遠い、なんて話も入れて…金馬師のは5分で終わるし…。
あまり入れ事をすると雰囲気が壊れるけど…入れないと短いし、面白くないし…。
扇辰師は相当デフォルメしてるけど…。
さんま?IMARUの父親か?…何の事で御座いましょう…。
秋刀魚の胸に赤い炭火が、ウルトラマンのカラータイマーの様に…。
☆サゲ~秋刀魚は目黒に限る
教えたくって仕様が無いって感じを出したい。
よいか、秋刀魚はのぉ、目黒に限る…くどいか…。
□殿様・家来数人・百姓・親戚の家来数人…6~7人
105『がまの油』 25.6トライ 27.9.13(三条東映月一落語)
口上だけはS63年頃安塚に居た時に憶えていて、あまりにも面白くないのでやらずにいたもの。
一之輔師のを見て初めて面白いと思った。
特に「お好きなモノを切ってご覧にいれます」「藤娘!」…これが言いたいばっかりにやった感じ。
一之輔バージョンに少しオリジナルを足したら出来るんじゃないかなと思ったけど、サゲ以外は大体そのまんま。
一之輔師の、「僕」と「パス」はうける。 笑天寄席ではアドリブで四方の金網から金網デスマッチにして「大仁田!」って叫んでみました。 しかし、イロイロやるとくどくなるような気がしました。
しかし、爆笑にはならないかな…。
☆~サゲ「お立ち会いの中に血止めをお持ちの方はいないか」
私は「お立ち会いの中に携帯電話をお持ちの方はいないか。救急車を呼んでくれ」にしてみた。
時代は違うけど、サゲがつまらないんだもの。
□~がまの油売り・酒屋の主人・子供・客…4人(普通は2人)
104『甲府い』27.4トライ 27.7.12初演(三条東映月一落語)
扇辰師が良くやっているけど、余り笑いも無いし…と思っている内に憶えてしまった感が有ります。
歌武蔵師も、軽くやっていて良いのですね。
まあ、善人ばかりが出て来るアットホームな噺であるなぁと言う事ですね。
余り入れ事をせずさらりと行きたいが…。
私はお花に畳の毛羽をむしらせ…カミさんが「ほら、そこ、お花がむしったんだよ」
最後に甲府への旅を願い出る時「おとっあん、お願いします」と言ってくれってダダをこねさせた。
☆サゲ~甲府い、ゴマ入り、願ほどき~ これを唄いたくて扇辰師はやっていると勝手に思っている。
□~善吉・親方・婆さん・お花・金公・長屋のカミさん・長屋のオヤジ…7名
103『笠碁』27.4トライ 27.5.23初演(ほのぼの寄席)
若い頃…囲碁を始めた26才の頃…は全くやる気が無かったのですが…年齢を重ねて登場人物と同じ年齢になったら、だんだん良い噺だな…って思う様になって。
先代小さん師のビデオを見ていて、美濃屋が店に入って来た時泣きそうになっちゃったものな。
で、大分前からやりたくなって、1月に東志郎さんから音を貰ったけどMDの調子が悪くて投げていたのです。
ただ、小さん師のビデオもあるし、MDも何とか聞ける様になったので、稽古開始。
まあ、筋立てや大事な台詞は入っているので、細かいギャグの確認と舌馴らし。
何故待ったなしにしたかの理由は、先代馬生師の説明を頂き、後は先代小さん師の方が爺さん達が可愛いので、小さん師バージョンで。
馬生師のは、裏のある二人みたいで…。
文左衛門師のが可愛くって良かっけたど音がないと思っていたら、いつの間にかユーチューブでラジオ版がアップされていて…聞いてみたら完全に小さん師版…。
まるで違うと思ったのはナマの凄さか…。
番頭が一番好きだよね…台詞はないけど。
…「目配せしただろ。何!目にゴミが入ったのかと思ってました?嘘を付け!」って入れて見た。
傘を貸さないお婆さんも良いしね。
「碁会所?相手が居ないよ。強すぎて」…好きだな。
出だしは馬生師版で何故待ったなしにしたかを説明して、後は小さん師版に少し文様を…「強情ですよ。それが何か?」…入れました。
「店先に碁盤を持って来て…商売に差し障る!?…やかましい!この店は私が一代でこさえたんだ!商売なんかどうでもいい!!」と入れてみた。
とどめは…兎に角サゲがオチ憎いので変えちゃいました。
☆サゲ~「ああ、まだ笠被っているよ」…幾ら何でも気付かない訳がないし…え?これで終わったの?…って感じになる…若手の誰かが変えていたと思うけど…どんなだったか憶えていない。
私の~「これからもよろしくお願いしますよ」「子供の頃からの友達はお前さんしか残っていないんだよ。以後(囲碁)も、よろしくお願いします」…くだらねぇ~地口オチ…だけど、オチたのは分かるよね。
更に「も」を入れる事で、囲碁も…の方にしっかり掛かっていると自画自賛…ほのぼのでは受け入れて貰いましたけどね…。
□隠居・美濃屋・美濃屋妻…台詞喋ってるのは3人…他に無言の番頭・長松・定吉
102『親子酒』27.1トライ 272.6初演(北○会)
小咄を長くしただけの噺で余りに短いので憶えるともなく憶えていた噺。
ベースは志ん生師。
「こっちが言わなくてもそっちで如何ですかって言うもんでしょ」…が可愛い。
艶笑さんがやるのでやる気は無かったけど、浅草で聞いた三遊亭好太郎師の婆さんが可愛くてやろうと思った。
10分程度なので、いろんな場合に使えると思っている。
好太郎師の「綺麗になったよ」に、コラーゲン食べた?を加えたり、細かい台詞を入れてはいるが…余り変えてはいない。
ネタ下ろしは、企業のお偉いサンばかりの宴席前…何とかなった様には思います。
☆サゲ~「こんなグルグル廻る家なんか貰っても仕様が無い」
□~親父・お袋・息子…3人
101『災難くじ』25.5創作 26.10.12初演(三条東映月一落語)
落語台本募集に応募するために作った噺。
伝言ゲームの危うさを出したくて、イロイロ考えていたら、落語長屋のオールスター総出演とまでは行かないまでも、沢山出せば面白いのではないかと思って、前半は作って見た。
伊勢屋の番頭・熊さん(子ほめ)・芝浜・与太郎(かぼちゃ屋)・大家さん(長屋の花見)・お崎さん(厩火事)・お久に長兵衛(文七元結)、金太郎に吉五郎のコンビ(三方一両損)、一八に若旦那(幇間腹)、寝床・たが屋、他にも、粗忽長屋・花見の仇討ち・宿屋の富・御神酒徳利・金の大黒・三井の大黒・竹の水仙・ねずみ…18話…オマケはめ組にふ組。
後半は、禁酒番屋の近藤さんと、井戸茶の高木さんの会話…全20話。
原稿用紙4枚に縮めてN日報のコントに応募して26.8月に入選。
で、掛けてみようかなと思い立つ。
初演はイマイチ…。
サゲがなかなか思いつかずひねり出したのがこれ。
☆~「今思いついた嘘で御座るが、くじは何処で見つけられた?臼の中から…。
臼から出た誠で御座る」
□~近藤・番頭・熊・与太郎・大家・お崎・お久・吉五郎・金太郎・一八・若旦那・ たが屋・め組・ふ組・高木…15人・その他町人α
100『堀之内』62.10トライ 26.9.18(落語長屋)
慎楽ので聞いて覚えたバージョン。
やる気もなかったが、志ん朝師を聞いてトライしてみたものの、乗り切れず完全には覚えていなかった。
信じられないくらいの呆けを不自然さを感じさせずに出来るかどうかが難しい。
好きなギャグは結構ある「タンス開けても水はない」「手拭いがひっかくからおかしいと思った」「腰巻きと枕担いで東京中を歩いていた」志ん朝師「帯が落ちてる…電車の線路か」~凄い呆けだよね
子供を連れての風呂屋の場面が、サゲを作るために無理矢理くっつけたようでイマイチ好きになれない…談志家元も同意見だった。
しかし、日蓮宗のお寺様からリクエストが有り、やる気になって憶え直した。
稽古を兼ねて、落語長屋でネタ下ろし。
おばさん達には良く受けましたが、どうしても間が早くなるのが難点。
サゲは、上方の宿替えの「我を忘れる」を持って来ましたが、チャンとサゲになっていると思います。
堀之内のお祖師様(妙法寺)には、18年8月19日に始発の新幹線に乗って行ってみました。
地下鉄駅の脇の鍋屋横町から、歩いて行きました。なかなか大きいお寺でした。
☆サゲ~「金坊の背中は大きくなったなぁ」「お父っつぁん、羽目板洗ってるよ」
新サゲ~金坊をお湯屋に忘れてきて「なんで子供を忘れるんだよ」「何言ってんだ。俺は時々我を忘れる」
□登場人物~粗忽者・妻・金坊・町の人沢山…
99『歌に歴史あり』26.04トライ 260823(ほのぼの寄席)
歌の勘違いや憶え間違いのマクラを作って見たが、マクラだけでは淋しいので落語にしてみようと思い立った。
文枝師の「赤とんぼ」も参考にしてみたが、現代風よりも隠居さんの所へ熊さんが遊びに行ってってな展開にした。
故郷・紅葉・赤とんぼ・赤い靴・仰げば尊し・汽車ポッポ・シャボン玉・どんぐりころころ・金太郎・小さい秋みつけた…10曲
最後にロシヤ民謡の「一週間」を出して、熊さんが仕事じゃ無いじゃないかって言うのを、いやあれは労働者階級の悲哀の歌で、この歌がきっかけでロシヤ革命が起きたって噺にしてみた。
主人公は、ニコライ三世の親戚のスケベノビッチ・ナオンスキー侯爵家に勤めている下女ナターシャ16歳。
恋人の髪の薄いウラジミールに書いた手紙を読んで、ロシア革命を起こすという壮大な噺…そう、彼こそウラジミール・レーニン。
稽古していて、ワンパターンに飽きちゃうし、長くなるので、ネタ下ろしでは、喜びも悲しみも幾歳月を入れて仰げば尊しまでにして、後半の憶え間違いをカットしました。
中高年には受けた。
☆サゲ~「この歌が革命の元だなんて嘘っぱちは誰も書くめい」…くだらねぇ。
□~隠居・熊…2人
98『ぞろぞろ』26.10トライ 26.8.21初演(落語長屋)
理容業会さんから口演を頼まれて、髪の噺でもって言われたけど、髭の噺しか思いつかずに、車の中でやってみたら、今までの記憶だけで出来ちゃった。
談志・志ん朝師のを確認したけど、お参りに行く前の会話が長いので、不採用としました。
まあ、枝葉がないため10分以内に終わるので、取りあえず、その口演だけ振込なんかやった最後にやろうと思ってます。
工夫は、神様の力は、参拝に来る人の念が集まって出来るもので、御利益は、賽銭を貯めて(まあ、金の気を溜めてなんでしょうが)10月開催の全国神様連絡協議会(全神連)で出雲大社に集まった時に、御利益玉を買って来て、それを使うって言うデタラメをマクラで振ります。
荒物屋の爺さんの毎日の念と10日に一度のお賽銭を貯めて、やっと御利益玉をぶつけてやるが、床屋相手には、その御利益玉の欠片をぶつけたので中途半端になったって言う設定(^_^)ゝ
落語長屋で、稽古を兼ねたネタ下ろしでした。
☆サゲ~ 「髭を剃ったらその後から新しい髭がぞろぞろ」 SFだよね
□~荒物屋の爺さん・神様・床屋の親父・客数人~3+α
97『孫、帰る』26.03トライ 26.08.10(三条東映月一落語)
良い噺で有ると思っていたがやるつもりは無かった。
しかし、ふと、交通安全母の会かなんなでやったら良いのではないかと思い立つ。
喬太郎師の許可を得るため扇辰師に連絡先をお聞きしたら、扇辰師から喬太郎師に連絡が行き、原作者の山崎雛子さんには喬太郎師から連絡した頂き許可を得る…ひたすら両師匠に感謝感謝。
そんな事であまりいじれないが、許可を得て、交通事故の具体的形態を噺の中に盛り込ませて頂く事にした。
酒酔い運転が良いと思っている。
朝運動会か文化祭に行くので母子で学校前の横断歩道を青信号で渡っていたら酒酔い運転の車が突っ込んで来たって事にしようと思っている。
他に、タイムサービス婆さんをTSB、グリーングランドファザーをGGFにしてみた。
喬太郎師からは「泣かないように」と厳しく言われているし、承知はしているがやってみなけりゃ分からない。
稽古で2~3回泣かなかったので、三条東映月一落語でネタ下ろしをやったが、やはり涙は出た…難しい。
☆サゲ~「複数盆に帰らず」…地口って言うより駄ジャレオチ
□~祖父さん、祖母さん、ケンイチ…3人
96『真田小僧』 26.04トライ 26.5.15(落語長屋)
落語長屋のYさんが稽古しているのを聞いて、出来るかな…やってみようかな…なんて思っちゃった。
小鶴の十八番だし、寄席でも嫌って程聞いているし、座ってやれば出来ちゃったって噺…ただ、松田尾張守と大道寺駿河守の名前は本で確認した。
色々な人のを聞いているのでごっちゃになっていて、細かいギャグを忘れているモノモ有るので、DVDやユーチューブで確認。
「あんなのは浅知恵ってんだ。末には振込詐欺かなんかやる様になる」
「良いじゃないか、何十億も儲かるんだろ。そうしたら着物こさえて貰おう」
なんて事を思いついた。
☆サゲ~「焼き芋買うんだ」「うちの真田も薩摩に落ちた」…良いサゲじゃないよね
□~父・母・金坊…3人
95『釣り馬鹿ばっか』 26.03作成 26.4.26(ほのぼの寄席)
26年3月のほのぼの寄席茶話会で、私が何故釣りが嫌いかを説明したが、周りが納得しなかったので作った噺。
ハマサキ商事に入社した私がモデルの新入社員楽田を、赤田課長・野田係長の海釣り組と青山部長の岩魚釣りと白石常務のバス釣りの3組が釣りに誘うって噺にした。
今まで理論的に考えていたり、釣り批判をして来た理屈を展開するので直ぐに出来た。
釣りの醍醐味などはネットで釣り好きのコメントを参考としたが、全く独善的な傲慢な理論で本当に腹が立った。
サゲの工夫が付かなかったので、コントで書いた「自然に優しい」を最後にくっつけてSF仕立てにしてみたが、30分くらい掛かるのでお客様が大変だ…。
そこで、SFにせずに幹部が釣りに行ってみんな死んでしまい、別の会社から楽田が新社長として出向してくるってサゲにした。
しかし、みんな殺すのは如何なものかと無人島に漂着する事にした。
とこんな風に1ヶ月の間にどんどん変化して行きました。
上司については、赤田…普通会社員・楽田を君と呼ぶ。 青山…ややオネエ・楽田をあなた。 白石…体育会系・楽田をお前。 としたが、興奮してくると演じ分けが出来なくなる。
ほのぼの寄席でネタ下ろし。
前半は釣り嫌いの説明なので後半やや笑いが起きました。
面白くよりも自分の理論を展開したいだけのために作った噺なので、これで良いのだ。
☆サゲ~A版「ああ、逃がした魚は大きかった」
B版「窓の外の空一杯に真っ赤な円盤が…」
□~楽田・赤田・野田・青山・白石・浜崎…6人(SF版はレッド星人ホワイト星人が参加し、浜崎は出ないので7人)
94『うどん屋』 25.10トライ 26.2.9(三条東映月一落語)
先代小さん師のが好きなんだけど、結局酔っ払いが嫌いで手を付けなかった噺。
冬の間に仕上げようかと思ったけど、なかなか、掛ける機会が無く、暮れから正月に掛けて憶えた。
小三治師のをテレビで見たら98%小さん師のまんま。
あんなに上手にうどんは食えないけど、時そばの太い奴のつもりでやれば何とかなるかなと思う。
「ハフハフ」言うのがリアルだよね。
さん喬師は、酔っ払いの親父を悪く描いちゃ駄目っておっしゃってますね…ここが難しいけど、この年齢になると何とかなる様な気がして。
ミイ坊の所になると自然に涙が吹き出すのも年齢のせいでしょうね。
三条でのネタ下ろしをしました。
難しい噺だと言うのを痛感しました。
泣きはしなかったけど、そこまで心が入り込んでいなかったって事か…。
うどんの食べ方はどうだったのだろう…。
話し込んで行ければと思います。
☆サゲ~「お前さんも風邪をひいたのかい」
良く出来たサゲ。
□~うどん屋・酔っ払い・おかみさん・客…4人
93『シルバー川柳』 25.8作成 25.10.26(ほのぼの寄席)
有料老人ホーム協会発行のシルバー川柳という本の1・2を読んで、笑福亭仁智さんの「川柳は心の憂さの吹きだまり」の様な落語が出来ないかと思って作った噺。
まず、川柳ありきなので、その川柳に相応しいシチュエーションを考えて作りました。
33句の川柳を使用。
9月の三条・笑天寄席が目標かなと思っていたけど、結局怖くて、ほのぼの寄席でネタ下ろし。
2句間違えたけど、やはり難しい。
サゲがなかなか思いつかなくて
花を咲かせて寄席へ行こう。どっちも演芸が付きものだよ。
シルバーはみんな行く道通る道 楽々
シルバーを笑い飛ばして行きましょう 楽々
なんて考えたけど、ネタ下ろしの当日に神が下りる。
☆~夫「明日から人間を変えて頑張るぞ。お前も不平を言うな」
妻「不平なんか言わないから紙幣を頂戴」
□~夫婦…2人
92『老婆の休日・文珍作』25.8トライ 25.8.11(川治公民館納涼祭)
これまた、長い間どうしようかと思って居た文珍師の新作。
艶笑さんので2~3回、遊月さんで1回、聞いたくらい。
高齢者用の落語って依頼を受けて…。
艶笑さんから音を借りて来て車中で数回聞く。
新潟弁でやってみるつもり。
・山田さんかと思った
・ケーキ屋
・そのままお待ち下さい
も全部病院の会話にして
・皆さんのお声を聞かせて
も入れちゃうつもりだったが、山田さんは無理がありマクラに入れた。
本家の夫婦がカナダへ行ってジサ惚けってのを入れた。
サゲが欲しいので、もしハンコで落とすなら
嫁~どうして言う事が聞けないんですか。
婆~ハンコ期じゃ。
舌は、下ネタなんであまりやりたくないんだけど、もしやるなら
婆~承知してますて。先生の気持ちを確かめる為にやったんじゃ。
これが本当の下心
ネタ下ろしの十日町ではうけた。
一週間くらいで完成。
三条東映月一落語でと思っていたけど、川治公民館納涼祭で勢いでネタ下ろし。
勿論うけますけど、噺と方言の力。
時間を気にしてジサ惚けはカットしちゃったけど、今後は入れます。
☆~文珍師のは「大騒ぎです。老婆の休日です」でオチが無い。
□~トメ・梅・竹婆さん・医者・看護師…5人
91『親の顔』25.6トライ 25.7.30(笑天寄席)
相当前からやりたいと思っていたネタなんですけど。
新作は自作以外はやらないようにしようかな、なんて思ったりもして、手を出すのを止めていました。
先日志楽さんが三条東映月一落語でやったのを聞いて、ふと、出来るかなと思って家でしゃべってみたら、9割くらい話せた訳で…最近こう言うのが多いのですね。
で、ユーチューブでチェックして出来そうだなと…。
学校から依頼が来たらやって見ようかなと。
丹馬さんが「教師はやらない」って言ってましたけど…。
後は口に乗せるのと新しい何かを盛り込まねばって事。
でも良く出来ているのでいじらない方がよいのかな?
しかし、隠居の所の熊さんはやや常識人で、学校での熊さんと別人みたいな気がするのは私だけ?
いじりは、
・出だしを「果たし状が来て」…「税務署は督促状か」ってな風にしました。
・本能寺を「法隆寺を作ったのは大工さん」にして「大工の親をリンパ腺してまして」「リスペクト、尊敬です」「横文字しゃべろうとすると訳分からなくなっちまう」にしました。。
☆~「今度はあなたの親の顔が見たい」
□~隠居・熊・先生・金太…4名
90『ねずみ』25.6トライ 25.7.27(ほのぼの寄席)
ほのぼの寄席でやる宣言しちゃいました。
臭くしないでサラリと出来ないかなって思ってます。
甚五郎も、三井の大黒みたいなボンヤリした感じでやってみたい。
一応、志の輔師・さん喬師を参考に。
両師匠のを一回聞いて話して見たら、これまた大体話が出来るのですね。
これも結構聞いてきたからね。
口になじめば7月のほのぼの寄席には十分間に合うと思います。
志の輔師のは正直くどいし、甚五郎がその辺のおっさんに聞こえるので、さん喬師をベースに、志の輔師のも若干入れてって感じでやろうと思っています。
甚五郎はあくまでも、好々爺って感じでやりました。
坊やに何を言われても怒りません。
志の輔師のもさん喬師も細かいところが似ています。
二つ目の会で沢山聞きましたけど、みんな同じ様な流れで、同じ様な台詞でしたよね。
で、先代の桂三木助師のを聞いたら、結局元はみんなこっちでした。
しかし、オリジナルな入れ事が全く思いつかないのです。
稽古していれば何か思いつくかも…。
ダメでも、噺がしっかりしているから、良いかな。
結局江戸の「仙台ねずみ鑑賞ツアー」と、
ねずみの「ご無沙汰しています。お元気そうで何よりで」「愛想言ってるんじゃない」くらいでしたね。
6月に美豚君が白鳥師の改作「萩の月の由来」を掛けちゃったのですが、元の噺はこうなんですって事で予定通り7月のほのぼの寄席でやっちゃいました。
ねずみ屋の主人の長台詞の時、甚五郎と区別が付かなくなっちゃう気がして。
会話の時には結構若く話すのに、一人台詞になると、変に老成しちゃう。
☆サゲ~「ええ、虎だったんですか。私ゃ今の今まで猫かと思ってました」
□甚五郎・子供・鼠屋主人・村人甲乙・丑蔵・お近・二代目政五郎…8名
89『壺算』25.5トライ 25.7.10(三条地区職警連)
時そばに代わる詐欺噺をやりたくて枝雀師のを短くして江戸に直してって考えていました。
サゲが問題で、「思う坪」は上方だから出来るサゲ。
権太楼師なんかは「持ってってくれ~」でサゲちゃってます。
検討の余地十分あり。
ネタ下ろしは急遽元職場関係の会合でと思いつく。
営業ネタの最後に10分前後でと考えたので、稽古していた
・水瓶の壊れた経緯
・買い物の極意
・瀬戸物の凄さ
は、全部カット。
会場の楽屋で急遽さらって高座へ。
理解出来ていないお客様も有ってか反応はイマイチ。
結局サゲは下記の様になりましたが、シ~ンとさせちゃいました。
検討の余地有り。
☆サゲ~「今日はもう商売はしません。三円はお返しします。一荷入りの水瓶も持って帰って下さい」
□男・兄貴・店主…3名
88『初天神』25.1トライ 25.1.16(三条東映月一落語)
正月モノを…と思っていて、出来るかなと思って座ってやってみたら出来ちゃった。
艶笑さんやプロの方のを嫌って程聞いているから耳タコで憶えていました。
後は稽古で口に乗せれば良し。
そして、入れ事をどうするかですが…今のところ思いつかない。。
小三治師のものが絶品なんですけど、子供が苦手で、とてもあんな風には出来ないので…憎々しげにやるしかないのかな。
しかし、本当にいたら嫌なガキですよね。
我が子だったら貼り倒してますけどね。
ネタ下ろしは良い反応でした。
もっと掛けて練りましょう。
☆サゲ~「こんな事ならお父っあんなんか連れて来なきゃ良かった」
良く出来た噺です。
□父・母・金坊・飴屋・団子屋・凧屋・酔っ払い…7名
87『新時そば・上方版』25.1トライ 25.1.15(ディサービス藤見)
昇太師のものをテレビで見て面白いと思ったのです。
しかし、時そばは200回近くやっているネタなので、今更変えるのもな…って思っていたのですが。
その後圓九さんで上方の時うどんを見て、好朝さんのものを見て、ちょいとやる気になって来ました。
江戸の時そばは上方の時うどんを改作した物で、それを更に上方の演出に直すという、先祖帰りみたいな噺。
江戸が、ことごとく前の奴と違う事をメインにしているのに、上方は次の男が兄貴と全く同じ事をやる事の面白さをメインにしているのですね。
だから、江戸の後半の不味い蕎麦を上方版に持って来ると、視点が崩れてしまう様に思えて、どこまでかぶせて良いのかが悩みです。
サゲは同じですが、シチュエーションがここまで違うと、今まで時そばをやって来た所でもまたやれそうですね。
ネタ下ろしは急遽ディサービスさんで…しかし、弟分がやっている時、誰も居ないと言う事に気づいていないみたいで…。
☆サゲ~「何時だ」「四つで」「五・六・七…」
これは同じ
□兄貴・弟分・蕎麦屋甲・蕎麦屋乙…4名
86『やかん舐め』24.11トライ 24.4.12(笑天寄席)
兎に角、武士と可内(べくない)の関係が良くてやりたくなった噺。
最初は上方の染丸師の噺(癪の合い薬)を聞いて良い噺だと思ったのですね。
最近見直したらそれ程可内が笑ってはいなかったのでビックリ。
その後江戸モノを聞いて無性にやりたくなって、喜多八師の物で憶えました。
結構短いけれど、なかなか入れ事が出来ない。
小野派一刀流・馬庭念流・関口流柔術・槍は宝蔵院流、お花は勅使河原流。
家内と娘を出して
「女は泣けば良いと思っている。奥も娘も最後は泣いて誤魔化す」
「わしの奥と娘はべくないよりも質が悪い。毎朝わしの頭を見て指さして笑うに違いない」
って入れて見た。
☆サゲ~「まだ漏れるほどではございません」
…「漏るほど…」が本当なんだけど分かりにくいかと思って…。
なかなか落ちにくい。
でもやっぱり「漏る」かなと思ってます。
□武士・従者・おかみ・お竹・お花…5名
85『天狗裁き』24.9トライ 24.10.19(三条東映月一落語)
昔からやりたかったけど、艶笑さんがやるので遠慮していた噺。
次回のほのぼの寄席用にと憶え始めたら、既に憶えていたって感じ…。
権太楼師のモノとさん喬師のモノを参考に。
微妙に変えてはいるけど、基本ベースは同じ。
私は、爪の間に竹串を刺して…という拷問を、隣家の男と奉行と天狗に言わせている。 天狗は、大天狗が有名なので高尾山にしました。
権様は鞍馬、さん喬師が出雲?逆か?
☆サゲ~「どんな夢見たの?」
お客様が無限に回るって察知して笑って拍手しているんだから、 権様のサゲはくどいと思う。
□熊五郎・お光・留・大家・奉行・大天狗…6名
84『桃太郎』24.08トライ 24.9.12初演(H保育園)
保育園さんの敬老お楽しみ会で、祖父母と孫の落語をって頼まれて、そんな話は知らないので、雛鍔や真田小僧・初天神なんかを考えた中で桃太郎を選定。
小鶴がしょっちゅうやっていたので何となく頭に入っていたので、文左衛門師の音も参考に組み立て。
文治師のは下ネタ多すぎ。
なかなか10分にならないので困っていたら、池田の大会で舞扇さんが前半を飛ばしてやったのを見て、その形でやってみました。
時間が無いので入れ込みは
名前は売っちゃった…北朝鮮の工作員に?…落語に政治は持ち込むな
英語ではロングロングアゴー、長い顎じゃないよ。
桃のようなピーチピーチした子が・
キジは国鳥、レストランの厨房で一番偉い人じゃないよ。
くらいです。
初演はよく笑って頂きました。
☆サゲ「大人は罪がないや」
□父・金坊…2人
83『柴犬』24.01トライ 24.4.28初演(ほのぼの寄席)
老婆の戦術を稽古していて、ふと芝浜のサゲの「よそう。また夢になるといけない」を「やろう。夢が現実になるかも知れない」と言うサゲで噺を作ってみたくなった。
で、ダメ駐在所員の噺にしようと思ったら、芝浜のパロディのアイデアが次々に出て来てナントカ形になった 「起きて下さいよ。今日から冬の交通安全運動でしょ」…結構気に入っている。
「テレビゲームやらしたら街頭に立つっていったじゃない」
「警笛は?」「出てます」
「ヘルメットは」「ピカピカ光っている」
「白手袋が新しいから気持ちがよいだろ」
は芝浜のパクリ…芝浜を知らない方は意味不明でしょうが…。
イマイチ受けませんでした…仕方ないけどね。
時間を間違える必然性も出来たし、柴犬も最初の子犬から老犬の捨て犬に設定が変わてギャグも出来たし、脇役として区長と校長を出した。
山狩り開始して、みんなが行くのと別方向へ行って犯人を見つけるのは実体験。
太田先生から「こっちで出場したら」って言われちゃった…。
これは池田の予備用か、第5回用か…、日本一寄席用か…強気。
と思っていたら…現実になっちゃった…正に第五回のゲスト用にしようかなって思ってます。
ただ、10分に短縮するのが難しいし冬のネタなので日本一寄席用かな…。
10分にするために
・行くまでの愚痴は交通安全週間のもの1つにした
・交差点での愚痴はカット
・校長先生との会話をカット
・署長室の会話をカット
・翌朝の校長はカット
これで、早口にして何とか10分以内。
☆サゲ「街頭に立つぞ。夢が現実になるかも知れない」
□権田原巡査・妻・区長・校長・刑事課長・強盗犯人・署長・テレビ局員…8人
82『人情八百屋』24.01トライ 24.2.25初演(ほのぼの寄席)
談志家元が講釈ネタを直してやっていると言う話は聞いていたけど、噺の内容は分からなかったが、NHKの特番で初めて見てやりたくなった。
23年暮れの芝浜・文七の連チャンで泣く噺はしばらく止めようと思ったのに、泣きっぱなしの噺がしたくなっちゃった。
前半のエピソードを平助の説明でなく現実にやった方が自然じゃないかなと思ってやる事にしたが、茄子の売り声が分からない…どうせお客様も分からないから適当に作っちゃった。
姉弟を7歳・5歳に設定したら、平助が「育ち盛りだ。三度のおまんまを三度食べてもまだ足りない」なんて言い出した。
数えなので6歳・4歳なんですが、5歳3歳でも良いのかも…。
婆さんは「子供が産めなくってすみません。だから子供が苦労するのはつらい」とか言い出した。
また、鉄五郎のカミさんは「殺すんじゃないよ」って言い出したり、結構出演者が勝手に話をするのですね。
これほど自由に出演者が話をするのは初めて。
死神のろうそくの寿命とか、財布ごとくれるのはだるま横町の左官の長兵衛とあんた位のモノだって落語ファン用のくすぐりもチョイと。
泣きっぱなしなんでどんなもんだろう…。
稽古してると段々泣かなくなってきたが、良いことなのだろうか?
初演は泣きっぱなしでした…。
☆サゲ「商売が火消しだ。しつけは出来ない」
つまんない地口オチなんだけど、変えちゃ駄目だよな。良いのも浮かばないけど。
マクラで江戸っ子はひとしが言えないって振ります。
□平助・平助妻・源平妻・鉄五郎・鉄五郎妻・隣人…6人(原作に源平妻は出ない)
81『老婆の戦術』23.10トライ 24.4.28初演(ほのぼの寄席)
白昼の交差点の次に池田で掛けるネタを考えていて思いついた噺。
白昼の交差点より面白い物を作る自信は全く無く、出演しないつもりでいたのに、池田から帰って二日目くらいから布団の中で考え始めた。
直ぐに、惚け老人で何か出来ないかと思って、今までの経験を元に作り始め、やはり長いのでカットカットして行ってなんとなく12月頃に形になった。
油断すると10分を越えるが後は稽古で10分以内になりました。
泥棒に入られたと言う認知老人は山程居るし、冷蔵庫の中のモノが動かされていた、も多い。
壁から泥棒が時間の都合でカットしたが、これも実話なんだけどね。
吉永小百合の下りも削りたくなかったけど致し方ない。
横田トメさんは変えたくないので、YOKOTAさんから許可を頂いた。
題名は老婆の休日のパロディ=つまりローマの休日のパロディ。
結構良い題名だと思っている。
最後ほろりとさせてひっくり返して…サゲは神様が降りて来たのかな?
泥棒根性が受けるかどうか?…初回ではイマイチでした。
果たしてどうなりますか。
兎に角お客様次第。
婆さんが死んじゃう形も考えたけど、時間的に無理だし笑いもないし、小説に作り直して同じ題名で新聞に投稿してみました…お陰様で掲載されました。
ネタ下ろしでは、まあ好評でした。
サゲは大好評…東志郎君からは「ベタですね」と辛口…でも老婆は普通老婆心ではと言わないからねぇ。
YOKOTAさんから「落語かと思った」って最高の誉め言葉。
太田先生からは「間が早すぎる」・ラブさんからは「婆さんが『わし』って言うのは如何か」・ギャルからは「ipadにしたら…」いろいろアドバイス有り難うございました。
DVDをお送りした紫よいさんからも貴重なアドバイスを頂きました。
ほとんど反映させて頂きました。
お陰様でこのネタで平成24年9月8日「第4回社会人落語日本一決定戦」で優勝させて頂きました。
その時に八方師から「婆さんに孫がいるとか膨らませられるよね」とのアドバイスを頂く。
そこで、「亭主がまともだったら、今頃お前みたいな孫を持って幸せに暮らしていたんだろう…」って台詞を入れました。
九州では、行きの飛行機の中で思いついてもっと膨らましたら、悲惨になりすぎて「嘘ピョ~ン」でもお客様が戻ってこなかった…。
婆さんのエピソードをもっと入れたらって言われるけど、くどくなるからこれで良いと思っています。
令和5年になると80才以上でもスマホ使うようになって来たし「ツイッター」も「X」に変わったし…「ツイッターもやっている…今はXだけど」に変えて見ました。更に「ツイッター」を「YouTube」にして「婆さんは80才を越えているのにYouTubeやっていて結構有名なYouTuberなんだ」に変えてみましたが…初回はイマイチでしたが、今後どうなりますことか。
☆サゲ~「これが正真正銘の老婆心じゃ」
□若い巡査・先輩・トメさん…3人
80『平林』23.6トライ 23.9.7初演(田上小落語クラブ)
湯たり亭さん助さんから、小学生に教えてくれと頼まれて、覚えた。
ネットで小朝師のモノを発見。小学生用に枝葉をカットしてエキスだけにした。
で、小学生の前で初演…二度目はあるか?
直前にガレッソ寄席で上方のモノを聴いた。面白かったし、たい平師のも面白かった。
安楽庵策伝の醒睡笑に載っている物が400年続いて今もやられているのが凄い。
☆サゲ~「新しい祭囃子かい?」「いいえひらばやし」…寄席で見たたい平師のものを頂き。
昔は「あいつはキチガイか?」「いいえ字違いです」…今じゃあ出来ない。
上方は、本物の平林さんが現れ、「ああ、あんたに用はない」
□定吉・旦那・煙草屋・八百屋・爺さん・おばさん・男…7名
79『転失気』23.5トライ 23.6.18初演(さん喬独演会)
さん喬師独演会のネタに悩んでいた時、居酒屋にしようかなと、毎晩寝る前の落語に先代金馬師のテープを聞いていたら転失気が有り、おや、これなら出来るのでは…と思い立つ。
喬太郎師の転失気もビデオ録画していたし、喬太郎師から「喝」をいただいた。
その他「劇団四季」「荻野式」も、と思ったがさん喬師匠の前座なんで、あまり頂きすぎは良くないと思い、「反射式か屈折式」「正岡子規」を作った。…荻野式は私も思いついたんだけど…
喬太郎師のサゲは「屁とも思っていません」で、私ゃ本来の「ぶーぶーが出ます」の方が好きなんだけど、わかり易いのでそちらにした。
屁を借りて歩く発想がやはり凄い。
傷寒論はガセかと思ったら後漢時代に出来た本当の医学書で、漢方のバイブル的存在だって、更に転失気もちゃんと書いてあるんだって…凄いね。
独演会終了後、新大生に「正岡子規の俳句は、柿喰えば…の方がポピュラーでは」と言われ、納得仕掛けたが、あんまりポピュラーでも直ぐに分かられちゃうと淋しいので、辞世の句のまんまで良いかな…かな…?
結局柿喰えばにしちゃった。
☆サゲ~「あんな嘘をついて何とも思わないのか」「屁とも思いません」
本来は「医者方では転失気は放屁ですが、寺方ではお杯ですか」「重ねるとぶーぶーが出ます」
□和尚・珍念・医者・花屋・花屋妻・石屋・石屋妻…7名
78『白昼の交差点』23.4トライ 23.5.21初演(退公連の会)
職場を退職して今までの縛りが取れたので新しい感じの新作が出来るのでは?と思って作り始めた自分自身の新作。
№57の「交通安全落語」も落語的な形(熊さんが隠居さん宅を訪れて交通安全について教えて貰う)での創作だけど、どうしても交通安全のためになる内容にするため面白みが無く、新しい内容を盛り込めず、結局地話にした訳で、
○警察官を馬鹿にしたくない
○一般市民を余り悪く言いたくない
○嘘はつかない
○ためになる内容にしたい
と言う四大縛りが無くなれば普通の落語っぽく登場人物を動かせるのではと思った。
設定は交差点で街頭監視する新米警官と歩行者等との絡み。
今まで作った交通コントなどを念頭に爺さんに全部任せようと思ったが無理が出たので、五人廻しを参考にテーマ毎に人を替える方式を選択した。
一人目は、ヒステリックおばさん。これはすんなり決定。
会話を作っているうちに、「なんで連絡がないの?きめ細かい行政サービスしなさいよ」とか「誰が作ったの?いつ?」とかが自然に出て来た。
二人目はおじさんにして、「公僕を知っているか。しもべだ、しもべ」「屋敷しもべですか?」とか、「青が点灯」「転んだのか」「それは転倒」とか「黄色は注意喚起」「どこの窓を開けるんだ」「それは換気」みたいな言葉遊びを考えた。
さらに「緑なのに何故青だ」ってのも持ってきたが、イマイチ理屈っぽくなったのでこれは全部カットした。
で、二人目は小学校1年生にして、今までやっていた「信号の見方」をやらせて、更に、ここで緑と青の説明をと思ったが、これまた笑いが取れないと思ったので信号の見方だけで止め。
三人目に90歳の爺さんドライバーを持ってきて、手が震えて免許証が出せないとか運転したまま死ねたら本望とか、今まで使っていたギャグを入れていたら、「ハンドル握ると震えが止まる」ってギャグが出来た。
四人目に高飛車なおじさんを持ってきて、「疲れたのでPCで送れ。公僕だろう」って「公僕」のギャグを使えるようにした。
最後の五人目を酔っ払いのおじさんにして、「車運転して帰る」って言わせて、酔っ払い運転の危険性を警察官に語らせていたら「運転とゴルフは一緒。だから運転手をドライバーって言う」ってギャグが出来た。
その後、酔っ払いのおかあちゃんが出て来て、こちらは新潟弁で「車は持っていない。おまわりさんが大好きで嘘ついてかまって貰う」って事にした。
今後は酔っ払い検問のエピソード集でもう一つ作れるかな??って感じ。
23.5.21に今まで3年連続で呼んで貰っている退職公務員の会でやったらそこそこ受けた。
公務員は多かれ少なかれ、志の輔師作の「緑の窓口」的な扱いは経験しているので、共感を呼んだのではないかな。
その後出来るところではやるようにしていたが、絶対うけると思った糸魚川署での口演で無反応で参った。
一度捨てた、「緑信号なのになぜ青?」と、「点灯と転倒」「注意喚起と空気換気」のギャグをどうしてもやりたくて、小学生の後にお婆ちゃんを入れてみた。
ほのぼの寄席の3日前に入れたので、最後まで婆ちゃんのキャラが決まらず、標準語にしようか、新潟弁で行こうか、可愛くやるか、不思議な婆さんにするか、嫌みなのにするか、結局決まらぬまま、本番へ。
ちょいと中途半端だったけど、ほのぼののお客様にはお認め頂いた様で、今後どうするかは口演しながら考えます。
お陰様でこのネタで平成23年9月18日大阪池田市で開催されました「第三回社会人落語日本一決定戦」で準優勝させて頂きました。
この大会を意識して作った部分もあるのだけど、不思議なことに婆さん抜きで丁度決勝戦用の12分に、更に高飛車おじさんを抜くと、予選用の10分になっていました。
三枝師匠からは、構成がしっかりしていて山場もあるし後半の盛り上がりもあるしテンポも良いし、敬礼も上手いし…敬礼は当たり前…と過分に誉めて頂いた。
ちょいと落語の神様が降臨してきたみたい…第二回名人虎や志さんに言わせると、そう言うことって有るらしい…。
でも、二度と降りてこない気がする…虎や志さんはまた降りてくると言ってくれたけど…。
その後シートベルトのおばさんを2人入れた。
これは私が十日町にいた時にやっちゃった実話を元に作りました。
現実は叱られずに笑って許して貰えましたが…。
☆サゲ~「これは家の鍵です」「そこにキーがつかなかった」まあ、つまらない地口オチですが、分かりやすいと言う事で…これもスンナリ出来た。
□警察官・おばさん・小学生・爺さん・高飛車親父・酔っ払い・かあちゃん…7名(婆ちゃん出れば8名、ベルトを入れると10名)
77『五人回し』 22.8トライ 23.4.23初演(ほのぼの寄席)
志ん朝師のDVDを見て突如やりたくなった噺。東志郎君から、雲助師のテープを貰い、他に円生・志ん生・さん喬師のモノを聴いて一度は覚えたが挫折…何となく乗り切れない…。
4月のほのぼののためにと3月になってから再チャレンジし組み立ても再構築。
江戸っ子は、さん喬師の落書きギャグを入れ、オリジナルとしてドップラー効果や背後霊を入れ、二番目に田舎者を入れて木兵衛大尽との間を開け、三番目を気味悪男にし、四番目の男に「正しい号令のかけ方」「詐欺罪の構成要件」「迫撃砲」などをぶち込み、最後に木兵衛大尽にしてみた。
4月に入って突如スラスラと口に乗るようになった。「三方一両損」「蒟蒻問答」などもそんな感じだった。
退職後初のほのぼのの高座で掛けた。不安が結構有ったが、思ったより受けたので幸せ。
吉原や回しの体験が無くとも…有るヤツはほとんどいないって…若干の説明さえ加えれば何の問題も無いと思う。
☆サゲ~旦那も一緒に帰って下さい。
□喜八・江戸っ子・田舎者・変態・軍人・来瀬川・木兵衛…7名
76『もう半分』トライは不明 22.12.27(ほのぼの寄席)
志ん生師の本で読んでぞっとして、いつかやりたいと思いながら、なかなか掛ける機会が無かった。
小三治師+志ん朝師…志ん生師を参考。
爺さんを常連にしたのは、志ん朝風。
裕福になってから子供が生まれるのは小三治風。
親父と爺さんの立ち回りで、戸を閉めようとして、手を突っ込んで鼻っ柱に拳が当たって、カットして心張り棒で突いたって形にしてみた。
親父は、やはり後を追わせたが、爺さんも気付いたら飛び込まないかも知れないと思い、風で声が聞こえなかったとしてみた…。
三条月一でもやってみたが、最後に必ず笑う人がいる…怖がってないのかな?
☆サゲ~もう半分。
「下さい」は不要だと思う。
□親父・女房・八百屋の爺さん・乳母…4人
75『明烏』22.8頃トライ 22.10.27初演(新津公民館)
若旦那が上手く出来ないし、艶笑さんもやるので、全くやる気はなかったけど、中島先生から、公民館のイベントで、朝川玲伎さんとのコラボで是非やって欲しいとの依頼が有りトライ。
やはり志ん朝師だろうと、志ん朝師で憶えて、文楽師も参考にした。
甘納豆は悩んだ末やってみた…中島先生がお客様に甘納豆を配っていたので、やって良かったと思った。
吉原のシステムなどをマクラで結構話して始めた。
何回も吉原は歩いているので、今の状況の説明も出来るので楽しい。
なんだかんだ入れ事をしたが既に憶えていない。
その後ほのぼの寄席で掛けたが、なかなか掛ける機会と勇気が無い。
☆サゲ~帰れるモノならお帰りなさい。大門で止められるから。
好きなサゲです。
□父親・若旦那・源兵衛・多助・茶屋のおかみ・おばさん・花魁…7名
74『あくび指南』22.4トライ 22.6.19初演(さん喬独演会)
30年以上前に楽庵さんのを見て面白くって大笑いした。その後寄席では何回も聞いている。
あくびを稽古しようと言う発想は凄いと思う。
さん喬師匠の独演会でやるネタに窮して、ふと出来るなと思ってチャレンジ。
志ん生師のはシンプルであったが、小三治師のものが「四季のあくび」などの入れ事が多く、これをベースに春のあくびを創作し、細かいギャグを入れ込んだ。
あくびの師匠をゆったりやれば30分くらい掛けられる噺だなと思う。
DVDを録っていないので、オリジナルギャグを覚えていない…
☆サゲ~お連れさんの方がご器用だ。見ていて覚えた。
□八五郎・仲間・師匠…3名
73『死神』21.12トライ 22.3.6初演(荻川中野寄席)
昔々六代目円生師を聞いてやりたくてやりたくて、だったけどズットやれなかった噺。
噺ほとんど入っていたので覚えるのは楽だった。
死神の申し合わせを、「死神職務執行規則」と変えてみた。
円生・志の輔・談志・小三治各師を聞いて、小三治師ベースで地の部分を少なめにして作った。
昔々、男が死神をいじめ抜いたいじめっ子でその復讐にやって来たと言う気持ちをロウソクの部屋の会話で現したかったがどこまで分かって頂いたか。
サゲは、燃えさしに火を付けた男がこれ見よがしに死神に見せつけて、死神を「バ~カ」を誹謗し、得意の絶頂になった時点で死神が火を吹き消して復讐を遂げると言う形にしてみたが、どこまでご理解頂けたか?
看板を「いしや」と書いたので、訪ねてきた手代(文七と言う名前にしてみた)が「石屋」か「医者」かと聞くギャグを入れてみた。
☆サゲ~仕草オチでバッタリ倒れる。
□男・女房・死神・最初の手代・番頭・主人・二度目の番頭・主人…8名
72『鮑のし』不明・不明
志ん生師と先代柳朝師で覚えて一回、水原の定期口演でかけた気がするが日は不明。
今は全く出来ない。受け玉川へ行きますか…が大好き。
☆サゲ~「杖を突いている杖突のしは?」「鮑のおじいさんです」
□甚兵衛・女房・魚屋・大家・頭…5名
71『くしゃみ講釈』21.1トライ 21.8.22初演(ほのぼの寄席)
慎楽が十八番にしていた時期があったので全くやる気がなかったけど、講釈の修羅場がやりたくなって、枝雀師の音を元に、権太楼師・雲助師を混ぜた。
昔聞いた慎楽の物が気になり、参考までにビデオを見てみたが、思った程大したものでは無かった。
権太楼師のもイマイチだし、一龍齋低能というギャグも嫌い。後藤一山で良いじゃないかな。
雲助師のは講談部分を忘れてボロボロ。しかし、覗きからくりの歌が「梅干しの歌」のメロディーなのが面白くパクリ。
結局、枝雀師の物を江戸弁に直してやることにした。
故障のサゲは変えたかったけど、余りに重要な部分なので、マクラで説明して逃げることにした。
あんなに忘れっぽい男が覗きからくりを覚えている訳がないので、忘れっぽい人間ではなく、みい坊に振られたショックで健忘症になった事にした。
21年8月20日の江戸徘徊で、小伝馬町に行き、犬糞を踏みそうになり、両国橋西側で胡椒の粉を売っている店を発見。嬉しかったな。
その他、「ヤン坊症、いえマー坊症」「天気予報か!」つまらないけどね。
☆サゲ~「何か故障でもおありか」「胡椒がないから唐辛子くべたんだ」
口男・兄貴・八百屋・後藤一山…4名
70『付き馬』19.8トライ 19.10.27初演(ほのぼの寄席)
志ん生師の音を聞いているうちに何となくやる気になって、志ん生ベースに志ん朝師の本を足して覚えた。
今までの徘徊で、吉原から雷門までの道が見えていたのでその辺は楽しく出来た。
いかに若い衆をごまかすのかが問題だけど、そこは原作どおりにし、朝の吉原の情景とかにオリジナリティを出してみた。
しかし、9月14日に顔面麻痺にかかり初演時はまだ調子悪く「かっぽれ」が言えなくなって苦労した。
☆サゲ~「一文も無いよ」「一文も無い、おい、若い衆、吉原まで馬に行け」
□~若い衆・客・早桶屋…3名
69『唐茄子屋政談』19.5トライ 19.8.25初演(ほのぼの寄席)
仲蔵を断念したので次回作品はと考えていたら、アパートにさん喬師の「唐茄子屋…」のCDがあり、速攻で決定。まあ20歳代にやりたいネタの中にあったので、必然と言えば必然。
さん喬版に志ん生音・円生本・志ん朝本を参考に作った。
マクラは「売り家と唐様に書く三代目」で始まるオリジナルを作った。
唄は結局唄えなかったので、唄の文句が覚えられない若旦那にして、「じゃあ口移しで教えてあげる」「口移しなら別の物の方がいいよ」「ばか~ん」というパターンにした。
サゲは、大岡越前の守を出して、「立派な商人になった後日談はまた別の機会に」と講談風にしめてみた。
とにかく、おかみさんが難しい。誓願寺に行ってからがガラリ感じが変わるのでテンションを落としたくないが難しい。
初演時は、叔父さんが唐茄子を前に叱りつける所が、組み立て不足でイマイチだった。
兎に角、田原町の兄いが大好きで格好良いし、叔父さんが、徳が出て行く時に「豆腐屋入って来るな、出ってたら買ってやるから」という所も好き。
6月の亀田さん喬独演会でおやりになったんで、止めようかと思ったけど、やって良かった。
さん喬師は19年6月の「唐茄子…」は満足していなかったようですが。
☆サゲ~「立派な商人になった後日談はまた別の機会に」楽々流
□~徳三郎・叔父さん・叔母さん・兄い・源ちゃん・おかみさん・大家・隣の婆さん・長屋の男…9名
68『中村仲蔵」19.4トライ 22.2.27初演(ほのぼの寄席)
とにかく昔から正蔵師のを聞いてやりたくてやりたくて、小説「仲蔵狂乱」も読んだし、円生師・さん喬師のを聞いて、いつか何とかと思っていたのです。
忠臣蔵なら、暮れだろうなと思っていたら、円生師の噺では、問題の公演は、ある年の8月の出し物だと言う噺で、それなら8月でも良いのではと思い、稽古を開始しました。
円生師の説明を中心に正蔵師のを入れ、お参りの神社はさん喬師のを頂いて三囲神社にして、途中で立ち寄るお蕎麦屋さんの名前を稲葉にしちゃって…一応さん喬師匠にはお断りをしましたところ、了承のうえ、三囲神社=お稲荷さんは芸人の神様なんだと教えて頂きました。当然サゲはさん喬師。が、しかし、難しい。円生師のは台詞がほとんど無くて、語りが多すぎるし、正蔵師のは簡単すぎる。と言ってさん喬師のは感情表現がきつすぎて、苦しい。
21.8.20柳島の妙見様をお参りに行きまして次回はと決意も固くしましたが、結局延期。
「仲蔵狂乱」を読み直し、浪人の名前を飯野藤三郎と婿さんの苗字に祖父の名前を合体させ、「真似出来るものなら真似してみな」と物わかりの良い奴にして見た。
歌舞伎全般のウンチクと忠臣蔵のウンチク、仮名手本忠臣蔵のウンチクなどなどを入れていたら1時間20分くらいになったが、歌舞伎のウンチクを中心に相当カットしてなんとか1時間にして22年2月の「ほのぼの」で初演。
結構気持ちよく出来たし、お客様も付いてきてくれた。2回目は中野かな…。
☆サゲ~「狐につままれたみたいだよ」「ああ、お参りしたのがお稲荷さんだ」
□登場人物~仲蔵・女房・浪人・蕎麦屋・師匠・若い衆・おじさん・若い男…最低8人
67『富久』トライ18.8 初演19.3.3(荻川中野寄席)
荻川用に志ん朝師のを覚えた。八代目文楽を聞いてもピンと来なかったけど、志ん朝師のは面白かった。
小三治師のは、久蔵が酔った後が嫌で、ほとんど取っていない。
場所についても、志ん朝師の久蔵=浅草三軒町・旦那=芝久保町・神社=椙の森神社
・番号=鶴の千五百番、でやっている。くじ売りだけは、吉兵衛さんで小三治版。
浅草から芝は確かに遠いけどね、だから長屋の衆は見に行くのを止めるんだし、旦那も感動するんじゃないかな。
まあ、「横山町の旦那」より「久保町の旦那」の方が語呂が良いのね。
19年2月3日、椙の森神社へ行ったが、あまりの狭さにビックリ。江戸切絵図でも狭いのだが、湯島天神や富岡八幡宮なら解るんだが、あんな狭い所に沢山集まったのかしら?
でも「富塚」も確かにあったし、間違いはないんですよね。
しかも、その晩の池袋のトリで市馬師が偶然「富久」をやってくれたので大感激。
「何処行くの」「家に帰るの」「もうないよ」をパクリ。
「女と一緒にうずくまっていろ」も頂き。
噺の中の疑問は、あんなに酒癖が悪くちゃあ幇間は勤まらないと思うんだけどね。
だから、小三治師より志ん朝師を取りました。
それと、隣の海苔屋の婆が火元なら、頭は何も持ち出せなかったろうから、私は隣にはしていない。
☆サゲ~「大神宮様のお陰ですので、方々にお払いに参ります」
とても良いサゲとは言えないけどねぇ。
□登場人物~久蔵・吉兵衛・長屋住民A・B・旦那・神社の男・頭…最低7人
66『棒鱈』トライ18.6・初演18.8.26(ほのぼの寄席)
さん喬師のを亀田で聞いたのが初聞き。九州の紫よいさんが「面白い・面白い」と言うのでやって見る気になった。
サゲが分かりにくいので変えてみた。
酔っ払いが嫌なヤツで、逆に薩摩武士の方が好人物のようだ。
「琉球節」がなかなか覚えられずに、苦労したが結局微妙に違っていると思う。
紫よいさんからDVDを貰って、「百舌のくちばし」のフリが分かった。
「赤ベロベロの醤油漬け」「イボイボ坊主のスッパ漬け」は、聞くと面白いが、やると受けなかった…下手…yes。
導入の酔っ払いの独り言を少し変えてみた。
九州の酔書さんもおやりになるそうだが、聞いてみたい。
菊之丈師が、ほとんど同じでやったのに、全く面白くなかった。
☆サゲ~「二階の騒ぎはどうなった」「大丈夫です。今コショウが入った」
全く分からないだろうから
「二階の騒ぎはどうなった。痛み分けでも良いから上手く納めてくれ」
「大丈夫です。今胡椒が入ってクシャミ分けになりました」と変えてみた。…決して良くはないけど分か りやすいんじゃないかな…
□登場人物~酔っ払い・寅さん・武士・姉さん芸者・芸者abc・板前・女中・旦那…10人
65『粗忽長屋』トライ不明・初演も不明…水原で1回やっているはずだが記録がない。
五代目小さんが絶品で、談志家元がうんちくを垂れていたのでトライしたような記憶が。
どうやったかについては、全く覚えがない。ほとんど基本どおりだと思う。
談志家元の言うように粗忽と言うよりは思いこみの激しいヤツなんだろう。
自分の周りにも似たようなヤツはいるという落語の典型。
喬太郎師のをDVDで見て、またやりたくなってほのぼので掛けた。
喬太郎師のはほとんど台詞を変えていないのにメチャクチャ面白かった。
で、無性にやりたくなってほのぼの寄席で掛けた。
三宅裕司が伊東四朗を評して「台詞の中身は変えないけど、毎回言い方を変えてやり方を変えてくる人」と言っていた。凄い人は凄い。
☆サゲ~「抱かれている俺は確かに俺なんだけど、抱いている俺は一体誰なんだろう」
□登場人物~八・熊・世話人・野次馬…5~6人
64『御神酒徳利』17.12トライ 18.3.11初演(荻川中野寄席)
昔、先代三木助師を聞いたのか、円生師を聞いたのか覚えがないが、やりたい噺に入れていたと思う。
舞台の刈豆屋は実在の旅籠。
円生師の音はあったが神奈川宿で終わっており、円生師全集には全編載っていたが、やる気にならなかったものの、17年に深夜放送で先代三木助師のを聞き突然やりたくなって、藤志郎氏から先代三木助師の音を貰って、良い所取りして覚えた。
円生師は善六さんは子持ちになっているが、先代三木助師は夫婦のみ~私は先代三木助版。
下女の名前は円生師がお鍋、先代三木助師がおもよ~私は円生版。
女房の父親のあだ名はどちらも「熊谷先生」だが、今の人にはとても意味が分からないだろうから、私は「招き猫」…運は来ないが客も来ないから往来の人間を招く。
「そろばんに分からなければ明日の晩」…円生版・好きなギャグ。
でも、下女を呼んで叱ってから徳利を出すという持って行き方は先代三木助版。
鴻池のご支配が標準語は先代三木助版。
途中で家に帰って、夜逃げしようも先代三木助版。
神奈川の新羽屋宅のおもりものや何かは先代三木助版、下女の入り方は円生版。
大阪は当然先代三木助版。江戸に帰ってきてからも先代三木助版だが、サゲは円生版。
40分くらいあるがスムーズに覚えられた。
稲荷の言い立てが、稽古では間違わなかったのにネタ卸しの本番で危うくなった。
松代でかけた時、「人情話は良いですね」って言われちゃった…喜んで良いのか…。
☆サゲ~円生版…(地に戻って)鴻池の援助で旅籠屋を始めて暮らしが桁違いになりました。使ったのが算盤だから。
先代三木助版…「これも稲荷大明神のお陰だね」「いや、カカア大明神だ」
私…妻「これで明日から暮らしが桁違いになるね」
夫「そりゃあそうだ、使ったのが算盤だから」
□登場人物~善六・刈豆屋主人・女房・鴻池支配人・新羽屋女将・おきん・新羽屋稲荷…7名
63『三方一両損』17.11トライ・18.2.25初演(ほのぼの寄席)
サゲがつまらないのでやる気にならなかったが、小泉が行革の際に使ったのでいつかはと思っていた。
脳天気な江戸っ子同士のやりとりで、他愛ない噺。
そんなヤツはいないんだろうが、つまらないところで意地を張る落語国住人の典型的な噺。
志ん朝師の本があったので、藤志郎君に音をお願いしたら、先代可楽・故右朝と更に珍しい小金治の音を頂いた。
小金治は自慢話が長く、その部分はカットしたが、噺はキッチリしていた。右朝はそれほど良いとは思わないが、志ん朝師流ががやや偲ばれる。
残念ながら先代可楽は滑舌がはっきりせず、参考にならず。
結局右朝をベースに志ん朝師本と小金治を頂き、「ライブドア」ネタと小泉ネタを付けて完成。
始めは全く台詞が乗らず、タンカも切れない有様で、諦めようかとも思ったが、徐々に自分のモノに出来た。
平行して覚えた御神酒徳利は何の問題もなく口に乗ってくれたのに、ス~っと無理なく入る噺となかなか口に乗らない噺があるが、不思議である。
「ほのぼの」でも無ければオクラにしていたと思う。
吉公と金太郎が全く同じキャラなので困った。吉公の声をやや高めにやったが、途中で訳が分からなくなった 大家さんは同時に出ないから全く同じトーン。
吉公の住まいが志ん朝師版は、小柳町・小金治版は縦大工町、私は縦大工町にしたが、大工調べの棟梁と同じ住所で混乱しかけた。
☆サゲ~「多かぁ喰わねぇ」「たった一膳」
奉行所で飯をご馳走するわけもなく、無理があるし、つまらないサゲ。
と言って新たなモノを作るほどでもない。
□登場人物~吉五郎・金太郎・大工町大家・白壁町大家・同心・大岡越前・町役人…7名
62『子別れ上・中』17.3トライ・17.10.22初演(ほのぼの寄席)
ほのぼのでリレー落語をしませんか、と艶笑さんに投げかけてから覚えた噺。
上の部分は本で円生師バージョン他を覚えたが、口演後に見たら小三治さんのMDもあった…でも今更と思って聞いてない。
中の部分は小三治バージョン。女郎をやるのが嫌で身請けするまでで艶笑さんにタッチした。
謝ったり居直ったり、酔っ払いに良くあるパターンなので逆に好きになれない部分ではある。
一人で全部やると1時間を超えちゃうし、しびれも切れるだろうから出来ないな。
61『金玉医者』17.2トライ 17.6.25初演(ほのぼの寄席)
談志家元を聞いてやる気になった。講談社本で読んだ記憶があり、サゲだけは覚えていたが、導入部分が全て談志家元のオリジナルで面白かったのです。
医者が、「幽霊の辻」の婆さんとキャラが被っていると言われたが、似ているな。
談志家元の高崎の知り合いがモデルとか。
私は最初の医者を小泉純一郎風にして、「対話と圧力」「しかるべき時…」などと言わせてみた。
短い噺だし、内容が内容なので今後やる場所があるかなと思ったが、18年7月16日新居浜市の「どんでん寄席」で、主催者の虎や志さんからのリクエストで、これでトリを取った。
その数日前にテポドンが飛び、万景峰が止められたりしたので、「しかるべき時」がちょっとやりにくかったが、小泉藪一郎の後継者として、安部藪三やら福田藪雄やらも入れてみた。
結構受けたので良し。
18年8月5日池袋での小三治さんの俳句「金玉の様に椰子の実覗きけり」は、これに使えそう。
☆サゲ~「全部見せた?薬が効きすぎました」
良くできたサゲだと思う。
□登場人物~旦那・妻・熊・医者…4人
60『黄金餅』16.9トライ 16.12.25初演(ほのぼの寄席)
平成9年、警大入校時のとある日曜日に言い立て通りの道を歩いてみた。
完全には覚えていなかったので、愛宕山から天徳寺に抜ける部分を落としてしまったのと、曽溪寺や西福寺まで行ったが結局「絶江坂」の標柱に気づかなかった。
「笑芸人」に言い立ての特集があり「絶江児童公園」の写真が載り、インターネットで検索したら「落語の舞台を歩く」に出っくわし、16年8月「円朝まつり」の前日に芝浜~井戸の茶碗ルートを回った後、麻布に行き「絶江児童公園」を発見。
郵便屋さんに「絶江坂」の位置を聞いて標柱を発見。7年前に通った場所なのに何故見つけられなかったのか…。
逆コースで麻布十番へ。このとき「暗闇坂」について名前の由来を標柱で確認しただけで下りなかったばっかりに、17年に「タモリの東京の坂道美学入門」を読んで再度行くことに…。
更に、18年3月の左龍真打昇進パーティーに行く前に、愛宕神社から天徳寺へ抜けるコースを歩く予定が、紫よい姫との話に夢中になって愛宕神社に気づかず通り過ぎたせいで、無駄な時間を費やし愛宕神社のみの確認に止まった。
18年7月12日、東京への会議の前に、愛宕神社から天徳寺を見て神谷町から飯倉の交差点に行った。これで足かけ9年の夢が繋がった。
その他、桐ヶ谷の葬祭場にも行ってみたい。
昔、慎楽がやっていて、暗い噺でやる気に慣れない噺だったが、言い立てを歩いたものだから結局やりたくなって、志ん朝師のCDで覚えた。
ほのぼのでネタ卸し。言い立ての後に自分が歩いた時の思い出をくっつけてやってみたが、言い立てはほとんど受けず、解説の方が評判が良かった。
ウケが心配で初めての所ではやる勇気の出ない噺である。
落語の願人坊主は必ず西念って言うみたい。
☆サゲ~「この金で目黒に餅屋を開いて繁盛したという黄金餅の一席」と地終わる。
志ん生師が講談から持ってきた噺と何処かで読んだことがあるが、円朝関係の本を読んでいたら、円 朝作とも出ていた。ビックリ。
□登場人物~金兵衛・西念・大家・和尚・長屋の留さん(長屋の衆で声を出すのは1人だけ)…5人
59『化け物使い』16.9トライ 17.8.26初演(ほのぼの寄席)
17年3月の中野寄席でやりたくて覚え始めたが、どうしても「井戸の茶碗」をやりたくなって後回しにして、ほのぼのでネタ卸をした。
昔、慎楽がやっていて、余りおもしろくない噺だとおもったけど、志ん朝師のモノを聞いてやりたくなった。
のっぺらぼうに対する「良いんだよ目鼻なんか無くたって。なまじあるばっかりに苦労してる女なんか山ほど居るんだ」が良いね。
のっぺらぼうが針に糸を通すのを見て「どっかから見えてんだ」も好き。
杢助に言いこめられて「そうかい、そうかい」と素直になる隠居も良いね。
千束屋のオープニングの職の斡旋場面で、「百川」の百兵衛さんと「文七元結」の鼈甲問屋近江屋さんを入れてみた。
☆サゲ~「お暇をチョウダイしたい。こんな化け物使いの荒い人は初めてです」
志ん朝師ので「お暇をチョウダイしたい」でサゲかと思って拍手が起きた。
私は逆にして「あたしも長い間化け物をやってるが、こんな化け物使いの荒い人は初めてです。どうぞお暇を頂きとう存じます」で落としている。
□登場人物~吉田の隠居・杢助・狸・千束屋の番頭・百兵衛…5人
58『幽霊の辻』16.5トライ 16.7.24初演(ほのぼの寄席)
枝雀師を聞いてどうしてもやりたくなって、いじってみました。男を江戸弁、婆はメチャクチャ言葉。まあ田舎モノだから関西弁にする必要もなく、元々枝雀師のもどこの言葉なのか不明。名古屋弁も入っているような。
「お日イさん」を「お天とさま」、無名の森の名は「まっくら森(byみんなの歌)」、「父追い橋」を「テテ追い橋」…権太楼師も同じにしていて感激…にして、サゲを地に戻さず「それでは私を人間だと思うてか」と幽霊になって男に「消えた」と言わせた。
庄屋さんを2階から庭石に飛び降りさせた…。
権太楼さんの「堀越村に行くんですか???」の呆けは好きなんだけどな。
「木は切らないけど与作言います」は、我ながら好きなフレーズ。
権太楼師のテーマパークにはしたくなかった。私は婆も幽霊一族という設定。
「ほのぼの」でのネタ卸しで客が引くのではと思ったら爆笑でホット。太田先生が「今までので一番良い」とお褒めの言葉…複雑。YOKOTA嬢「婆さん最高・大好き」と絶賛。
余勢をかってFUKUYAでやったら、大潮以上の引き…完全に怪談になってしまった。 でも「怖かった」との評判で、それはそれで、まあ…良しかなと。
婆さんが金玉医者に似てきていることにおぎかわ寄席で気づきました。
☆サゲ~「消えた…」枝雀師は「女はすっと消えました」権太楼は「出口はこちらです」
H18.7.1鹿沼でかけた。評判は良かったが、サゲがイマイチと言うことで、三重の栄歌さんらと新サゲについて検討した。
栄歌さんのサゲ
松の陰から女の幽霊が出る。
男~よお見たら、茶店の婆やないかい。17~8の娘と違ごたんかい。
婆~幽霊も百年もやってたら歳を取るもんやってこと、ちょっとお知らせしておきます。
発想は面白い。
どうしても怪談として終わりたくて悩んでいる。
その掲示板を原作者の小佐田定雄さんが見て、感想を書いてくれたのでみんなでビックリ。
猿の助さんが婆は死んでいたって下げたって聞いて
堀越村の庄屋さん宅へ着いて
庄屋~ 「変わった事は無かったか?」
男~ 「峠の婆に変な事言われた」
庄屋~「あんたもか。あれはみんな嘘だ」
男~ 「やっぱりか。帰りに張り倒してやる」
庄屋~「そりゃ無理じゃ。あの婆は5年前に死んでます」
ってのも考えて、現在はそれでやっております。
□登場人物~男・婆・女…3人 (最初の新サゲだと2人、現在は女の代わりに村長で3人)
57『宿屋の仇討ち』14.9トライ 15.3.8初演(荻川中野寄席)
昔、藤志郎君がやったイメージが強くてやる気はなかったが、小三治師のが面白くてやる気になった。
長い噺でだれる気もするし、惨殺場面がリアルで客が引くかなという気もしていた。
小三治師の「しゃれだ。しゃれ」の一言は凄い。
客3人のキャラの演じ分け、誰が誰だというのと位置関係が難しい。
源兵衛と多助ともう一人という感じだが、ごちゃごちゃになっている。超元気(初めに上がる)、やや元気(2番目)、普通(3番目)で、普通が源兵衛で行司役かな?。
☆サゲ~「何で嘘を…」「ああしなければ、わしがゆっくり眠れんではないか」
まあ、ネタバレはするが、順当なサゲ。
□登場人物~客A・B・C・伊八・武士…5人
56『抜け雀』14.3トライ 16.3.13初演(荻川中野寄席)
古今亭のお家芸だけど、初めて聞いたのは30年前の憚郎君。お陰でつまらない噺だなという印象しかない。でも「ニュー相模屋ホテル」は憚郎君から聞いたと思う。
平成4~5年に中央署の当直時に志ん朝師のをテレビで聞いてあまりの面白さにビックリ。その後さん喬師のを聞いて、だめ押し。
当然志ん朝師ベース。雀を書いた後の力の入れ方はさん喬師。
吉朝師が「親子…道理で言う事が似ています」…パクろう。
近所の親父が集まって相模屋がストレスでおかしくなったので同情するという形を作って入れた。
17.2「ほのぼの」で肺炎の病み上がりの時に初めてかけた。
☆サゲ~「親を籠かきにした」
単純な地口の割に良く出来たサゲだと思うけど。ただどうにもスッキリ言えずに「親を」の後で 引っかかるので困っていたら志ん朝師が「大事な親を籠かきにした」と言っているのを聞いてこれ だと引っかからないので良いので頂きましょう。
□登場人物~絵師・相模屋・妻・近所の男A・B・客・大久保加賀守・老絵師…8人
55『子別れ』13.9トライ 14.3.9初演(荻川中野寄席)
女が出来ない、子供ができないで、やれなかったのに、やれそうな気がしてやった。
小三治師ベースで、今まで聞いたものを入れたり、さん喬師のを入れたりしている。
亀は泣かせないようにした…泣きが出来ないから。
八百屋は外せない。上手くやらないと面白さが分からないけど…。
「鰻喰ったことあるか?」「喰わせたことあるか?」聞いて当然だと思う。別れてからは食えるわけがないのだから、オヤジが喰わしていなければ喰ったことがないはずだ。
それ以前に喰わしていたと言うことであれば別。
五十銭を見つけて直ぐに疑う古今亭流はいかがなものか?どうしたのかやさしく聞くのが当たり前ではないか?ここで母親が泣かせるためにくどくやるのは好きでないので軽く流している。
志らく師が八百屋を出して来てサゲを言わせているらしいと聞いて、私も試みようと思ったが、煩わしくなると思う。
シンプルに三人で語らせた方が良いと思うけどな。
今の馬鹿女や馬鹿男に聞かせたい話。でも2回で十分。もうやらないと思う。
17年秋「ほのぼの」の4年目記念に子別れリレーを艶笑さんとやろうと思い、上中を短縮してトライ。
亀ちゃんか金坊(古今亭)か、靴かズック(さん喬師)か鉛筆(古今亭)か、独楽のケンカかチャンバラのケンカか。
やり方は色々あるんでしょうがね。最後は好み。
☆サゲ~「あたいがカスガイかい。だから玄翁でぶつと言った」
□登場人物~熊・番頭・亀・女房・鰻屋…5人
54『二番煎じ』13.7トライ 20.12.27初演(ほのぼの寄席)
志ん朝師が良くて覚えようと思ったが、清元が出来ず頓挫。登場人物も多く、猪鍋を食べるところのメリハリも難しい。中野寄席で楽笑がやったけどひどかったモンね。
清元がなかなか出来なかったが、何とか真似して「ほのぼの寄席」で初演。
10月に猪の肉を通販で取り寄せて食べて見たが、やはり美味くない。しかし、落語が言うとおり煮えたのをほおばっても熱くない…不思議。
☆サゲ~「もう一回りしてくるから二番を煎じておけ」
気持ちはわかるが、役人根性丸出しでね。
□登場人物~月番・伊勢屋・黒川先生・辰つぁん・宗助・尾張屋・役人‥7人
53『居残り差平次』12.11トライ 13.3.3初演(荻川中野寄席)
志ん朝師のが良くて覚えた。談志家元のはほとんど聴かないようにしている。サゲも変えようとしている姿勢は凄いが、新しいサゲはたいしたことはない…と思う。
「霞さんの良い人の勝つあん」へのヨイショの見事さ。「女が良くて歯も丈夫だ」っていう凄いヨイショ。「煙草でも買え」と乗っかる男の見栄…志ん朝師は凄い。
「坂の上からガラガラと車が下りてきてこの店の前にぴたりと…」「止まらない止まらない」も好きだがテンポが悪いのかイマイチ受けない。
「祝儀をタッタッタッタと切ってサッと帰るんだが、嫌なら良いんだよ」も好きだ。
「若い衆かい」「のような者で…」ここでも「のようなもの」って出てくるが、森田芳光の「のようなもの」は「居酒屋」の方だと思うけど…
17.6.18に品川宿を歩いた。「幕末太陽伝」オープニングのあの八つ山橋の陸橋を渡った感激。土蔵相模の跡地はコンビニになっていて、トイレ借りた。「三浦屋」という小汚い天ぷら屋を見つけたが明らかにその商売をしていた感じの店だった。路地から路地へ渡り歩き、祭りの稽古か笛の音が聞こえたり、楽しかった。
「幕末太陽傅」最高の落語映画。奇才川島雄三が凄い。小沢昭一らの副音声の入っているDVDを6千円以上出して衝動買い。
☆サゲ~「俺をおこわにかけた」「旦那の頭がごま塩ですから」
分かるわけがないサゲ。円生師が「おこわ」は「おお怖い」から来て「美人局」のことだと説明している
けど本当かしら。サゲが下らなくてやりたくなかった面もある。
で、「あの野郎は詐欺ですよ」「あいつがサギか。こっちはカモになった」
ってサゲを作った。
ありきたりの地口サゲだけど分かりやすいしサゲやすいと勝手に思っている。
知らない客はこういうものかと思って聞いているだろう。
□登場人物~佐平次・仲間A・B・若い衆・清さん・勝つぁん・霞・おキヨどん・客・旦那…10人
52『禁酒番屋』12.7トライ 13.5.12初演(本庁寄席・蔵)
慎楽の十八番なのでやろうとも思わずに聞き覚えていた。
あのころ聞いた話はやろうと思うと直ぐ出てくるから凄くて怖い。
近藤さんと番頭の話を少し膨らませて、首つりや「同志」呼ばわりをさせてみた。
交通安全講話で酒気帯び運転に対する注意をした後やっている。
「再吟味とさせていただきたい」と言わせたくて「取り調べ」でなく「吟味」としてみた。
番人の二人目は十日町のNさんがモデルだがイマイチ受けない。
☆サゲ~「ここな正直者め」(ここな)にこだわる人もいるがたいしたこと無いと思う。
イマイチ面白くないし落ちない。
□登場人物~番頭・近藤・小僧A・B・C・番人A・B…7人
51『寝床』11.3トライ 12.3.6初演(荻川中野寄席)
文七の後何をやろうかと迷って選んだ出し物。何となく出来そうな錯覚があった。
八代目文楽ベースに志ん生師のギャグを入れて談志家元で仕上げた感じだが、難しい。
長屋での会議は志ん生師風、番頭の説得に負けるのは八代目文楽をベースにしているが、「でございましょうが、と言う言葉もある」というのは五代目小さん師。
「ギダタン駄目」という子供とのやり取りは談志家元からパクリ。最近は抜かしているが…。
下手だが金は取っていないとか「節が付くだけ情けない(大好きなギャグ)」という小言を談志家元は最後に持ってきているが、私もこちらの方が盛り上がるような気がしている。
円生師の様に演題を並べても今の人には分からないし、覚えるのも大変なのでやらない。
慎楽は25歳くらいの時に、そこそこやっていたなぁと改めて驚いた。
荻川とFUKUYAの後お蔵にしようかなとも思ったが、又やりたくなっていた時にYOKOTAさんが一人芝居でやったので、ほのぼのでかけたら受けた。
十日町や新発田でもやっている。
☆サゲ~「あそこが私の寝床でございます」極めて有名だがイマイチ面白くない。
でも題名だし変えられないよね。
※公園のベンチで夜遅くアベックがいちゃついていて、浮浪者が見ているので「覗きかい」って聞いたら「あそこがあたしの寝床なんです」
□登場人物~旦那・重蔵・長屋住人A・B・番頭・頭・豆腐屋・長屋住人C・定吉…9人
50『文七元結』10.6トライ 11.3.6初演(荻川中野寄席)
やりたくても出来っこないと思っていた大ネタ。落語開始25周年記念でトライ。
基本は志ん朝師。師匠のは佐野槌のおかみが絶品。でも談志家元を聞いたらやっぱり談志家元風になっちゃったな。
導入は志ん朝師。佐野槌での下女との絡みは円生師参照。佐野槌のおかみは志ん朝師みたいに出来れば最高なんだけどね。
勝手な解釈だけど「芸者に出ていて旦那に落籍れて女将なった」っていう感じがヒシヒシと感じるんだよね。
お久のせりふは談志家元風にカット。談志家元もあの臭い芝居は嫌だったんだろうね
。泣かせる場面ではあるけど…私も恥ずかしくて出来ない。
吾妻橋の場面も志ん朝師なんだけど、苦悶の仕方だけ談志家元風。
近江屋での旦那と番頭の演じ分けは出来ていると自負しているが??
番頭にせかされて「さの次は」「佐の次のような名前です」「ああ佐野槌か」は私のオリジナル。似てないかな…。
酒屋で「ケンカを頼りに行ってごらん」は好きなギャグ。
カミさんを隠して近江屋とのやりとり中、心の揺れ動きは談志家元が好き。金を貰ってから喜ぶのも自然。「夕べから寝てない」も好きなギャグ。
親代わり・親せきにとの要望に対する「ハ~イ~??」は私の元部下A氏の癖をヒントに。
小梅の水戸様を最初青梅と思っていたが、江戸切り絵図を見ていて気が付いた。
ついでに枕橋を見つけて、嬉しくって、で、15年2月に歩いてみた。
ダルマ横町もほぼその辺りを歩いてみたし、路地に神社を見つけたり、あれは良い旅でした。
17年11月ほのぼので2年振りにかけたが、稽古不足もあり、「じゃあ、あっしはこれで。お久帰るぞ」の「お久…」の部分を忘れて、女将が「礼を言って行きな…」って言っちゃたから、預かる云々の部分をすっかり飛ばして、本当に帰ろうとしてから気がついて、一瞬このまま続けようかとも思ったけど、辻褄が合わなくなるのは見えているので、また再度長兵衛を座らせて、「大晦日までに金を返せばきれいな体のまま返す」ことを宣言したが、良く聞けば辻褄は合っていない。
しかし、一旦は身を売ったが、その後情けを掛けてくれたものとお客様は上手に誤解してくれて、粟食ってガタガタになっていたのは私だけで、お客様の中には結構感動してくれた方もいて、ほっとしたものの、正しい「文七…」では無いわけで、やはり失礼なモノとなってしまった。反省。
稽古で一度も間違えたことがない箇所であんな事が起きるとは、稽古不足か年齢のせいか。最後も「一席でございます」と終了すべきを「お笑いで…」と言ってしまった…反省。
最低。
☆サゲ~お久と文七が一緒になり、麹町で元結屋を開いて大層繁盛したという…
嘘なんですが本当らしく言ってます。人情噺なのでサゲはない。談志家元がサゲを作っているが、や や無理がある。そのままで良い余韻もあると思うが。
□登場人物~長兵衛・妻・佐野槌番頭・下女・佐野槌おかみ・お久・文七・近江屋・近江屋番頭・酒屋…10人
49『らくだ』8.10トライ 9.3.1初演(荻川中野寄席)
先代可楽師のは面白いとは思わなかった。円生師は最後までやるので好きではない。志ん生師と談志家元の合体。
談志家元に染まるのが嫌で、ギャグの確認のためわざと3回くらいしか聞いていないが、出来上がったらすっかり談志家元になっている自分が怖い。
子供の頃、いかりや長助が「らくだ」をやった映画を覚えている。半次はハナ肇。
談志家元版で、屑屋が「笑い上戸」「泣き上戸」「怒り上戸」と三段変化をするのが見事だと思う。
最後の爆発は志ん生師でやっている。
談志家元が、八百屋はらくだの死を知っている形でやっているが、時間の経過を考えれば当然であり、そこに気づいて直した談志家元は本当に凄い。
「ふぐは強いな~」とか「ふぐの記念日・ふぐの記念碑・ふぐ祭り」など細かい自前ギャグを入れている。
酔っ払いは性に合っているようです。替り目・妾馬・らくだ~皆好きです。
☆サゲ~「構うこっちゃねえ、死人担いで行ってカンカンノウ踊らせろ」
ここで切るのが良いと思う。
本来の「日本一の火屋だ」「冷やでいいからもう一杯」も嫌いではないが、ここまで持って行くのが大変 だ…と思っていたら、艶笑さんが権太楼師のバージョンで最後までやっている。
権太楼師の音源より遙かに明るくて、火屋にたどり着いてからの酔っ払い通しのやり取りは極めて楽
しい。私にゃ出来ない。
談志家元は「こぶだらけだ」「らくだじゃないか」とオリジナルなサゲ。
出来はともかく作るのが凄いと思ったら圓歌師の案だそうです。
□登場人物~兄貴・屑屋・月番・大家・八百屋…5人(らくだはせりふ無し)、最後までやれば+隠亡と願人坊主で7人
48『青菜』H4.8トライ H4.9.24初演(北部コミセン)
「新潟落語会十周年」の楽安さんのを聞いて覚えたバージョン。
楽安さんが突然「落語でございます」って始めるのが好きで身内では受けていたので、十周年でやって貰ったのに、本番では全く受けなかったんでガッカリ。
楽安バージョンの旦那が異常に面白く、癖になって抜けずに苦労している。
隠し言葉に感心して通りすがりの奴に「なあ」って話しかける部分が一番好き。
更に「ごみための上に石油流剤を撒く、その上をはさみ虫が歩いている姿などと言うものは涼しいな…」「暑苦しいや!!」も好き。
夏しか出来ないのでやらなかったが、新潟市横七の公民館でやったのが最初かな???
その前にもやったような気がするが記録がなく不明。
三十周年に楽安を偲んで(生きてるって)やろうかなとも思ったが、持ち時間が長くなったので止めて「ほのぼの」でかけた。
悪態をつきながらも亭主の見栄のために蒸し風呂の押入れで我慢をしているカミさんが可愛い。
落語国のカミさんはほとんどそうだ。亭主をコケにはするが亭主の頼みはちゃんと聞いてくれる。
☆サゲ~「弁慶にしておけ」
九郎判官義経が分かりにくい時代になってきているので仕込む必要があるのか。
上方ネタで、常におごって貰っている人間を「弁慶」と言うのだそうで(by船弁慶)、それもかけてあると 何かの本に書いてあったが…そうなのかな。
□登場人物~八五郎・旦那・奥様・通行人・カミさん・熊…6人
47『妾馬』H1.12トライ H5.3.6初演(荻川中野寄席)
円生師のが大好きで、新津で生も聞いたけど名作だと思う。
落語開始時の「いつかはやりたいネタ」の一つ。
記念すべき「荻川中野寄席」の旗揚げ口演のネタに選んだ。
何回稽古しても自分で泣けたが、19年目の荻川中野寄席と続いての船戸山寄席では結構冷静だった。
冷静な方がやはり良いのかも知れないし、感受性が惚けてきなかな?
屋敷の中以降は円生師のオリジナルだというのが凄い。
八公が屋敷に行くまでの間の円生師のせりふが気に入らずカット。
都々逸は、やりやすい唄に変えた。
井戸換えからの前半はあまりやってないし、無理になくても十分面白いが、時間があればやりたい。
自前のギャグは「じゃんけん」「蝦蟇のゲロゲロ」「ドロンジョ様」かな。
松代町で婆さんが「じょ~ずだね~」って言ってくれたのが嬉しかった。
さん喬師匠の「三太夫、良い友が出来たな」が好きなので入れたいなと思っている。
R1年12月に東京亀戸の口演で、サゲ寸前の「殿公」を、うっかり早めに言っちゃって…瞬時にアドリブでサゲ前を「なあ兄弟」に変えて事なきを得た。
そこで、いろいろ考えて
八~…まさか素面じゃ言いにくい、なんて、どうだい殿公
三~殿公と言うヤツがあるか。
殿~三太夫無礼講じゃ。そうか、それを都々逸と申すか。面白いのぉ。
八~面白い?嬉しいなぁ。こんなのもあるぜ。泣くが情か…♪ どうでぃ兄弟!
三~兄弟と言うヤツがあるか。
八~何を言ってやんでい。俺の妹の亭主なら弟分じゃねぇか。良いよな兄弟で。
殿~面白いヤツ、この者を召し抱えてつかわせ。
R2年2月のほのぼの寄席で発表したので、今後はこれでやろうと思ってます。
☆サゲ~「鶴の一声で八五郎が出世を致します」
地で落とすのがベスト。最後までやったってくだらないだけ。
□登場人物~八五郎・大家・門番・若侍・家老・殿様・お鶴…7名
46『交通安全落語』63.10.11初演(浦川原緑三会)
オリジナル。54年頃に当時の交通課長I氏からのアイデアで考えはじめ、62年昇任試験合格後、一線に出た時のことを考えて作成。
八と隠居の会話形式で作成。安塚時代、浦川原村緑三会席上で初演。
イマイチ受けず、幅も広げにくかったため、結局同じ内容を地話と小咄で繋げる現在の形に変化させて行った。
☆サゲ~「隠居さん、信号機の色って交通標語になっているんですね。赤…赤ん坊から高齢者まで、青…青くなるような交通事故に、黄…遭わないように気をつけましょう」
今でも交通安全の噺で行って、落語をやる時間がないときに小咄として時々使うサゲ。
□登場人物~八五郎・隠居
45『百川』62.6トライ H4.12.6初演(丸潟寄席)
慎楽のを聞いて覚えたバージョン。権助が出来ずにお蔵にしていたが、突然権助が出来る自信が出て来て亀田でやってみた。
権助も河岸の若い者もやっていて面白い。
「箸をなめるなら横になめろ」が好き。
長谷川町三光新道が、紅羅坊さんの住む長谷川町新道と同じとは気付かなかった。
17年に浮世小路に行ってきた。もちろん面影なんか何にもないが楽しかった。
円生師バージョンが基本だが、志ん朝師のも混ぜてやっている。
「化け物使い」に百兵衛さんをゲスト出演させてみた。
☆サゲ~「全部ではねえ。たった一字だ」 無理矢理つけたような面白くないサゲ。
□登場人物~百兵衛・番頭・初五郎・若い者A・B・町の者A・B・医者・医者の助手…9人
44『提灯屋』59.11トライ 60.12.22初演(長岡親子寄席)
艶笑さんから借りた小三治師のテープが面白くて覚えた。
パニックになる提灯屋のオヤジの性格が分からない。
はじめは長屋の若い者を良いようにあしらっていたのに、そのうち弱気になってくるのがイマイチ不明。
多人数出てくるのでやり分けるのが難しい。
上方でしか言わない方言がサゲになっているので、仕込んでいないと関西以外ではピンと来ない。
☆サゲ~「丸に柏だよ」「スッポンに鶏だろう」
□登場人物~隠居・提灯屋・兄貴分・貰ってきた男・うんちくの男・食い物屋の男・絵の男・はずみの男・字面の男・匂いの男…10人
43『雑俳』いつ覚えたか不明・60.5.19初演(水原口演)
いつ覚えたかは、「覚えた一覧」に載せ忘れたので不明。ほとんど艶笑さんのを聞いて覚えて、談志家元で確認した噺。
俳句は直ぐに覚えられたが、リン回しやどん歌七度返しがなかなか覚えられなかった。
サゲがつまらないので、艶笑さんは猫のニャオで止めているが、私はどこまでやったかも覚えていない。
俳句について、H9年に警大に入校した際の俳句クラブ主幹、森利孟宗匠に聞いてみたら、全部駄作だって…。
同じ事の繰り返しなので、やっている方が飽きてくるので、結構難しい噺だと思う。
やる機会もなく、1回きり。短く切れるのでちょっとした時、使えるなあと思うが、ちょっとした時っていつ?
☆サゲ~
□登場人物~八公・隠居・客…3人(途中で切れば2人)
42『湯屋番』59.11トライ 59.12.7初演(爆笑真打登場)
艶笑さんの得意ネタで聞いてて覚えたバージョン。
爆笑真打ち登場4団体決戦の時にかけただけで、艶笑さんにはかなわないと思い、以後やっていなかったが、ほのぼので掛けた。
嫌いじゃないんだけど若旦那がね…難しい…まあ、アップテンポでやればそれはそれなのかと思う。
自前のギャグは、ガッツポーズと「ブラジャーのフロントホック外すのが好き」と、東京タワーを使った飛行手段…かな
そぎ飯のこき飯辺りは好きですね。「しゃもじをペンホルダーからシェイクハンドに持ち替えて」ってやった。
先代三平師が座布団から転げ落ちて、股引出すのは末廣亭で見たけど凄かった。
軽蔑が尊敬に変わった瞬間。ナマのオーラは凄かった。
☆サゲ~「軽石で顔こすっちゃったよ」本来は「最後の人は裸足で帰します」だけど盛り上がったとこで落とす方が正解だと思う。
□登場人物~若旦那・熊五郎・湯屋のオヤジ・客2人…5人
41『大工調べ』59.4トライ 59.5.19初演(水原口演)
五代目小さんバージョンを慎楽がやっていたのを聞いて覚えた。
頭領の啖呵が気持ちよいが、どう考えても大家に分がある話。
その辺疑問に思わせない五代目小さん師は凄い。
志ん朝師バージョンではおかしいなと思わせられた。
扇辰師バージョンは本当に憎々しげな大家さんだと言うが未だに聞いていない…残念。
お白州の部分はやはりトーンダウンするので、やらない方が良いのだろうが、サゲがつまらない地口オチの割にやっていて気持ち良いんだよね。
新潟人には「棟梁」は「とうりょう」だから中途で切る場合には「とうりょう」でやるべきだろうが、サゲまでやる場合には、江戸弁の「とうりゅう」で行くべきではないかと思ってそのようにやっている。
自前のギャグは「下手に出る~(で下に手をやる)」「ピンポン…当たった」「箒の枝にまたがって空を飛んで…ハリーポッター(ハリポタの前から『魔法使いか?』ってやっていたけど…)」
☆サゲ~「流石大工は棟梁」「いいえ、調べをごろうじろ」
□登場人物~棟梁・与太郎・大家‥3人/奉行・大家の仲間…5人
40『味噌蔵』57.10トライ 57.11.3初演(水原口演)
「暖たかまりの固まりが出来た」「鯛を見せれば気絶する」「後はドガチャカドガチャカ」とか好きなギャグ満載なのでやったんだけど力不足で受けなかった。
で、以後やっていなかったが、17年の暮れの「ほのぼの」でYOKOTAさんが一人芝居にしたので、対抗上やってみた。
一応受けたけど、YOKOTAさんの力に負けた…。
☆サゲ~「味噌蔵に火が入った」説明がないとわかりにくいサゲ。
□登場人物~主人・番頭・奉公人複数・定吉・豆腐屋…6~7人
39『反対車』57.1トライ 57.2.21初演(水原口演)
誰かのを見て、面白くてやろうと思ったのだろうとは思うが…寄席かな?。
故文治師のが良いと言われているが…。
病弱な奴がやけに面白く感じてやって見たのだと思う。
「若い奴には花を持たせて…年寄りにも…」「柳の下で待ってます」とかが好きなギャグ。
土管で飛んでリクエストに応えるのも好き。
自前は「マッハ2でキーン」とか「四輪ドリフト」くらいか。
梶棒が持ち上がった時腹筋がつらい。
☆サゲ~「埼玉県川越市…」いろいろなサゲがあるけど、どれもイマイチ。
□登場人物~客・病弱な車屋・速い車屋…3人
38『たがや』56.7トライ 56.8.12初演(月二回)
艶笑さんのを聞いて覚えた。亀田伊藤先生宅の「月二会」で私服でかける。
立ち回りに際してはサム・ペキンパーならスローモーションで撮るところとか、長島茂雄とか、八双の構えとか諸刃流青眼崩しとかイロイロ入れ事をしてみたが、正式な席ではやっていなかった。
稽古していてもあの頃の勢いが出ず、出来そうもないとは思ったが、両国橋を2回も徘徊してほのぼので掛けました。。
開き直った、たがやのバトルの面白さ、痛快さ。たがやの首が飛んだんではやっぱりつまらないよネ。
☆サゲ「たがや~」決まってます。
□登場人物~たがや・殿様・家来A・家来B・客多数…主な人物は6~7人
37『夏泥』56.6トライ 56.6.18初演(三流亭一門会)
強い被害者を、弱く女々しく泣く人物にしてみた。
「いいんです…どうせ死んだ方がいいんだ…」と大声を出して結果的に脅している。
初演(亀田艶笑さん宅)では受けたので、中央署の招集日でやってシ~ンとさせてしま
って、それからやっていない…。
立場の逆転の面白さなんですが。
のっぺさんが「置き泥」としてやっているが良い味を出している。
落語って人間性が出るんですよね。
☆サゲ~「今度は暮れに来てください」と私は優しくお願いする。
□登場人物~泥棒・男…2人
36『火事息子』55.9トライ 56.6.18初演(三流亭一門会)
何でこんなの覚えたんだろう。ちょっと爆笑編からランクアップしようと勘違いしたのかな。
導入部分の番頭さんを「猫と金魚」の番頭さん風にやってみたんだけど、イマイチ受けない。
S57頃群馬落語会の館林口演に初幹入校中にこれで参加。シ~ンとさせちゃった記憶が…
談志家元が先代三木助師のがよくてそれでやっているというが、残念ながら先代三木助師のは聞いたことがない。
目塗りの部分の旦那と番頭の掛け合いはアメリカのドタバタ喜劇みたいで結構面白いと思うんだけどな。
力がないと受けないんでしょうね。
番頭さんが目塗りをする時の仕草で腹筋が痛む…。
☆サゲ~「近所に御礼にやらせましょう」
親ばか母親の良い面が出ています。
□登場人物~番頭・主人・定吉・息子・母親…5人
35『芝浜』55.9トライ H8.3.2初演(中野寄席)
落語始めた当初、先代三木助師が良いというので楽しみにして聞いてみたら大した事なく、やる気もなかったが、楽安さん(安楽庵楽安・元会員・私が新潟県内で一番上手いと思っている素人落語家)の芝浜が良くてやりたくなった噺。
でも楽安さんが良すぎてなかなか踏ん切りが付かず、16年も寝かしていた。
やっぱり楽安さんもやっている談志バージョンが良い。
楽安さんの「嬉しかったよ。貧乏のどん底だもんね」は絶品だった。とても出来ない。
以前の談志家元は、店を出した後のカミさんが釣り銭を取り合う小僧達に「バカ、取り合うんじゃないよ」と叱るが、言い方が結構強い。私は優しく叱らせた。
その後談志家元は小僧の存在を無くしているが、この「取り合うんじゃないよ、春になったら旦那から貰えるじゃないか」というフレーズが好きで、私は無くしたくないと思っていた。しかし、やはりあの愁嘆場が有るのに、小僧が帰ってくる可能性を考えたら、やはり夫婦2人の店にした方が現実的だと思って令和元年ではカットした。
私のオリジナルは、カミさんを捨て子に設定したところ…いいか悪いかは別。
さん喬師は子供を作った(先代可楽師もらしい)。志ん朝師は浜の場面を抜きでやるが、私はやはり有った方が良いと思う。
H16.8に、JR三田駅脇の芝浜跡地に行って来たがホームレスが溜まっていて不愉快。 勝五郎の気持ちには到底なれなかった。その後に行ったら綺麗な公園に変貌していて子供が沢山水遊びを為ていて…やはりダメだった。
談志家元改変…カミさんが相談に行かずに大家さんから声をかけられる設定にしているが、良い悪いは別にして凄い。
「精出せば凍る間もなし水車」…このフレーズが言いたくてやっている面も有るなぁ。
☆サゲ~「よそう、また夢になるといけない」絶品…これ以上のサゲは知らない。「よそう」と言った後に女房に何か言わせる演出をしている方もいるが…絶対に不要だと思う。
□登場人物~勝五郎・女房・客2人…二人っきりと思ったら客が2人出てました。
34『狸さい』55.9トライ 55.11.9初演(水原口演)
五代目小さん師のを本で覚えたような…サゲがつまらないので変えた。
中途半端であまりやっていないが2回はやっていると思う。
日歯のお嬢さんに私オリジナルのサゲを教えてやった。
☆サゲ~「狸が杓持って…」仕草サゲ
「満開の梅の木がぱっと現れて、枝で狸がホ~ホケキョ」私流
黒鉄ひろしの狸のイメージ
□登場人物~男・狸・賭博客A…3人
33『まんじゅう怖い』55.3トライ 55.10.26初演(水原口演)
ポピュラー過ぎてやらなかったが、余り有名なのでやっぱりやろうかなと思って覚えたが、1回しかやっていない。
よっぽどオリジナルなギャグを入れないと再演したくないくらい有名すぎて…。
その後5分に縮めてラジオでやった。
☆サゲ~「渋いお茶が一杯怖い」有名すぎるくらい有名なサゲ
□登場人物~源ちゃん・兄貴・与太郎・たっちゃん・他…5~6人
32『猫久』55.2トライ 55.7.20初演(水原口演)
五代目小さん師のを聞いたのか、本が面白かったのか、で覚えたが、イマイチ乗りが悪く1回やって暫くやっていなかった。
好きなギャグが多いし、26歳の自分のテープを聴いたら結構面白く、またやりたいと思っていたので、さん喬師匠独演会の前座で掛けた。結構うけた。
「千里を走る間にあちこちに噂を振りまいて…」「お早うございますなんて言うんだよ。亭主より先に起きるなんて変わってるよ」「逃れざるやってぇのは、この辺に来る笊屋じゃあない笊屋だ」…って結構好きなフレーズが多い。
☆サゲ~「待ってなよ。今いただいてんだから」
数少ない「仕草オチ」ですね。
□登場人物~八・カミさん・床屋・武士…4人
31『居酒屋』55.1トライ 56.12.6初演(水原口演)
先代金馬師のが面白くて覚えたが、短い噺なので1回しかやっていない。
元が「ずっこけ」の前半部分であることからサゲもイマイチである。
しかし「ようなもの」が映画になる程、通の間ではポピュラー。
機会があればやりたいと思う。故文朝師が何とかサゲをつけており、それをパクッた。
酔客がだんだん酔ってくるのをキチンと行うべきだろう。
「ベースボールの手袋」って言い方が好き。
「月夜に採れたんじゃないな」は今時の人には分からない。
☆サゲ~「番頭を鍋にしてバンコウ鍋にしよう」冗談じゃない的サゲ(先代金馬師)
「鍋にはなりません。オカマですから」…つまんないサゲ(文朝師)
□登場人物~客・小僧…2人
30『かぼちゃ屋』54.10トライ 55.3.9初演(船戸山寄席)
五代目小さん師というより、群馬大学落研のお嬢さんの「ここに泊まらなきゃなんないな。枕持って来なかったな」が可愛くて覚えた。
客も「唐茄子屋政談」に出てくるのと同一人物かと思うような江戸っ子。
小ネタなんでやる場所がなく1回しか掛けていないのでほとんど忘れた。
☆サゲ~「掛け値をしないと女房子が養えない」与太郎が可愛い。
□登場人物~与太郎・おじさん・客…3人
29『だくだく』54.3トライ 54.10.6初演(水原口演)
艶笑さんがやっているのを聞いて覚えた。泥棒が出るので「110番の日」などによくやっていた。
さん喬師の会の前座にやって、さん喬師からダメ出しされてビビッた。
高座を見ていなくともどういう仕草をしたかが分かっちゃっているのに感服。
お話を伺っている時、最近こんな情景が有ったよなと思ったら、署長に叱られている時と同じ状態…だった。
群馬の中島先生のモノが最高であった。時計のギャグ「時間は午後の9時」「午後も午前も一緒だ」を貰ったが、今はデジタルなので午前と午後は分かるなと感じている。考え過ぎか。
「紫檀黒檀タガヤサン裏に住んでる大家さん」「山水という面じゃない、日水の竹輪って面」は私のオリジナル。槍を取る時は俵星玄蕃でやってる。
☆サゲ~「血がだくだくと出たつもり」
落ちにくいよね。中途半端で終わった感じがする。
□登場人物~八五郎・先生・泥棒…3人
28『替り目』53.7トライ 53.7.30初演(水原口演)
先代柳屋小せん師のテープ(8トラック)が面白くって覚えた。志ん生師のは後で聞いて細かいギャグを戴いた。
酒のマクラは先代金馬師と先代小せん師。細かいギャグ「百万年前のトカゲ」「硫酸飲むか?」「天井抜けてドイツまで行っちゃう」などは志ん生師。「店畳んで家帰っておシッコして寝ちゃう」は小せん師。
十周年記念やオヤジが死んだ後の荻川寄席でやってお袋に「オヤジそっくり」と好評であった。好きな話ベスト6に入れても良いな。他の5つは??
「文七」「らくだ」「妾馬」「居残り」「井戸茶」かな。
久し振りに大坂で掛ける事になり
「八木かねちゃんみたいに、差し上げたら笑え」
「思いやりは見えないが重い槍は持てない」
「隣の旦那食べちゃったら矢口みたい」
「愛くるしかったのに今は暑苦しい」
なんて入れて見た。
☆サゲ~「まだ行かないのか。あんな所で聞いていやがん」
初めて聞いた時ビックリした。
本来はうどん屋を呼んで云々だがそこまでやる必要は全く無いと思うが、これまた最近最後までやるプ ロが出て来た。でもつまらない。
夫婦の愛情が出た所で切るべきだと思いますけどね。
□登場人物~旦那・車屋・妻…3人
27『天災』53.5トライ 53.6.25初演(船戸山寄席)
談志家元のレコードで覚えた。
その後の「ひとり会」のビデオで聞いたら全く別物になっていてビックリしたが、新しいのは嫌い。
調子が良くて覚えた。どれ程好きな訳でもないが結構重要な時に掛けている。30周年・けん銃落語・寄居寄席などなど。
二十四孝は出来ないがこれは出来る。不思議。
名丸先生が住む、長谷川町新道が「百川」の三光新道と同じとは思わなかったが、落語の舞台を歩くで教わったので、H17年6月歩きました。
発見したときはメチャ嬉しかったが、あまりに短い路地でビックリ。
三光神社に凄いボス猫が寝ていて、仰向けのまま睨まれた。18年2月にカミさんも連れて行ったが、もちろん猫はいなかった。
その代わり三光神社の氏子世話人さんと遭遇。若い時に町内会で一番若いのが世話人になるんだと言われ二十数年たっても未だに一番若い…って大笑い。
二つの古典落語に出ている町内なんで宣伝しては如何と進言。
八「帰ってくれ」名丸「私の家だから帰れない」が好き。あまりいじっていない。
☆サゲ~「うちに来たのは先妻だ」…地口オチだが良く出来ていると思う。
「先妻の間違いでございます」とやる人もいるがポンと言い切った方が落ちやすいと思う。
□登場人物~八五郎・紅羅坊名丸・八妻・熊五郎…4人
26『牛ほめ』53.2トライ 55.2.23初演(水原口演)
寄席でよく聞いていて憶えようと思ったものであろう。
短くてなかなかやる機会がない。 好きな細かいギャグが多い。
中野寄席の際に小鶴のドタキャンに伴い、小鶴がやる予定のこれをかけた。
その後は、18年の6月のさん喬師独演会の前座でかけたが、結構うけた。
「先日親父がぶら下がり」「佐兵衛のカカアはひきずりで」「半年かけて建てた家もマッチ1本で30分で燃える」「ワンワンなくからひょうきんな牛だと思った」
「基角の発句→ブラジャーのホックですな」だけは私のオリジナル
☆サゲ~「穴が隠れて屁の用心になります」
下品であるが分かりやすい。
□登場人物~与太郎・父・佐兵衛…3人
25『井戸の茶碗』53.1トラシイ 53.5.2初演(水原口演)
先代柳朝師のが良くて憶えた。癒し系落語の典型。14年頃からプロの間でも人気が出ているようで、いろいろな人がやっている。
暫くして再度聞き直して自分の人物表現が変わっているので驚いた作品。
高木作左右衛門が清兵衛に対して居丈高過ぎているので直していた。
清兵衛ももっと根性の良い人間風にした。
千代田朴斎が孤高の人で好きだが、一番好きなのは世話好きの大家。
一寸だけ出てきて良いところを持って行っている感じがする。
後は千三つの留チャン。
古今亭系のやり方は全く納得がいかないが…千代田さんは幾ら金に困っても屑屋には頭を下げないであろう。
古今亭型を初めて聞いたら絶対にやってはいないと思う。
「小松五郎芳兼」の文句がなかなか出てこないので困ったことが多い。
エコ落語の際にはやっぱ屑屋が出るコレ。
芝茗荷谷の場所を知りたいと思っていたら「吟醸」さんのHPで教えて貰い、18.3.4上京した際に坂巡りの途中に立ち寄った。
清正公から相当遠いので千代田さん家の「西応寺」は近いくらい。昔の人は偉い!。
千代田さん家は柳朝師では「西応寺」だったが古今亭は「清正公の近く」としている。
さん喬師は「清眼寺」店、これは覚林寺の近くにあるが、これかな?。
16年8月の「円朝まつり」の前日に歩き回った。
「アームストロング砲」のギャグが好き。
☆サゲ~「磨くのはコリゴリだ。また小判が出るといかん」
良く出来たサゲ。加藤顧問曰く「また、殿に取られるとイカン」絶品!
□登場人物~清兵衛・千代田朴斎・娘・高木作左右衛門・良助・屑屋A・B・千三つの留・殿様・鑑定家・大家…11人
24『不精床』52.9トライ 52.9.25初演(京ヶ瀬老人クラブ)
何となく出来そうで憶えたような…。本とテレビなどが影響。
床屋が扇子で頭を剃るのが良いか、ハサミにするか、結局中途半端にやっていた。
管区学校で埼玉砂川氏のリクエストでやってイマイチで、それっきりやっていない。 こんな床屋は嫌だの典型で、生意気な寿司屋に見せてやりたいような噺。
「何この犬」「この間客の耳食ってから癖になって…」良いブラックだよな。
☆サゲ~「全部出りゃあ止まる」
他にもあるんだろうけど…
□登場人物~客…床屋…小僧…3人
23『野ざらし』52.2トライ 52.7.19初演(京ヶ瀬老人クラブ)
先代円遊師匠のが面白くて憶えた。艶笑さんとかぶる。
京ヶ瀬の老人会で受けたので、笹神でやったら全く受けず真っ白けになって、第一回の大スランプに陥った因縁の作品。
いつかまたとは思って時々稽古するけど…。あのテンポが難しい。
「柱に時計がおっこちてます」一瞬考えて爆笑。
円遊師匠のもたもたしてるのにテンポのあるしゃべりが良い。
サゲもイマイチだし、新たなモノを作るべきかなと思い、ほのぼの用に新たに作ってみました。
☆サゲ~最後「新町の太鼓です」「ああ、あれは馬の骨か」
誰も分からないからここまでやる奴はいない、と思ったら最近はさん喬師や扇辰師も含めて最後ま でやる人が出て来たが、どうなんだろう?
「自分のアゴを釣っちゃった」強引に途中で切ってるのでつまらない。
新サゲ
「夕方来ると思ったが、夜中に来るのか、腹が空いたな。握り飯が食いたい」と振っておいて、
「誰だお前は」「向島の太鼓持ちです」「餅はいらねぇ、握り飯持って来い」
ほのぼの寄席93回ではまずまず受けた。
□登場人物~熊・隠居・釣り客A・B・Cくらい…5人
22『短命』52.1トライ 52.3.13初演(水原口演)
当時は好きだった先代円楽師のが面白くて憶えた。新潟での爆笑真打登場(新大とのジョイント)でもかけていて、結構やった気がしたが回数はそれほどでもない。。
受ける時と受けない時があって、最近は掛けていない。艶笑さんがやるようになり、かぶっていることもあるが…。
「田淵なら逸らしている」が好きだけど今は誰だろう。艶笑さんは一茂でやっていたが今はそれも古い。
「俺は慣れてるから受け取れるけど、急に放られりゃあイチローだって後ろに逸らす」って考えてみたがまだやっていない。
「薄バカ下郎」「キングコングの濃縮小型化」が私のオリジナルギャグ。
「手首が折れそう」「受け取ろうとする鰤のアラ」「しゃくったな」は大好き。
「積善の家に余慶有り」という言葉を覚えた。
☆サゲ~「俺は長生きだ」
長命だと言うよりは分かりやすい。言う前にばれるサゲ。
ほのぼのでは、ぼそっと言わずにガッツポーズで「よ~し、俺は長生きだ!」ってやってみた…どうと言 うことはない。
□登場人物~熊・隠居・カミさん…3人
21『長屋の花見』51.11トライ 52.2.16初演(堀越老人クラブ)
あまりにポピュラーなのでやりたくなかったけど、ついつい憶えちゃった。
五代目小さんバージョンがパーフェクトだと思うので全く入れ物をしていない…というよりは思いつかなかった
?。
貧乏を楽しんじゃってる長屋の衆と、困りながらもやっぱり楽しんでいる大家さんが最高。「胃酸の缶」って「太田胃酸」の缶に間違いないと思うんだけど、今の人には分からないだろうな。
☆サゲ~「酒柱が立ってます」
これから本物食ってる奴に喧嘩を売って飲み食いするのが本当なんだけど嫌みだし、後味も悪いし、誰もやっていないようです。
□登場人物~大家・長屋の衆(月番A・B・与太郎・源ちゃん・歯入屋・猫の皮剥き屋等など多数)
20『宮戸川』51.8トライ 51.10.9初演(水原口演)
先代円楽師のがメチャクチャ面白くて憶えたが、若旦那は苦手だし、娘は出来ないしで2回で止め。艶笑さんが始めたのでどうぞって感じ。
でも、お花が追い越していって「韋駄天お花」とか「熊本行っちゃえ」とか「セコンド婆」とか円楽師の細かいギャグが大好きなのです。
後半は本でしか知らないし面白くも何ともない。
☆サゲ~「こっから先は本が破れて分からない」
結局は長い噺の上なのでこんなものでしょう。色っぽくやって期待を外す良いパターン。
長編の方のサゲは「夢は小僧の使いか」…サゲもつまならい。
□登場人物~お花・半七・伯父・伯母…4人
19『千早振る』51.8トライ 51.10.31初演(水高文化祭)
良く出来た噺で好きなので、五代目小さん師で憶えたのになかなか掛けていない。
楽安さんが瀬波でやった練習バージョンが余りに凄かったせいか?
「幾分はずむ気味があった」という渋いギャグが大好きなのです。
業平も百人一首も知らない人が多くなってきているので分かりにくくなっているのかも知れないが…
強引に噺を持っていく隠居が凄いし、論理にほとんど破綻が無いのも凄い。
私は隠居を比較的淡々とやる五代目小さんバージョンだが、小遊三師はむちゃくちゃ飛んでる隠居の印象がある。
コント55号の時の萩本欽一風不条理人間でも面白いか。
19年池袋の文左右衛門師は、若手漫才師のノリで兄貴と熊さんでやっていたので、私ゃ爆笑でした。
サゲも「とは、は千早の本名だって説明は駄目だよ」って言うから、新しいサゲをやってくれるかと思ったが、期待はずれでした。
☆サゲ~「くぐるとは、の『とは』って何だい」「『とは』は千早の本名だ」
強引かつ秀逸なサゲで、落語サゲのベスト5に入れても良いと思う。
では後の4つは何??(これも考えてみよう)
□登場人物~隠居・熊…2人
18『半分垢』51.6トライ 51.10.31初演(水高文化祭)
持ちネタで一番短い噺。円窓師で憶えて水高文化祭用に掛け受けた記憶があるが、短い噺過ぎてあまり出せず仕舞い。
二十五年後に本町寄席「蔵」の二周年記念で持ち時間15分と言うことでまさに蔵出し。
マクラのギャグや本編の小さなギャグは忘れていたけど、まずまず受けた。
その後、交通安全教室で時間が押している時に5分以内で終われるのでチョイとやって重宝して何とかなっている。彦三会でも結局時間が無くなってこれにした。
☆サゲ~「半分は垢でございます」
仕込んであって面白いサゲで好きな方。
田上落語村の方は志ん生師で覚えたせいでサゲが仕込めていなくて、訳わかんない状態でした。
□登場人物~関取・妻・熊・竹…4人
17『出来心』51.5トライ 51.5.29初演(分田寄席)
水原の分田寄席用に覚えてかけたが、ほとんど受けずにそれっきりにしていた。
憚郎もやっていた。裏が花色木綿というのが、花色木綿を私も知らないからピンと来ず受けないんだろうな。だから「下駄忘れてきた」で切る人もいるがこれも余程盛り上げないと難しい。
H15に新発田でサゲを替えてやってみたら、そこそこ受けたので「だくだく」に次ぐ泥棒ネタ第2弾として行けると思う。「夏泥」は受けたり受けなかったりだしね。
H18年7月15日新居浜寄席でかけたところ、広島の笑福さんが先代馬生師みたいだと絶賛してくれたが、どこが馬生師なのかは不明。
☆サゲ~「なんで嘘をついた」「貧の盗みの出来心」
中途で切る場合「あ~下駄忘れてきた」
新サゲ(オリジナル)
ぶら衛門妻「何だい。見慣れない奴が飛び出してったよ」
ぶら衛門「泥棒だよ」
妻「何か盗られなかった」
ぶ「バカな奴で羊羹食って飛び出していったが直ぐに捕まるよ」
妻「そうかい」
ぶ「下駄忘れて行ったんで、交番に持って行きな。
モノが下駄だけに直ぐに足が付くよ」
□登場人物~泥棒・親分・提灯屋ぶら衛門・A(空き家)・B(さよなら)・C(目の前)・D(怖い奴)/八・大家 9人(私は妻入れて8人)
16『宿屋の富』51.3トライ 56.11.07初演(水原口演)
水原での自分の真打ち披露で掛けた。
男の嘘を派手にして「屋敷がでかすぎて、開けたことのない納戸から鎧武者が出てきて、関ヶ原はどっちが勝ちました?」なんてのを入れてみた。
「うどん食って寝ちゃう」は好きだけどイマイチ受けない。腕?そう腕。
自分が乗れないので2回かけた後お蔵に入っていたが、ほのぼの寄席用に蔵出しをしたところウッカリ落ち武者のギャグを入れ忘れちゃった。
富の碑がある椙の森神社に行ってみた。三光新道の近くで驚いた。
☆サゲ~客も草履を履いて寝ていた。
地に戻らず「お客様も草履を履いてます」とせりふにした。
□登場人物~男・主人・妻・神社の客A・B・C・Dくらいはいるか・札読み…8~9人
15『猫と金魚』50.12トライ 記録はないけど1回水原でやったはずだ。
円蔵師が面白くて覚えた。先代権太楼作とか。「金魚鉢棚に上げとくれ」「金魚どうしましょ」好きだな。「猫が金魚食っても文句言えないなら、ウチの金魚けしかけて猫食わせましょう」番頭最高。テンポがむずかしくって再演していない。
☆サゲ~「猫退治してくれ」「無理です。濡れねずみになりました」
サゲはつまらない。新作はサゲがつまらないのが多い。
□登場人物~旦那・番頭・虎…3人
14『こんにゃく問答』50.12トライ 18.4.22初演(ほのぼの寄席)
好きな噺。始め本で覚えようと思ったが挫折。その後八代目正蔵師ので覚えたが、やる機会のないまま忘れた。…1回でもかけないとお寺の風景の言い立てを直ぐに忘れる。とくにこの言い立ては油断すると忘れる。
のっぺさんが掛け始めたのでやりにくくなってきたが、31年目にしてようやく「ほのぼの」でかけました。
何回もトライしているので、筋は追えるが、なかなか台詞が自分のものにならず結構苦労した。「三方一両損」と同じパターン。かける1週間くらい前に何とかなったかな、という感じ。
正蔵師の寺の符帳のうんちくはつまらないが、「泥鰌は踊りっこ」を使って、「鍋にしようぜ。泥鰌を入れておどりっこ鍋。ゆずを添えて『ゆずの踊りっこ』」という他愛の無いギャグを作ってみた。
イロイロ入れられる気がしたが、それ程は入れられなかった。他には
弔いの宣伝…1ヶ月以内に弔い出すと棺桶をもう一個進呈、焼き賃を2割引
…お好みの焼き方も思いついたが、受けないかなと思って止めた
くらいかな。
談志家元も参考にしようと思ったが、イマイチであった。
択禅さんの声を本物の坊主みたいな発声法で朗々とやろうとしたら、丹波哲郎みたいになってしまい、それも面白いかなと思ったけど、客の意識がそっちに行っても困るなと思い普通にやった。
先代柳橋師のような恵比寿顔でやりたかったが、とても無理なので口をへの字にして怖い顔になった。着物を着ての稽古をしないので手の位置がだらしなくなり、失敗。
☆サゲ~「三十に負けろってぇからアカンベー」
小学生くらいの時に聞いて面白かった記憶がある。
□登場人物~六兵衛・熊・権助・択禅…4人
13『子ほめ』50.11トライ 51.3.6初演(水原口演)
先代円楽師のギャグが新鮮で憶えて、寄席でも良く聞いた噺。
水原口演第3回目の出演噺。
短くて笑いも多いが寿限無とかぶるので私の中では寿限無の陰にかすんでいる。
先代円楽師の「よ~町内の色男」「爺あっち行けフ~ッ」「青いから青ん坊。育つかな?」「見るは法楽見られるは因果」とかのギャグが好きだが、「蛇は一寸じゃ短いな」より
「ジャワ・スマトラは南方だ」の方が好き、受けないけど。
「赤いけど誰か茹でたの?」も好きなんだよね。
17年にさん喬師独演会の前座でかけた。「暴力はいけないよ。タリバンじゃないんだから」は全く受けなかった。機動隊で「暴力はいけないよ、中核派じゃないんだから」は受けたんだけど…。
☆サゲ~「一つで若けりゃ幾つだ」「どう見ても半分だ」
イマイチ面白くない。「どう見ても只だ」は前半の「只の酒」で仕込んでるが「半分」は唐突に出てくる感じがする。
□登場人物~熊・隠居・伊勢屋の番頭・竹さん…4人(色の黒い通行人バージョンもある)
12『寿限無』50.10トライ 51.10.30初演(水高文化祭)
簡単すぎて憶える気持ちもなく憶えていた噺。艶笑さん宅にあった本に細かい説明があったか講談社版かは忘れたが、説明は本で憶えた。
今は無き青年の家の文化祭でやって受けずに第2回目のスランプに陥った噺。
第一回目のスランプの時は寿限無も出来なくなっていた。
その後交通安全落語の際に短くて万人受けするので、やっていた。
以前の定番であった「金明竹」を抑えて平成13年頃から口演最高回数が逆転。
実施回数は100回を越え一位をキープしていたが、時そばにその座を奪われた。
新しいギャグは無い。これだけ回数やっていても間違うから怖い。
爺さん・婆さんが喜ぶんだよね。
S50年頃、末廣亭で円生師の寿限無を聞いて笑っちゃって、芸の力の凄さを痛感した。円窓師のは余り笑えなかった。
昔のサゲは井戸に落ちて死ぬのだそうだが、談志家元じゃあないが寿っちゃんというニックネームで良いのにね。
過ぎたるは尚及ばざるが如しの典型。外国にも同様の噺が多く有る。
☆サゲ~「こぶなんか無いじゃないか」「あんまり名前が長いからこぶが引っ込んじゃった」
まあ、納得出来るサゲ
□登場人物~熊・女房・和尚・のり屋の婆・金ちゃん…5人(寿ちゃんは出てこない)
11『時そば』50.10トライ H2.2.20初演(安塚須川)
艶笑さんの昔の十八番でイヤでも聞いて憶えた。記録は無いが、本当の初演は仙台での職場レクの夜だった。
そば食う真似があざとくてやっていなかったが、機動隊の家族会用に売り声や江戸時代の時計の噺を入れてやるようになった。
禍福はあざなえる縄の如し~下腹部がアザになるくらいの縄目の跡…気に入っているが受けない
私が20歳頃に志ん朝師が末廣亭でやったのを忘れない。滅多に寄席に出られなかった人なのに良く見られたものだと今になって思う。
グッチャグチャなそばの食べ方は志ん朝師をパクった。
顔のでかい人だと思ったが、亡くなる前の年お会いしたら私より小さかった。
H20の振り込め詐欺落語で使うようになり飛躍的に演ずる回数が増え、24年1月にとうとう寿限無を超えて1位になった。
早口で5分で終わるので時間調整も可能。
☆サゲ~「何時で」「四つで」「五・六・七…」
時について調べて知識が増えた。
□登場人物~最初の客・蕎麦屋A・後の客・蕎麦屋B…4人
10『近日息子』50.10トライ 50.11.1初演(水高文化祭)
子ほめと共に、50年頃の東京の寄席通いで憶えたに等しい噺。
「昨日そば食った人間が今日死んじゃあ行けませんか。スーピンが通ったからと言ってチーピンが通るとは限らない」と言うギャグを複数の噺家が使っていた。
与太の中で一番毒のある与太。好きなんだけど殆どやってない噺の一つ。
☆サゲ~「忌中なんて札をかけるからだ」「よく見ろ。脇に近日と書いてあらあ」 オヤジの芝居好きで仕込んであるし、良く出来ていると思うサゲ。
□登場人物~与太・親父・長屋の住人A・B…4人
9『崇徳院』50.10トライ 50.11.1初演(水高文化祭)
本で憶えた。「上野の山からエッフェル塔が見える」とか入れ物をして慎楽にイヤミを言われた。
水原高校文化祭のために憶えた数多い噺の中の一つ。
初の新潟口演でかけたし、あのFUKUYAでもやっているが、その後は余りやっていない。
若旦那やるのがキャラでないので億劫なんだろうと思う。艶笑さんも志ん朝師バージョンで始めた。
枝雀師バージョンも面白い。
上野の清水様にも行ってみました。
☆サゲ~「鏡が割れたじゃないか」「大丈夫。割れても末に買わんとぞ思う」
このサゲの為に作ったんじゃないかと思うような噺。好きなサゲではある。談志家元は嫌っているが…
□登場人物~熊・若旦那・旦那・カミさん・うるさいと叱る女・床屋A・床屋の客・床屋B・頭…9人
8『孝行糖』50.8トライ 54.7.15初演(水原口演)
先代金馬師の与太郎第2弾。嫌いじゃないが短いので余りやる機会が無い。
昔は障害者を障害者として認めた上でみんなで助け合っていた。
今は障害者を差別するなと騒ぐお陰で触らぬ神に祟りなし状態になっている。
障害者の中にも特権意識を持ってしまっている者も多くなっている。
「ごぜ米」好きですね。ごぜがギャラ代わりに貰った米を一般人が割高承知で買う。
唯、金をやるのはごぜのプライドを傷つけるからとの配意なのだと勝手に思っているが…。
馬鹿を馬鹿として認めているお話。
おちょくられる客とのやりとりが馬鹿馬鹿しくて良い。
先代金馬師の与太は結構毒があり好きだ。
18年11月の「ほのぼの」で27年振りにやってみました。
☆サゲ~「何処を叩かれた」「こうこうと~こうこうと~」
つまんない地口落ち
□登場人物~与太・大家・長屋の住人・知恵袋・客A・B・門番・通行人
(短いのに8人?)
7『ろくろ首』50.6トライ 50.8.30初演(水原口演)
金明竹の与太郎よりも更にバージョンアップした与太で好きです。
「チンチン、2回だな。2回は、ごもっともごもっともだな」は最高。
談志家元も何かのマクラで使っていた。
五代目小さんの速記である講談社版で憶えた。
「お前なんかムコで沢山だ云々」と養子の方に失礼な部分があるが、お客に養子の方がいて困った記憶がある。
「目線だけで、首が伸びて屏風を越えることが表現出来れば」と加藤顧問に言われたことがあるし、その通りだなと思っている。
☆サゲ~「お袋も明日はよい知らせがあるかと首を長くして待っている」「えっお袋が首を長くして。じゃあうちにも帰れない」
好きなサゲです。五代目小さんが作ったサゲと何かで読んだ記憶があるが、ストンと気持ちよく落ちますよね。
□登場人物~与太・おじさん・婆や(おばさんやお嫁さんは喋らないから3人だけだ)
6『寄合酒』50.6トライ 50.9初演(亀田福祉センター)
好きでもない故夢楽師の噺だったが、マアマア面白くて初期には良くやった噺。
数の子などの料理を失敗するところが、料理の基本を知らないと受けにくいのかな?
昔はこんな風に若い奴が集まって飲んでいたのかナ。
「前にぶら下がってる先のまあるい太い棒」が大好き。
☆サゲ~「一生飲まないって言っただろ」「だから二升飲んだんだ」
艶笑さんから教わったのか、寄席で聞いたのか?夢楽師のはサゲがなかった。これはキッチリ地口落ちになっており、分かりやすい。
□登場人物~兄貴・辰ちゃん・七輪男・与太郎・数の子男・鰹節男・ネギ男・鯛男…8人
5『金明竹』50.2トライ 51.7.31初演(京ヶ瀬老人クラブ)
先代金馬バージョンをやっていた慎楽のモノを聞いて自然に憶えた噺。
艶笑さんのあのホンワカした与太郎はとても出来ないなと思っていたところであり、こいつのようなパーフェクト馬鹿なら出来るかなと思い、やり始めた。
97%?の成功率を誇る定番ネタ。
噺は前半の借り物編と後半の早口編と別噺だったのかなと思わせるが??
高校時代に1年先輩のブラバン部員兼寄席同好会員が文化祭の演奏途中のMCで早口部分だけやったのが印象に残っている。
その時は「ナンダコリャ」と思ったが、その後先代金馬師を聞いて納得した。
「ライスカレーはシャジで食うぞ」が大好きだが、イマイチ受けない部分(昔は受けた記憶が…)。このギャグは五代目小さん師のオリジナルと何処かで読んだ。
円朝忌で「ライスカレーはシャジで食う」というテントが出たが好きな奴にはたまらない。17年はシャジが無くなり割り箸だった。
以前は、与「俺のせいじゃね~っと」主「今帰りましたよ」の人物転換だけで受けた。
先代金馬師は言い立てを与太郎へ2回、カミさんに2回の計4回やっているが、くどいような気がして、カミさん時には1回しかやっていない。
しかし、寄席で若手が最後の4回目をメチャクチャ早口でやって笑いを取っていたので、それも手かなと思い、17年12月の福井県での「べんがら寄席」でやってみたが練習不足で訳が分からなくなった。
ほとんど入れ物をしていない。
終演後早口言葉について聞いてくる客に道具の講釈を垂れるのも楽しい。
「落語の舞台を歩く」で詳細な説明が出たので助かる。
☆サゲ~「道具七品を預けてあるんだが買ってかな」「いいえ、カワズでございます」
良く出来ていて好きなサゲ。俳句部分をゆっくり繰り返し言って仕込んでいる。
柳家では「道具七品を買うように手金を渡してあるんだが買ってかな」とやっている。
□登場人物~与太郎・主人・妻・雨宿り男・相模屋・近江屋・加賀屋使い…7人
4『蛙茶番』50.2トライ 51.10.31初演(水高文化祭)
本を読んでいてやりたくなった噺。水原高校文化祭などでやった。バレ噺ではあるが、イヤミはないと思う。 天竺徳兵衛の歌舞伎が分からないが何とかなる噺である。
建具屋の半公が主人公というのも珍しい。半ちゃんを徹底的にテンション高くやるべきと思っている。
チャンとしたところではやりたくないし、初めての所ではとても出来ず、中途半端な印象があり、その後掛けてはいなかったが「ほのぼの寄席」でやってみた。
17年5月の末廣亭深夜寄席で初めて他人の噺を聞いた。
☆サゲ~「ガマ出て来なさい」「出られません。青大将が睨んでますから」
一杯仕込んでキチンと落ちてると思う。
□登場人物~主人・番頭・定吉・半公・湯屋の番頭・兄貴・客A・B…8人
3『高砂や』50.1トライ 50.3.21初演(水原口演)
水原口演初出演の記念すべき噺。道灌の次に人前にかけた噺。
五代目小さんバージョンが好きで覚えたが、結構受けたので気に入って金明竹を覚えるまでは定番にしていた。
仲人口のオリジナル小噺を作った。
男「仲人さんは、料理が上手で、洗濯が好きで、裁縫が上手いと言ったが、うちの嫁は何も出来ない。
噂話は好きで、遊びに行くのが大好きで、叱れば弁解ばっかりだ。」
仲人「私の言うとおりでしょ。人の噂を聞くと自分の良いように料理して人に広める。
遊びに行って何をするかといえば命の洗濯をする。
あなたが叱れば自分の失敗をうまく言い繕う」
謡を知らない人の方が多いので、よく説明をしないと可笑しさが伝わらない感じがしている。
年令の高い客の場合は受けるが若者にはイマイチか。
紋付きを借りる際にタンスの中身を知っているというのギャグは円生師の妾馬からのパクリ。
一応、謡をかじっておいて良かったかなと思っている。
☆サゲ~「どうぞお先に」「助け船~」
浦舟が良く入っていないとピンと来ないサゲ。段々テンションを上げてストンと落ちると気持ち良い。
□登場人物~八五郎・隠居・伊勢屋…3人
2『小言幸兵衛』49.12トライ 56.4.19初演??
強引に前に行っちゃう幸兵衛さんが好きで、覚えたは良いがイマイチ乗りが悪くズットやらなかった。
先々代柳橋師の「キリスト」バージョンを末広亭で聞いてサゲを治してみたので出来そうな気がして2回はやっていると思うが記録が無くて不明。
H20.10、8月にさん喬師のを聞いてやる気になり、ほのぼので。
良くうけました。麻布の古川にも実際に行ってみたが完全都会化していてさっぱり。
☆サゲ~本来「商売が鉄砲鍛冶?道理でぽんぽん言い通しだ」
柳橋師版「じゃあどうしても貸していただけないんで」「イエス」
本来のサゲの鉄砲鍛冶屋は最初に登場する豆腐屋との違いがイマイチ分からない。サゲのために無理矢理登場させた感が否めない。柳橋師の賛美歌から「イエス」のサゲの方が好きなのでそっちでやってる。
□登場人物~幸兵衛・豆腐屋・仕立て屋…3人
1『道灌』49.8トライ・49.11.3初演(水高文化祭)
記念すべき初めてのネタ。S49年8月に慎楽(初代会長・当時世間亭悪加郎)宅で「俺も落語やりたい」と相談したところ、談志家元のテープと講談社刊「古典落語」を借してくれたので練習。
道灌は、柳家では入門して最初に覚える噺というのは相当後になって知った。
談志バージョンも細かいギャグのオンパレードでテンポ良く楽しい噺だが、そのままやるのが嫌でオリジナルギャグを考え、「警察からの手入れ」「柔道着持った道灌で講道館」「盆の上にライスカレー(偶然先代金馬師もやっていた)」「四天王の麻雀」「村雨はフランス語」などを入れてみた。
その代わり本来の四天王オンパレードの言い立ては面倒…最初からいい加減…なので覚えなかった。
公民館での初練習会で会員に受けて気分が良かった。
加藤顧問から「四天王の麻雀は思いつかなかった」と言われ、一寸得意。
談志家元版では「内緒で裏から提灯を貸してやる」がお気に入りのギャグ。
11月の水原高校文化祭で初高座。結構ウケたので自己満足。落語人生の第一歩を飾る思い出のネタ。
その割には余り掛けていないが、16年の、さん喬師独演会の前座でやってみました。
☆サゲ~「歌道に暗いな」「角が暗いから提灯借りに来た」
キチンと仕込んであり、アップテンポでストンと落ち、談志家元は馬鹿にしているけど私は気に入っているサゲ。
□登場人物~八五郎・隠居・雨具を借りに来た男…3人